『僕は妹に恋をする』あらすじ・ネタバレ感想!松本潤×榮倉奈々主演!少女漫画原作の双子の禁断の恋愛物語

『僕は妹に恋をする』あらすじ・ネタバレ感想!松本潤×榮倉奈々主演!少女漫画原作の双子の禁断の恋愛物語

出典:Showgate公式YouTube

幼い頃に結婚の約束をした双子の兄妹、頼と郁。

郁は高校生になった今でも同じ気持ちでいるけれど、頼は冷たい態度をとっていました。

しかしある夜、頼は郁にずっと抱えてきた本当の想いを伝えて…。

ポイント
  • 原作は『僕の初恋をキミに捧ぐ』『カノジョは嘘を愛しすぎてる』の青木琴美による600万部を売り上げた少女漫画
  • 監督は若者の生活を題材にした作品を多く手掛ける、『ZOO』『月と雷』の安藤尋
  • あまりにも純粋で切ない恋を描いた究極の純愛物語

それでは『僕は妹に恋をする』をネタバレありでレビューします。

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『僕は妹に恋をする』作品情報

作品名 僕は妹に恋をする
公開日 2007年1月20日
上映時間 122分
監督 安藤尋
脚本 安藤尋
祢寝彩木
原作 青木琴美
出演者 松本潤
榮倉奈々
平岡祐太
小松彩夏
浅野ゆう子
音楽 大友良英

