『バーナード葬儀社』は、アメリカ、テネシー州南西部に位置するメンフィスで葬儀社を営むバーナード家の日常を追ったリアリティ番組です。
アフリカ系アメリカ人が人口の64%を占めるブルースとロックンロールの街メンフィスで、良心的な金額で葬儀を執り行うバーナード葬儀社。
オーナーのライアンとその母のデビー、ライアンの娘たちと叔父ケビンの家族ならでは遠慮のない会話の応酬がこの番組の魅力です。
人の死と向き合い家族経営のビジネスを大事に思いながらも、大暴走する母のデビーに手を焼く息子としてライアンと、娘たちの世代に事業を渡す準備を真面目に考える家族。
デビーを筆頭に家族のどのメンバーもキャラクターが相当に濃いのだけど、好き勝手言いたい放題なのは、どこの国の家族も同じ。
毎日が非日常な葬儀社を舞台とするバーナード家の様子を気楽に見られる20分、8話構成のミニシリーズです。
それでは『バーナード葬儀社』について解説していきます。
・大暴走する共同経営者の母デビー
・若い世代に渡す事業
・ボスは誰だ
目次
『バーナード葬儀社』解説・感想
R.バーナード葬儀社
ライアン・バーナードは、アメリカ南部の町、メンフィスで自らの名前を冠にした事業、葬儀社のオーナー。
通常で5000ドル以上はする葬儀費用を、1895ドルと抑えた金額の良心的なパック料金でサービスを提供する葬儀社です。
バーナード葬儀社のメンバーは、共同経営者のライアンの母デビーと、叔父で施設管理を務めるケビンと、ライアンの娘たちデイジャとレーガンと家族の5人。
バーナード葬儀社を家族できりもりし、多忙な毎日を過ごしているのでした。
もともと母デビーと叔父のケビンが始めたがっていた葬儀社を、重い腰を上げて創業したライアンでしたが、今では好調な事業に満足していると言います。
葬儀社の施設内にチャペルを有し、幅広いスタイルや色の棺、地元初のドライブスルー方式の葬儀を提案するなど、地元のメディアでも話題をさらった事業への自信をみせています。
シングルファーザーでもあるライアンは、妊娠中の長女デイジャと大学進学を控えるティーンエイジャーのレーガンの、娘たちにいつか、会社を譲りたいと考えています。
そんなライアンの目下の悩みは、共同経営者の母のデビー。
共同経営のはずが、いつの間にか母デビーの独裁制となっていることにライアンは、頭を抱えているのでした。
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横暴な母のデビーと気ままな叔父ケビン
バーナード葬儀社のデビーは、自由気まま。
今日も、デビーのミスで葬儀の喪主の家族のお迎え手配を忘れる失態があったというのに、自分の失敗はどこ吹く風、ミスは挽回をしたと悪びれもしない様子にライアンやケビンもあきれ顔です。
そのくせ、葬儀担当見習いをするライアンの娘のディジャには、葬儀場に飾る花の位置にまで口をだし、うるさい指導がつける横暴ぶりを発揮します。何もかもを自分でしようとやりすぎるデビーは、自分のスタンダードに孫娘たちに押し付ける自分勝手な持論の展開をするのでした。
ライアンの叔父ケビンもまたかなり個性的なキャラの持ち主でありながら、葬儀社の仕事を心から楽しんでいる様子です。
「この仕事には根性がいる。」というケビンは、霊柩車の運転から、アメリカでは、一般的な土葬に不可欠な遺体の防腐処理や葬儀前の遺体の死化粧も担当している百戦錬磨。
腐敗した遺体、頭や腕がない遺体、全部みたというケビンは、ギョッとすることを飄々とこともなげに口にしながら、葬儀社の仕事に誇りをもっているのです。
姪のレーガンに霊柩車の運転の練習をさせたり、遺体の引き取りなどを手伝わせたりするのも、デビー同様に、バーナード葬儀社の次世代への継承を念頭においた、ふたりの仕事への熱意だとみても取れるのです。
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事業の拡大
葬儀社の経営が好調で、事業を拡大させたいライアンは、手狭になった今の施設とは別に、新しい不動産の手に入れようと計画をします。
何事も共同経営者である母デビーの同意を得ないと不動産契約や、その後の改装もままならないと不動産の内覧にデビーを連れ出したライアン。
