アジア圏を中心に活躍する映画監督・プロデューサーのピーター・チャンが製作を務めた『孫文の義士団』。
孫文を守るために戦った名もなき人々を描いたこのアクション大作は、アジア圏の映画賞レースを席巻するほどの大ヒット作となりました。
- 辛亥革命前、孫文を守るために戦った名もなき人々の物語
- ドニー・イェン、レオン・ライなど中華圏のアクションスター勢揃いでファン感涙間違いなし
- アジアの映画祭・賞レースを席巻した制作陣入魂の作品!
マルコヤマモト
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目次
『孫文の義士団』作品情報
作品名 | 孫文の義士団 |
公開日 | 2011年4月16日 |
上映時間 | 138分 |
監督 | テディ・チャン |
脚本 | チュン・ティンナム グオ・ジュンリ ジェームズ・ユエン ウー・ビン |
出演者 | ドニー・イェン ワン・シュエチー レオン・カーフェイ ニコラス・ツェー フー・ジュン エリック・ツァン クリス・リー ファン・ビンビン メンケ・バータル レオン・ライ ジャッキー・チュン サイモン・ヤム ミッシェル・リー チャン・ハンユー |
音楽 | ピーター・カム チャン・クォンウィン |
【ネタバレ】『孫文の義士団』あらすじ・解説
そもそも「孫文」って誰?
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確か、世界史で勉強したはずなのにあまり覚えていないな…ということで、作品の時代背景について知るためにも孫文について少し復習してみます。
孫文は初代中華民国の臨時大総統を務めた政治家であり革命家。
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マカオで医者として開業し、28歳の時から革命活動を始め世界を転々、日本にも亡命した経験があります。
そんな孫文の考えに賛成した人々が各地で起こした民主主義のための革命が「辛亥革命」です。
この結果、古代より続いた君主制が廃止され、共和制国家の中華民国が建国されました。
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中国に革命をもたらそうとする孫文が1時間だけ香港に立ち寄るという一大イベントが発生!
孫文を敵視する清朝の西太后から仕向けられた500人もの刺客たちが孫文暗殺を目論むという、史実を基にしたフィクションです。
孫文の警護のために立てられた作戦
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亡命先の東京から孫文(チャン・ハンユー)がやってくると聞いた香港市の商人リー・ユータン(ワン・シュエチー)は、孫文に傾倒する息子・チョングワン(ワン・ポーチエ)を心配し、息子の活動を阻止しようとする一方で孫文護衛のための義士団のメンバーを集め始めました。
しかし、孫文の替え玉をくじ引きで決める際、チョングワンが当たりくじを引いてしまったのです…。
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借金が原因で一度は暗殺団に加入したものの、かつての妻・ユエル(ファン・ビンビン)の願いから義士団へ参加することになったシェン・チョンヤン(ドニー・イェン)。
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劇団員かつ革命家の父親を暗殺団に殺された娘、ファン・ホン(クリス・リー)。
街角で臭豆腐を売っている大男ワン・フーミン(メンケ・バータル)はユータンの勧めにより義士団へ参加。
かつては王族だったものの愛のために転落し、路上生活を送っている鉄扇使いのリウ・ユーバイ(レオン・ライ)。
リー家の車夫を勤めるアスー(ニコラス・ツェー)は、写真館の娘との仲を取り持ってもらうという条件で参加。
そして、義士団結成を最初に呼びかけた新聞社社長でユータンの友、チェン・シャオバイ(レオン・カーフェイ)。
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緊張とアクションの60分!ほぼリアルタイムで物語が展開!
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孫文が香港に到着し、各地の革命家たちを集め1時間だけの密談を開始。
その隙に孫文になりすましたチョングワンがアスーが引く人力車に乗り、香港の街中をグルグルと逃げ回ります。
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義士団の結成や各人の背景を描いた前半部分は少し退屈に思えるかもしれませんが、このアクションシーンで全て回収してきます。
義士団それぞれが繰り出すアクションも見もの。
通称「臭豆腐」を演じているメンケ・バータルはモンゴルのバスケット選手で、カンフーというよりはバスケ技を活かしたようなアクションを展開!
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しかし、大人数で攻めてきた暗殺団にグサグサグサグサグサとナイフで刺されてしまいます…。
クリス・リー演じるファン・ホンは鎖鎌のような武器を使ったアクションを披露、しかし、敵とともに自爆。
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暗殺団に狙われながらも街を駆け抜ける人力車という設定もスリル満点ですが、とうとう暗殺団に囲まれてしまったアスーとチョングワン。
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血まみれになりながらも「先にいけ!」と言って再び体を張る臭豆腐に対し「臭豆腐~!臭豆腐~!」と泣きながら車を走らせるアスーにも涙。
臭豆腐「俺の名前はワン・フーミンだー!」
結果、臭豆腐ことワン・フーミンは多くの暗殺団を道連れにしつつも、命を落としてしまいます。
ドニー・イェン、レオン・ライの華麗なるアクションは必見!
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暗殺団の裏切り者として目の敵にされているドニー・イェン演じるチョンヤンは、暗殺団の元上司、チェンシャン(カン・リー)から直々に戦いを申し込まれます。
今作でのドニー・イェンのアクションは、『イップ・マン』のような静かなカンフーではなく、アクロバティックなアクションを披露!