【ネタバレ】『僕は妹に恋をする』あらすじ


頼と郁

一面にシロツメクサが咲く草原で仲よさげに笑い合う結城頼と郁、2人は二卵性の双子です。

頼はシロツメクサで作った指輪を郁の左手の薬指にはめて「郁は僕のお嫁さんだよ」と言います。

言われた郁は嬉しくて、うん、と頷きました。

幼かった2人も高校生となって、ある日の保健室。

膝の同じ場所を擦りむいた頼(松本潤)と郁(榮倉奈々)は揃って手当てをされながら、保健の先生(渡辺真起子)に“出来のいい方、悪い方”とからかわれます。

出来のいい方、頼は成績優秀。

郁は悪い方。

でも郁はそれを“母親のお腹の中で脳みそ全部頼にあげてしまった”と笑います。

先に手当てをしてもらった郁は、頼の手当てが終わるまで待っていると言いましたが、頼は先に教室に戻れと言います。

子どもの頃と違って、頼に冷たくされるようになってどれくらい経ったか。

郁はそんな頼の態度にも慣れてしまっていました。

クラスメイトであり郁に片思いをしている矢野立芳(平岡祐太)は、そんな郁から恋愛相談という名の愚痴を聞いたりしながら自分の想いを伝えたりもしていました。

郁は頼のことが好きだから、はっきりと矢野の気持ちを受け入れることも断ることもできずにいます。

頼は、矢野が郁に告白したことを郁から相談されたりもしていて、何でもないような態度をとっていますが無意識にイライラしてしまっていました。

そんな頃、矢野の「俺、妹ちゃんのことまだ諦めてないから」という宣戦布告に「勝手にしろ」と答える頼。

郁と同じように子どもの頃からずっと双子の片割れを好きでいる頼は心中穏やかではありませんでした。

その夜、先に二段ベッドの下で眠っている郁に頼はキスしようとします。

気配を感じて目を覚ました郁に、頼は「ずっと好きだった。もう嘘つけない。選んで、俺か他の男か。」と言いました。

『僕は妹に恋をする』

出典:Netflix

突然のことに抵抗する郁でしたが、小さい頃からずっと大切なのは郁だけだったと言われて頼を選びます。

結ばれたあと先に眠ってしまった郁を抱き締めて、頼は「好きになってごめん」と言いました。

郁と矢野、頼と友華

翌日、郁は矢野の告白に返事をしました。

矢野は郁と頼が両想いであることに気付いていたので「いいよ。好きな人いるんでしょ。そいつも郁のことが好きなんでしょ」と言いました。

教室で合唱祭の委員を決めている最中、興味のない頼が窓の外を見ていると矢野が唐突に「ラッコ見たくない?」と話しかけてきました。

次の日曜に3人で水族館に行こうと誘ってきたので一度は断ったのですが、結局行くことにします。

その日の放課後、いけないことだとわかっていながら頼と郁は理科室でキスをします。

その様子を、頼のことを気にかけていた楠友華(小松彩夏)が見てしまいます。

友華は頼を屋上に呼び出し、郁と理科室でキスしていたのを目撃したことを材料に自分と付き合ってほしいと言います。

兄妹なのに変だとか、2人とも苦しむと言われて頼は動揺しました。

頼は郁とのことを友華に見られて脅迫まがいのことをされたことを矢野に打ち明けます。

弱気になっている頼に矢野は「お前が揺れたらおしまいだ。自分の気持ちに嘘をつくな」と言って励ましました。

1人になった頼に、郁から「補修終わったよ。教室で待ってる」とメールが届きます。

頼は用事があるから先に帰ってと嘘の返事をしますが、矢野から言われた言葉を思い出して教室まで全力で走ります。

しかし教室には誰もおらず、頼が落胆していると友華がやってきて「私じゃダメ?郁の代わりでもいいから」と食い下がってきましたが頼は何も答えません。

どうするのが正解なのかもうわからなくなっている頼に、友華がキスをしました。

すれ違ってしまう2人

日曜日、3人で行こうと約束した水族館。

イルカの水槽の前で話しているのは郁と矢野だけでした。

体調不良ということにして来なかった頼に、郁が電話をかけますが話し中で繋がりません。

その頃、頼は友華に呼び出されて喫茶店にいました。

友華は前日、キスのあと黙って帰ってしまった頼の気持ちを確かめたかったのです。

そこで頼は「付き合う?」と言います。

好きじゃないけど、それでもいいなら付き合おうと最低な奴のフリをしてみますが、友華には通じず「好きじゃない間ずっと付き合って」と言われてしまいます。

郁と矢野がバスで帰っている間、頼は自棄になって友華の腕を引いてラブホテルに入ります。

郁が家についた頃、頼はもう帰っていましたが具合が悪いと伏せっていました。

翌朝も早く家を出て、郁と顔を合わせないようにします。

不安になった郁は頼の教室まで行って矢野に居場所を聞くと「いつもの屋上じゃないかな」と言われて向かおうとします。

そんな郁を見ていて声をかけたのは、友華でした。

友華も頼に用があると言い出して、2人で屋上に向かうことになります。

朝早く出たことに対して頼は、矢野と話があったからと嘘をつきます。

そっけないけれど具合が悪いわけではない様子を見て安心した郁は、友華に話をふりました。

友華は「私と頼が付き合ってること、郁には話したの?」と言いました。

1日家で寝ていたはずの日に友華と会っていたこと、嘘をつかれていたことが悲しかった郁は「頼なんて大嫌い」と言って去って行きました。

頼は引き留めようとしましたが、友華の「今行ったら何も変わらないよ」という言葉で足が止まってしまいます。

守れなかった約束

その頃、様子を見に屋上に向かっていた矢野は泣きながら下りてくる郁とすれ違います。

矢野は何があったのか聞こうとしますが、郁に「かまわないでよ、矢野くんは私の彼氏でも何でもないじゃない」と言われてしまいます。

頼と何かあったのは確実と察しながら改めて屋上に向かうと、逃げるように走って行く友華ともすれ違いました。

屋上では頼がうなだれていて、矢野は「バーカ」と声をかけます。

頼は矢野に、お前が郁を追えと言いますが、矢野は自分の気持ちを押し殺して頼の背中を押しました。

郁の元に向かおうとする頼ですが、携帯は電源が切られていて繋がりません。

心当たりのある場所を走って辿りついた公園でシロツメクサを見つけて、郁への想いを馳せます。

その頃、郁はいつか頼と“ドライブ”と言って自転車で訪れた思い出の場所で、その時と同じように1人で芝生に寝転んでみます。

あたりが真っ暗になった頃、頼がやってきて「どんなに自分に嘘をついても、やっぱり駄目だった」と自分の気持ちを伝えました。

お互いの想いを確かめ合い、気持ちが通じ合った2人は幼い頃に訪れたシロツメクサの草原に行こうと約束します。

そして子どもの時のように指輪を作って、同じ言葉を言わせてほしいと頼は言いました。

しかし2人で電車に乗って草原へ行くと、そこはもう人の手が入った土地になってしまっていました。

「もう戻れないんだ」と言って帰ろうとする頼でしたが、郁は土を掘ってシロツメクサを埋めました。

ここにちゃんと埋まってると思えたら安心だから、と。

帰り道、唐突にジャンケンしようと言う頼。

『僕は妹に恋をする』

出典:Netflix

郁が勝ち、頼が負けてその場にしゃがみます。

子どもの頃にしたように、負けた人が勝った人をおんぶして10歩歩くゲームをしました。

何度か繰り返して、また頼が郁をおんぶしている時。

10歩進んだのに降ろそうとしない頼は「郁に嘘をついてしまった」と言いました。

郁をお嫁さんになんてできないのに、と。

もう幼い頃のようには戻れないと悟った2人は泣きながら、あの時からずっと大好きだとお互いに言って手を繋いで歩いて帰るのでした。

『僕は妹に恋をする』感想

設定は好きだけど間が長い

vito

私、『僕は妹に恋をする』の記事を書こうとして一度断念していて。

その頃に書いたデータを見たらちょうど一年前の2019年6月くらいだったんですよね。

折を見ての再チャレンジ…というわけではなく、Netflix等での配信が開始されたタイミングなので色んな人が見やすい機会かなと思って書きました。

ちなみにその記事を読み返した限りでは結構ボロクソ書いててちょっと笑いました。

vito

いや基本的には同意なんだけど、自分が書いたんだからそりゃそうだね、言い方ひどくない?みたいな。たぶんその頃の私にはキツい書き方をするほど腑に落ちなかったんでしょうな…。それはそれとして。

