本作『キャッツ』は、周知の通り名作ミュージカルを映像化した映画です。
舞台版を鑑賞している方なら、楽しみは倍増するでしょうし、演劇版を観ていない方でも、十分楽しめる極上のミュージカル・エンターテイメントです。
- アメリカの最低作品を決める映画祭、ゴールデン・ラズベリー賞(ラジー賞)にて最多6部門受賞した今世紀最大の迷作
- ミュージカル映画としてのスケール感は同じくトム・フーパー監督作『レ・ミゼラブル』をも凌ぐ壮大な物語
- 賛否が別れる作品ですが、豪華なキャストたちの演技力が作品の質を向上させています
それでは『キャッツ』をネタバレなしでレビューします。
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目次
『キャッツ』作品情報
作品名 | キャッツ |
公開日 | 2020年1月24日 |
上映時間 | 109分 |
監督 | トム・フーパー |
脚本 | トム・フーパー リー・ホール |
出演者 | ジェームズ・コーデン ジュディ・デンチ ジェイソン・デルーロ イドリス・エルバ ジェニファー・ハドソン イアン・マッケラン テイラー・スウィフト レベル・ウィルソン フランチェスカ・ヘイワード ロビー・フェアチャイルド |
音楽 | アンドルー・ロイド・ウェバー |
『キャッツ』あらすじ【ネタバレなし】
ある晩、一匹の白い猫が人間の手によって路地裏に捨てられてしまいます。
元来、飼い猫であったこの猫は、迷い猫として野良猫たちの世界に迷い込みます。
主人公ヴィクトリア(フランチェスカ・ヘイワード)が、野良猫の厳しい世界で気品高く生き抜き、逞しく成長していく姿を描いた一晩の物語。
戸惑う彼女を支えるように、たくさん野良猫たちが彼らの世界の厳しい生活やルール、掟をマンカストラップ(ロビー・フェアチャイルド)やバストファージョーンズ(ジェームズ・コーデン)、ジェニエドッツ(レベル・ウィルソン)やボンバルリーナ(テイラー・スウィフト)たちが彼女に指南していく様子を歌と躍りと音楽で彩る極上のミュージカル映画に仕上がっています。
『キャッツ』感想【ネタバレなし】
ラジー賞は見逃さなかった!?今世紀最大の駄作と話題の『キャッツ』は、最低映画賞を最多6部門受賞
『キャッツ』は捨て猫と野良猫の一夜の大冒険を動物の視点から描き、その上ミュージカル形式に仕立てた一風変わった映画です。
ただ、この作品は残念ながら国外ではずいぶんと酷評され、惨憺たる結果に終わってしまっています。
アメリカの批評家の間では、観る気が失せるほどの作品に対する辛口コメントが溢れかえり、日本国内でも話題となりました。
誰もが口々に容赦のない批判をぶつけ、瞬く間にこの作品が駄作であるというイメージを植え付けました。
大金を投じて作り上げたにも関わらず、公開前から評判は地に落ちて、興行も悲惨というべき結果となりました。
そして、極めつけは何と言っても、アカデミー賞の前日に発表されるその年の最低映画を決める祭典ゴールデン・ラズベリー賞の2020年の最多9部門にノミネートされ、大作映画という枠を越えて、最多6部門を受賞してしまう大快挙を成し遂げました。
2020年屈指の駄作として全世界で注目を浴びることになってしまいました。
その後も、撮影現場のクルーからは、監督の独善的な態度に対して、批判的とも取れる発言もあったりと悪いイメージで塗り固められた本作。
鈴木友哉
同じ監督作『レ・ミゼラブル』のスケールを越える絢爛豪華な映像美
『キャッツ』は出演陣の豪華さも目立つ煌びやかなミュージカル作品ですが、批評家たちからは最悪の評価を貰ってしまいました。
でも、特に日本では映画を観た一般層からは肯定的なコメントが多く見受けられ、作品に対する評論家たちの印象に比べて世間一般からは肯定的に迎え入れられています。
速報 その2#キャッツ は酷評されるほど、全然悪くない。猫好きなら楽しい。猫のしぐさをもっと観たいと思いました。
ずっと「猫 猫 猫」って言っている映画は他にはない。アメリカ人は猫嫌いだから… pic.twitter.com/veios0GLJS— 🐈じゅに🐈 (@1021junie) January 24, 2020
ただ否定的な意見が最も目立ったのはCGを駆使して人間を猫に模したシルエットで、そこに関しては評論家からも聴衆からも見苦しいと集中攻撃されてしまっています。
鈴木友哉
一つ言及するならば、人間の顔をした数百匹のゴキブリが猫と一緒に戯れ、躍り狂うミュージカルシーンは観ていて鳥肌ものでした。
鈴木友哉
でも、その場面以外は本当に素晴らしく、歌唱シーンもダンスシーンも一級品の作品です。
豪華なセットに贅沢なキャスト、ダイナミックなミュージカルの場面一つ一つが、作品に彩りを添えています。
本作は、ミュージカル映画を得意とするトム・フーパー監督の手腕が見事に発揮された壮大な作品です。
鈴木友哉
出演者たちの演技力が生み出す化学反応が、作品のクオリティを高める
批判が多く寄せられている『キャッツ』ですが、最も特筆すべき点は、キャスト側の豪華さではないでしょうか?
歌唱面ではテイラー・スウィフト、ジェニファー・ハドソン、ジェイソン・デルーロと言った知名度と実力を兼ね備えたトップ・アーティストを集め、コメディ面ではジェームズ・コーデンやレベル・ウィルソンと言った人気コメディアンを起用しているなど、各分野に強い出演者が選ばれている点に好感が持てます。
ジュディ・デンチ、イアン・マッケランやイドリス・エルバなど大御所と呼ばれる役者が猫に扮して登場している点もまた見どころの一つです。
さらに注目すべき点は、本作の主人公ヴィクトリアを演じるフランチェスカ・ヘイワードや彼女の相手役マンカストラップを演じるロビー・フェアチャイルドの2人は、もともと俳優ではなく舞台出身のバレエダンサーだという点です。
鈴木友哉
普通の役者を使わずに、バレエ業界出身のダンスのプロフェッショナルを選んだのは、『キャッツ』のプラス面でしょう。
そのお陰でミュージカルシーンに臨場感が増し、圧巻の演舞を観ることができます。
鈴木友哉
作品の良し悪しを決めるのは、観る側に託されていると思います。
『キャッツ』まとめ
以上、ここまで『キャッツ』をレビューしてきました。
- ゴールデン・ラズベリー賞にて最多6部門受賞してしまった大作ミュージカル映画
- 中身は野良猫たちの壮大な冒険ファンタジー
- 駄作と言われ続けている作品ですが、百聞は一見に如かず、良いか悪いかはまず観て決めてください
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