火葬の依頼も多く受けるようになったバーナード葬儀社のさらなる飛躍を目指す投資だと説得をするのですが、デビーは、土地が大通りに近い、改装に時間がかかると何かにつけてケチをつけて首を縦に振りません。
ライアンは、葬儀社のオーナーでありながら、母のデビーの意見に阻まれ思うように事業拡大を勧められず不満を覚えるのでした。
ライアンとデビーの経営をめぐる対立をよそに、バーナード葬儀社の事業は好調。
顧客へのアフターサービスも丁寧できめ細やか、良心的な料金設定を再度アピールしようと新CMにも制作にも力をいれます。
そしてクレームの入ったケビンの遺体の死化粧のスキルの改善をしようと、ケビンをメイクアップ教室に通わせたりと、企業努力に余念がありません。
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次世代を担う娘ふたり
デビーの厳しい指導に閉口しながら、葬儀社での仕事に従事するライアンの娘のデイジャとレーガン。本業とは別に収入源と持つべきという、ライアンやデビーの方針にのっとり、パウントケーキの販売の副業を起ち上げようと姉妹は、仕事への意欲はどん欲です。
ところが、昔気質のデビーは、現代っ子のふたりがのらりくらりと企画するのをみて、「今の若い子は怠け者だ!」と言い放ち、家族同士の諍いは止まる気配がありません。
そんな中、迎えたディジャの出産、毎日死と向き合う家業に、命が生まれてくることを純粋に喜ぶ家族がいるのでした。
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ライアンを出産した次の日には、仕事には復帰したというデビーの人生が垣間見えるものの、それを孫娘にも要求するデビーに世代ギャップを感じます。
ボスは誰だ
経済的な理由で、葬儀費用の捻出が難しい家族の葬儀依頼の相談にのり、ライアンに相談なく値引きやサービスを決めたデビー。
オーナーであるはずのライアンをないがしろにするデビーに、堪忍袋の緒が切れてしまったライアンは、母と口をきくことすらしなくなります。
人の話に聞く耳を持たず、自分に敬意を示さないデビーに2年もの間、手を焼いてきたライアン。
母と戦うと鼻息が荒い父に、娘のデイジャは、ふたりの間に挟まれ、うんざりします。
父と祖母の確執の根深さを感じたディジャは、ついにふたりのカウンセリングを頼むのでした。
デイジャの連れてきたビジネス仲裁のプロのエリンに、「この葬儀社には、息子さんの名前が入っていますよね?」と冷静に指摘されたデビーは、それに言い返すことが出来ず言葉につまります。
そして仲裁するプロの導きにより、仕事を人に任せることも必要だと納得したデビーは、やっとライアンをボスだと認め、葬儀社の経営を任せることを考えるのでした。
『バーナード葬儀社』解説・感想まとめ
以上、ここまで『バーナード葬儀社』をレビューしてきました。
・家族ならではの軋轢
・デビーに手を焼く息子のライアン
・仕事に誇りをもつ家族
ファミリー・ビジネスならではのリアル
『バーナード葬儀社』は、高い失業率をもつメンフィスを本拠に、葬儀ビジネスで成功を収めるバーナード家の日常を追ったリアリティ番組。
息子のライアンを説得して共同経営者として創業した事業で、母のデビーは、ライアンの名前を冠にした会社であるにもかかわらず、横暴の限りをつくします。
「私は、貴方の母だから!好きなようにさせてもらう!」と言い放ち、孫娘たちの世代を「怠け者だ!」と一刀両断。
本来ならパワハラ、モラハラと言われてもおかしくない状況を家族だからと片づけられるやりとりが、とてもリアルです。
ビジネスに、口も手も出してしまう母デビーとの世代ギャップも、どこの世界のもある光景で理解がしやすく、トラブルや争いの面白さが光ります。
それと同時に、メンフィスで葬儀ビジネスでの成功と拡張を目標にするバーナード家の仕事へのどん欲さと真摯な想いに、高いプロ意識も透けてみえて好感が持てます。
ライアンとデビー、デビーと孫2人が言い争うのは、最終的にはビジネスの成功を心から願ってのこと。
不況知らずの葬儀社を舞台としているところが非常に面白く、ちょっと目先のかわったテーマのリアリティ番組です。
どこにでもいる家族に親近感もちつつ、日本にはないノリと勢いのある番組で面白いと思います。
蔵商店
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