感想いきましょう。

vito

この双子くらいの年の、青くて暴走しがちで危うい感じが個人的に好きです。

罪悪感と背徳感、妹のためなら何でもしちゃうんだろうなっていう兄の重めな愛がたまらないです。

設定は満点。

ただ、公開時の流行りのスタイルだったのか“雰囲気”を見せる時間が長いように感じるので、刺さる人には刺さるでしょうけど退屈に感じる人もいるのかなぁと思います。

vito

このあたり一年前の私が腑に落ちていなかったポイントです。

いや単純に私がせっかちなだけで、基本的にトントントンと話が進んでいくタイプの見ているだけなのに忙しいくらいの映画が好きだったりするせいかもしれませんけど。

例えば名前を呼んで5秒の間があって「なんだよ」って答えてまた5秒、「なんでもない」って返すまでまた5秒みたいな、緩急つけるためのそれであれば印象に残るところなんですけど割と全編そんな感じです。

vito

立てよって手を差し伸べてから立ち上がるまで30秒強かけたりとか、数えたよ。「すぐ答ええ!!」「はよ立てえええ!!!」って頭の中の千鳥・ノブが突っ込む間合い。

誰が悪いとかじゃなくて2007年の公開当時の流行りだったんだと思います、

こればっかりは本当に。

正直なところ要点を押さえてトントン進ませたら90分モノとして収まる話だなとさえ思いますし。

vito

…ここまで書いておけばこれから見る人は恐らく“そこまででもなくない?”と思えるはず。

物語としては凄く好きなんですよ。

だからできれば、今の今まで興味のなかった人にも見て欲しいです。

頼と郁と矢野の関係性

まず二卵性双子の頼と郁。

片方は出来がよくて、もう片方は駄目ダメっていう対比が頼目線での“守ってやらなきゃならない”みたいな感情を浮き彫りにしているように感じます。

2人の行く末というか関係について映画での終わり方がすっきりしなかったので原作どうなったのか調べてみたところ、原作ではそもそもの設定が若干違う上に結構ずっと先の未来まで描かれているんですね。

vito

読んではないけど。どうせ映画にするならそこまで収めれば良かったんじゃないかなぁなんて思ったり思わなかったり。そうなると2時間じゃ収まらなくなるのか、そうか。連ドラだったらありえたのかなぁ…。こうしてまた色々と妄想するわけです。

映画としての結末で2人は現実を受け入れてお互い好きだけどどうにも結ばれないんだって諦めるパターンともとれるし、現実を受け入れた上で2人で歩いていくことの示唆とも取れるし…。

一応、公開時のチラシには“冬から春へ移りゆく季節の中、頼と郁はこの恋の終わりを受け入れようとする”って書いてあったので前者なんでしょうけど。

vito

そしてそんな2人の側にいる矢野については、幼馴染ポジションのおせっかいな奴~(笑)と思っていたら本当にテンプレ通りでちょっとウケた。

しかも最後の方の屋上で頼を励まして背中を押してあげるシーンの時「俺は本当に好きな奴に好きだって言えない未熟者だよ」とか言って、いやあんた郁に好き好き言ってたじゃん?と思ったら案の定、頼にも突っ込まれてて。

その後ですよ問題は。

屋上に1人残った矢野が見ていたパカパカ携帯の待ち受け画面。

矢野と頼のツーショット。

vito

え、まっ…まさかのBL展開。ここへきてのBL展開。

矢野くんが好きだったのは郁じゃなくて頼だった…!

郁のことも好きだったのかもしれないけど、頼のほうがもっと好きだった的なこと…?

だから頼が走り出す前に「頼」って呼びかけて何か言おうとしてやめたの…?的な。

vito

私この軸をメインに矢野主人公での物語が見たいんですよね。

どういう気持ちで頼と郁の側にいたんだろうとか考えるとなかなかに心を抉られるじゃないですか。

『僕は妹に恋をする』あらすじ・ネタバレ感想まとめ

以上、ここまで『僕は妹に恋をする』をレビューしてきました。

要点まとめ
  • ちょっと拗らせた感情ありきの恋愛モノが好きな人におすすめです
  • ドラマ『わが家の歴史』『はじまりの歌』『99.9-刑事専門弁護士-』で共演した松本潤と榮倉奈々が一番最初に共演した作品というのも見どころ
  • 息遣いとか言葉を飲む瞬間、間を利用しての“雰囲気”モノが好きな人には刺さるはず

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