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チェンシャン相手になかなか苦戦したチョンヤンは、チェンシャンに勝利するものの、自分も相当なダメージを受け瀕死の状態に…。
そして満を持して登場留守のがレオン・ライ演じる「リウ若君」です。
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自分の父親の愛した女を愛し、父親は憤死、女はリウの前で命を経つという壮絶な経験をしたことから物乞いにまで転落してしまった元王族の若君。
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戦いの前に身なりを整え、サラサラヘアーで鉄扇を構える姿は前半部分から見違えるほど美しい!
そんなリウ若君も鉄扇を使った華麗なアクションを披露してくれるものの、暗殺団のリーダー格シャオグオ(フー・ジュン)が立ちはだかり、やはり多勢に無勢というか暗殺団の数が多すぎるため、力尽きてしまうのでした。
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先程ボコボコに伸されたはずのチョンヤンが、再びシャオグオの前に立ちはだかり見た幻影は、妻と娘と自転車に乗る楽しい家族団らんの瞬間。
しかし、猛スピードで走ってくる馬に跳ね飛ばされ、即死するという壮絶な最期を遂げたのです。
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『孫文の義士団』の結末
いよいよ、アスーとチョングワンの元にシャオグオの手が及ぼうとしていました。
シャオグオが人力車を襲撃し、チョングワンを守るためにアスーが必死に食い下がるも殺されてしまいます。
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アスーの代わりに新聞社社長のシャオバイが人力車を引いて逃げるも再びシャオグオの襲撃を受けます。
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シャオバイが「もう時間だ!孫文は帰国した、それは本物の孫文ではない!」と言ってもシャオグオは攻撃の手を止めず、孫文の替え玉であるチョングワンを殺してしまいました。
シャオバイも必死に拳銃を撃ち、シャオグオを射殺します。
人力車に追いついたユータンは、息子の亡骸を抱きしめ泣き崩れました。
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そして、孫文の香港訪問から様々な地域で革命軍が立ち上がり、1911年10月10日に武昌での蜂起をきっかけに辛亥革命が成功し、清朝が倒されたのでした…。
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『孫文の義士団』感想
前半ドラマ・後半アクションがきちんと効いてくる!
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前半は義士団の物語をしっかり見せ、後半はアクション中心に見せるハラハラ展開でした。
前半が少し退屈に感じるものの、それも全て後半を盛り上げるための伏線なのでしっかり観ておきましょう。
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後半のアクションシーンは言わずもがななのですが、「ここは俺に任せて先にいけ!」という少年漫画的な展開が大好きな人にはたまらない展開が何度も繰り返されます。
そしてボコボコにされつつも再度立ち上がってくるメンバーがアツイ。
名前のないヒーローたちの活躍といえば、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』も挙げられます。
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しかしながら、大きな目的や銀河の希望のために戦う『ローグ・ワン』のメンバーと、個人の目的が入り交じる、そして本来ならば戦わずに済んだアスーのようなメンバーも居る『孫文の義士団』は、やっぱりちょっとリアルすぎて悲しい。
『孫文の義士団』は史実を基にしたフィクションで、劇中で起こったことが本当とは考えづらいのですが、自国の未来へ希望を託し、自らの命を捧げた義士団の戦いには胸を打たれるものがあり、革命はこういった人びとの命の上に成り立っていることを忘れてはいけないなと思いました。
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現実に起こっている中国、香港の問題を目の当たりにして、たくさんの命が失われなければなし得ない革命って何だろうなぁ、というジレンマも感じた作品でした。
SNSでのみんなの感想・評判
『孫文の義士団』。
ドニーさんが出てると聞いて見たら、大変な豪華キャスティング…胡軍さん出てるってもっとでかく書いといて欲しい!レオン・ライの独特の雰囲気なども良うございました。。
みんな、びっくりするほど悲しい。これが革命か。心が強い時に見るべきなやつ。 pic.twitter.com/B0TMCaEV18— ちはや (@chihaya_gorgor) April 16, 2020
『孫文の義士団』
革命前夜 香港
孫文の滞在はただ1時間清朝が放つ500人の暗殺隊から守る為
集いしは車夫、商人、豆腐売り、軍人の娘、元武術家の民間人数名愛する家族、恋人のため
新しい中国の礎のため
命を投げ捨てる静かな前半から一転
戦闘開始で一気に血がたぎる死して屍拾うものなし pic.twitter.com/w7qj8jh6JG
— Buffalo’ 666 -. (@momo_tama_cat) June 7, 2020
『孫文の義士団』
暗殺団の手から孫文を守り抜け!
孫文を守るために結成された義士団
会合場所まで無事たどり着け!
ドニー兄貴が主役かと思いきや
義士団の1人
ここは俺に任せて先に行け!
追っ手から守る人にも物語があって
悲しさが倍増する
後から後から出てくる刺客と闘う
漢の生き様を見よ!! pic.twitter.com/92bUj3B0Li— 電機ハイター (@dennkiiknned) May 25, 2020
香港映画ファン、ドニー・イェン、レオン・ライが出ている、という方の他に『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』を観てから今作を観たという方も多かったです。
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洋題は『Bodyguards and Assassins』で邦題が『孫文の義士団』。
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『孫文の義士団』まとめ
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- 「ここは俺に任せて先にいけ!」少年漫画的な展開が激アツ!
- キャストそれぞれの個性を生かしたアクションが観れて感激
- 革命とは?命とは?最後に考えさせられる深い作品
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B級アクションと勘違いされがちな『孫文の義士団』ですが、これほどまでにアツいドラマだとは思っておらず意外な展開に涙。
もちろん、アジア各地の映画祭で賞を受賞するほどのクオリティですし、精鋭が集まったアクションシーンは観る価値に値するものです。
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