映画『チワワちゃん』あらすじ・ネタバレ感想!東京湾のバラバラ死体は“チワワちゃん”だった

映画『チワワちゃん』あらすじ・ネタバレ感想!

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東京湾で発見されたバラバラにされた若い女性の腐乱死体。

それがみんなが憧れ、妬み、軽蔑し、そして大好きだったあの“チワワちゃん”だったとは。

原作は『ヘルタースケルター』で一躍有名になった岡崎京子の漫画「チワワちゃん」。

わずか34ページの原作を映画化したのは、当時若干26歳の二宮健監督です。

ポイント
  • 門脇麦、成田凌、寛一郎、玉城ティナ…今注目の若手俳優陣
  • チワワちゃんとはどんな女の子だったのか?チワワの死後その足跡をたどる物語
  • オーディションで“チワワちゃん”役を射止めた吉田志織がとにかくモーレツに可愛い

チワワという女の子の死が、カラフルに彩られた本作。

土台となるバラバラ殺人事件のニオイは一切隠され、さすが若い監督だな…と思う新しさを感じながらも、どこかノスタルジックな気分になる、そんな映画でした。

映画『チワワちゃん』作品情報

映画『チワワちゃん』作品情報

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作品名 チワワちゃん
公開日 2019年1月18日
上映時間 104分
監督 二宮健
脚本 二宮健
原作 岡崎京子「チワワちゃん」
出演者 門脇麦
成田凌
寛一郎
玉城ティナ
吉田志織
村上虹郎
仲万美
古川琴音
篠原悠伸
上遠野太洸
松本妃代
松本穂香
成河
栗山千明
浅野忠信
主題歌 Have a Nice Day!「僕らの時代」

【ネタバレあり】映画『チワワちゃん』あらすじと感想


突如現れる、“チワワちゃん”

クラブにある日現われた、めちゃくちゃ可愛い女の子(吉田志織)。

主人公ミキ(門脇麦)が一度「やっちゃった」男の子ヨシダくん(成田凌)の彼女として突然現れたこの女の子は、自分を「チワワって呼んで」と言います。

映画『チワワちゃん』

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ミキはこの底なしに明るいチワワをあまりよろしく思いません。

ヨシダくんと一度関係を持ったものの、なかなかそれ以上の関係に発展できないままだった自分を軽々飛び越えて、突如現われた彼女という存在にみじめな気持ちになってしまいます。

チワワは女子の羨望や嫉妬が入り混じった眼差しを一心に集めますが、それを一切気にしません。

YUKI

この物語の中でチワワという女の子がどういった人間だったかを断片的に集めていきますが、そのどれをとってみても、チワワには元から“悪意”というものが存在しないように感じました。

みんなからの羨望や嫉妬やちょっとしたイジワル…。

そんなことを感じ取っても、それを跳ね返して、自分からそこにダイブしていくようなそんな女の子。

あっという間に、グループの中でも中心的存在となっていくチワワ。

映画『チワワちゃん』

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数年後、東京で若い女性のバラバラにされた死体が発見され、大ニュースになります。

被害者の名前は“チワキヨシコ”

この“チワキヨシコ”という名前を聞いても、誰もそれがあの“チワワちゃん”のことだとは気づきません。

同じ時間を共有し、一時は毎日一緒にいた仲間だったのに、誰もチワワちゃんの本名さえ知らなかったからです。

600万円入りのバッグを奪って走り去るチワワ(吉田志織)

チワワとクラブで初めて会った日、同じクラブに来ていた建設関係の男たちのバッグの中に600万円入っていることを知ります。

どうやらそのお金はヤクザに渡す賄賂だそう。

600万円、そりゃ欲しいけど…とみんな何もしません。

それが当然なのですが、チワワは仲間から挑発され、バッグを男から奪って逃走!見事に600万円を奪い去ります。

この時、ミキは自分とチワワの決定的な違いを痛感させられます。

「ヨシダくんの彼女にはこういう子が選ばれるんだ」と、笑顔で自分の前をバッグを持って全力疾走するチワワを憧れるかのように追いかけるミキ。

グループは奪った600万円で海外旅行へ行こうとしますが、肝心のチワワだけがパスポートを持っていない、という理由で国内旅行になります。

毎日、飲んで歌って騒いで24時間水着姿の若者たちが乱痴気騒ぎ。

映画『チワワちゃん』

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旅行中の映像はまるでミュージックビデオのようで、目が眩むほどカラフルでやかましい。

そして、一生無くならないと思っていた600万円をたった3日で使い果たしてしまうのです。

ミキ(門脇麦)のチワワ(吉田志織)に対する劣等感

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物語全体を通して印象的だったのは、ミキが抱くチワワへの憧れにも似た劣等感です。

