『バブル・ボーイ』はテンポ良く気軽に楽しめる作品。
その一方で自分の人生を見直すきっかけにもなる、印象的な映画です。
- 無菌室でしか生きられない少年が外の世界へ
- 人生を考えるきっかけにもなる
それでは『バブル・ボーイ』ネタバレありでレビューします。
目次
『バブル・ボーイ』作品情報
作品名 | バブル・ボーイ |
公開日 | 劇場未公開 |
上映時間 | 84分 |
監督 | ブレア・ヘイズ |
脚本 | シンコ・ポール ケン・ダウリオ |
出演者 | ジェイク・ギレンホール スウージー・カーツ マーリー・シェルトン ダニー・トレホ ジョン・キャロル・リンチ ヴァーン・トロイヤー デイヴ・シェリダン ブライアン・ジョージ |
音楽 | ジョン・オットマン |
【ネタバレ】『バブル・ボーイ』あらすじ・感想
無菌室でしか生きられない少年
主人公のジミーは、生まれた時から無菌室でしか生きられない体です。
自宅の部屋には大きな風船状の無菌室があり、ジミーの世界はその風船の中だけ。
与えられるものは全て除菌され、知識や情報もジミーを溺愛する母親からのみという状況です。
良く言えば素直、悪く言えば世間知らずに育ったジミーは、隣人のクロエに恋をします。
クロエもジミーのことを好きになるのですが、ジミーは自分の気持ちを言い出せず、クロエはマークと結婚することになりました。
クロエに自分の気持ちを伝えたい。
そう決心したジミーは、自分の体を覆うだけの小さな風船(無菌室)を作り、初めて自分の足で外に踏み出したのでした。
バブルボーイと呼ばれながら、ジミーは様々な人に出会い、助けられ、自身はもちろん、出会った人々の運命をも変えていきます。
とーる
ジミーのように無邪気に生きるのは私たちには難しいかもしれませんが、ジミーが持っている素直さや好奇心は忘れたくないものです。
ポップな世界観
『バブル・ボーイ』の、無菌室でしか生きられない設定というのは、それだけで重いテーマにもなります。
しかし『バブル・ボーイ』はそれを逆手に取り、社会で目立つ存在、自分のアイデンティティといった捉え方をしているように思われました。
一見すればマイナスに感じられる「無菌室でしか生きられない体」は、ジミーにとって大した問題ではないような印象でした。
もちろん、クロエを直接抱き締められないという葛藤はあるようですが、ジミーがクロエの結婚式を止めに行く大きな理由は「自分の気持ちを伝えていないから」なのです。
とーる
さらに『バブル・ボーイ』を彩るBGMも、世界的に有名な曲がいくつも使われており、私たちをより深く作品の世界に引き込んでくれます。
特に『ロッキー』のテーマは何度も使われ、ジミーが自分を奮い立たせる様子がひしひしと伝わってくるのでした。
ちなみにジミーを演じるジェイク・ギレンホールは、役柄の独特な髪型や演技のお陰で非常に幼く見えます。
とーる
ゆえに最後のシーンでは、ジミーの爽やかさや大人っぽさに余計ハッとさせられます。
ジェイクの演技力の高さをうかがえた瞬間でした。
初めての世界
初めての世界に触れるというのは、誰しも不安や緊張があるものです。
身近な例で言えば、学生であればクラス替え、社会人であれば初めての職場や転職、他にも初めて行く店や初対面の人など、生きている限り「初めて」という体験はいくつも経験します。
とーる
しかしジミーは、初めての世界を恐れることなく、むしろ目をキラキラと輝かせて一歩を踏み出しました。
それは、ジミーが世間知らずだからという要因もあるでしょう。
とーる
アームストロングは月に到着しただけじゃない
『バブル・ボーイ』で印象に残っているシーンとセリフがあります。
それは、ジミーの父親が言った「ニール・アームストロングは月に到着しただけじゃない。月面に一歩を踏み出したんだ」というセリフです。
そのあと父親はジミーの座る後部座席のロックを外し、ジミーは一度は諦めたクロエのいる世界へと再び戻っていきました。
とーる
『バブル・ボーイ』の中で、ジミーの父親はジミーの母親の言いなりになっているような印象があります。
そんな父親が、初めてジミーのためを思い、母親の指示を無視したのがさっきのシーンです。
最後のシーンでも、無菌室を出て倒れたジミーにすがりつく母親に、本当のことを話すよう諭したのは父親でした。
本当は外に出ても問題のない体になっていたのに、母親のエゴで外に出られなかったジミー。
そんな母親を止めきれなかった自分に対して、父親は罪悪感は抱いていたのでしょう。
とーる
文句なしのハッピーエンド
結局、ジミーは外の空気に触れても問題のない体ということで、クロエと結婚式を挙げました。
とーる
それに、ジミーの見た目はバブルボーイじゃなくなったとしても、中身はきっと変わらないと信じています。
ずっと無邪気で素直で世間知らずでいてほしいものです。
とーる
『バブル・ボーイ』は自分の生き方を振り返るきっかけになり、これからの生き方を考えさせてくれる映画だと思います。
また、見た目が違っても大事なのは中身であることや、自分の人生は誰かに支えられていること、自分もまた誰かの人生に影響を与えていることなどを伝えてくれました。
もちろん、ラブコメや青春コメディとしても楽しめる作品です。
『バブル・ボーイ』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
以上、ここまで『バブル・ボーイ』をレビューしてきました。
- 一歩を踏み出す勇気を与えてくれる
- 飽きることのない展開と文句なしのハッピーエンド