ミキがチワワに対して劣等感を抱く理由は大きく2つありました。

ひとつは、ヨシダくん

ミキはヨシダくんとの関係を「色々あって上手くいかなくって」と言っていますが、これはミキの強がり。

要は、ミキはヨシダくんに完全に遊ばれたわけです。

初めてヨシダくんがチワワを連れて来た時、チワワは「お前、なんか違う」とヨシダくんに口説かれたと笑います。

映画『チワワちゃん』

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実はこれ、ヨシダくんの常套句

ミキは自分も同じ口説かれ方をしたことに隠れてショックを受けています。

そして、その後のバカンス中に、ヨシダくんはチワワではない女の子と関係を持ちますが、その時もヨシダくんはこの決めゼリフで口説き落としています。

さらにトドメの一撃は、手に入らなかったことでミキの中で神化されたヨシダくんをいつの間にかあっさり捨てて、他の男に乗り換えられてしまいました。

そしてもうひとつの劣等感は、ミキが「趣味活動」と言っていたモデル業

なかなか芽が出ないまま諦められずモデルの仕事を続けていたミキでしたが、ある日スタジオにチワワが遊びにやってきます。

映画『チワワちゃん』

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スタッフの目に止まり、試しに撮影してみることになったチワワを怪訝そうな目で観るミキ。

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この時から、ミキにはこの世界でもチワワがあっさりと自分を越えていってしまうことを薄々分かっていたんですね。

嫌な予感は的中し、チワワはあっという間に若者のカリスマになり、街に大きなポスターが張られるほどのモデルになってしまいました。

チワワ(吉田志織)はどう生きたのか

チワワが殺されてから、ミキのもとへ雑誌の取材のオファーが来ます。

そのことをキッカケに、ミキは一緒につるまなくなってからのチワワの足取りを追いかけることに。

映画『チワワちゃん』

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しかし、色んな友達からの証言を聞けば聞くほど、チワワがどんな女の子だったのかは分からなくなっていってしまいます。

ある人はチワワがAVに出演していたと言い、ある人はクラブで明らかに悪そうな男たちとつるんでいたと話します。

しばらくの間、チワワを家に泊めていた男の子は、毎夜乱交パーティーに明け暮れていた、なんて話も。

そして、どこにいても長居はせず、蝶々のように飛んで行ってしまうチワワですが、いなくなったチワワの次の行方を誰も知りません。

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チワワがあえてそうしているのか、所詮その程度の関係だったのかは分かりませんが。なんだか寂しいですよね。

また、殺される数日前のチワワに会い、最後の目撃証人となった女の子は「チワワは元気そうだった」と言います。

新しい彼氏に料理を作ってあげるんだと言って料理本を買っていたチワワ。

最後に昔の友人たちは、チワワの遺体が発見された東京湾で追悼ビデオを撮ってチワワをしのぶことにします。

映画『チワワちゃん』

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笑えることに、ここに集まった友人のほとんどがチワワからお金を借り逃げされていました。

帰りの車の中で、ミキは出会った日のチワワの幻を見ます。

幻のチワワは、あの日と全く変わらずキラキラしていて、600万円の入ったバックを持って笑って駆け抜けて行きました。

映画『チワワちゃん』をどう観るべきか

映画『チワワちゃん』

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YUKI

骨の髄までサスペンスに染まっている私は“バラバラ殺人”と聞いてしまうと、終始「誰が犯人なのか」を念頭に観てしまうのですが、『チワワちゃん』はそういった犯人探しの類の映画ではありませんでした。

それどころか、死体も出て来なければ警察も出て来ない。

チワワという女の子の死は、悪く言えばそれだけ軽く描かれています。

YUKI

どこかの誰かがチワワちゃんを殺してバラバラにしている、という根底の事実はあるのですが。

そして、そんな目線で物語を観ていると、全員怪しくも思えてきます。

新しい彼氏かも知れないし、600万円を奪った建設会社の男かも。

チワワのことをカメラのレンズ越しに追いかけ続けたナガイ(村上虹郎)も怪しい。

YUKI

その一方で、そんな犯人探しがこの物語を観る上で一番邪魔になるトラップなのかもしれない、と感じたりもしました。

この物語では、チワワがなぜ死んだのかではなく、どう生きたのかを知ろうとするミキが象徴となり、そう観るべきだと教えてくれているように感じるからです。

チワワがどこかで壮絶に死んだことをきっかけに、どう生きたのかを初めて誰かが知ろうとしたとは少し切なくも皮肉にも感じてしまいますが。

映画『チワワちゃん』まとめ

以上、ここまで映画『チワワちゃん』についてネタバレありで紹介させていただきました。

要点まとめ
  • カラフルで眩い、まるでミュージックビデオを観ているような作品。
  • キャスト、監督の若さと才能がさらに眩しい。
  • 犯人探しはナンセンス…なのかもしれない。