1996年の規定改正に伴い、女性もプロなれるようになった韓国野球界。
1人の天才少女が、プロを夢見て果てなき挑戦を続けます。
netflixの大人気ドラマ『梨泰院クラス』に出演して大ブレイクしたイ・ジュヨンが天才少女を熱演!
人生の全てを野球に捧げてきた少女が繰り広げるサクセスストーリーに、感動間違いなしです。
- 期待の若手女優イ・ジュヨンの投球シーンに注目!
- 男女の壁を越え、野球界で夢を叶えられるのか!?
- 実在の女性プロ野球選手をモデルに描かれた胸熱ストーリー
それでは映画『野球少女』をネタバレありでレビューします。
目次
映画『野球少女』作品情報
作品名 | 野球少女 |
公開日 | 2021年3月5日 |
上映時間 | 105分 |
監督 | チェ・ユンテ |
脚本 | チェ・ユンテ |
出演者 | イ・ジュヨン イ・ジュニョク ヨム・ヘラン ソン・ヨンギュ |
音楽 | ピーターパン・コンプレックス |
【ネタバレ】映画『野球少女』あらすじ・感想
全てを野球にかけてきたスイン
かつては男性しかなれなかったプロ野球選手ですが、1996年に女性にも門戸が開かれました。
そして、ある高校の野球部では男子のイ・ジョンホにのみ、プロ野球チ-ムからの指名がきます。
野球部を創立して3年の高校からプロ野球選手が出るのは、学校としても宣伝効果大で校長先生も大喜び。
高校3年生である主人公スインと他の指名されなかった野球部員たちは、別の進路を考えなくてはなりません。
スインの家は、両親と歳の離れた妹の4人家族ですが、父ギィナムは無職で宅地建物取引資格の勉強をしている受験生で、母ヘスクが一人で家の生計を立てていました。
出来合いのお総菜を夕食にするヘスクに、妹のためにも手作りのものを出してよというスイン。
それに反抗するかのように、ヘスクは卒業後の進路について早く計画を立てろ!とスインに言いますが、彼女はあまり乗り気ではありません。
スインは野球が大好きで、今までの人生を全て野球に捧げてきたので、どうしてもプロ野球選手になりたかったのです。
スインの野球好きは「野球バカ」と呼ばれるほど、学校内でも有名でした。
新任コーチ・ジンテと女子というレッテル
スインの野球部に、新任のコーチがやってきました。
パク監督紹介のコーチ、チェ・ジンテは、40歳過ぎまでプロ野球選手を目指してずっと社会人野球の現役で頑張ってきたこともあり、コーチ経験はありません。
初めて部員と顔を合わせるジンテは、一人だけ女子部員のスインの存在に気づきます。
なぜ女子がいるのかとパク監督に尋ねますが、「知らないのか?」と逆に聞かれるほどスインの存在は全国で有名だったのです。
今や時速130キロの剛速球を投げるスインは、かつてリトルリーグで大活躍。
「天才野球少女」として幾度も新聞をにぎわせたスインでしたが、高校生になると女子野球部のある学校がなかったのです。
そこで、交渉上手なギィナムが高校に掛け合い、実力も認められてスインは野球部に入部できたのでした。
プロ野球の夢を諦めていないスインは、自らプロ球団に出向いてトライアウトを申し込みますが、受付の男性には女子であるというだけで書類すら受け取ってもらえません。
落ち込むスインは、親友バングル相手にぼやくのですが、彼女にも合格するわけがないと言われてしまいます。
その後、監督にも女子野球を続けることを勧められたりするのですが、スインは実家が母親の稼ぎしかないので、プロ野球でないと意味がない!と言い張ります。
その話を横で聞いていたジンテも、自らの経験も踏まえ実力的にプロになるのは無理だと諭すのですが、スインは悔しくて猛練習を始めます。
力の弱さと150キロの壁
ジンテにプロを諦めろと言われ悔しがるスインは、プロ指名を受けたバッター・ジョンホと対決し、男子に負けていないことを示そうとしますが…。
スインの見事な投球でツーストライクとなった時、ジンテはジョンホにアドバイスをするのです。
そしてジョンホはジンテの助言通りにスインの球をとらえ、ホームランを打ちます。
打たれて心底ショックを受けているスインに、「女だからプロ野球に入れないわけではない、お前は他の選手と比べて力が弱い」と言うジンテ。
落ち込むスインは、その夜にヘスクに野球を諦めたくないから留年したらダメかな?と相談をしますが、当然のごとく叱られます。
あきれたヘスクは、スインに自分の勤務先を紹介するからと諭すのですが…。
それでも野球を諦められないスインは、自分の長所だと思う速球を磨いて、球速150キロ投げようと一人で必死に特訓を始めたのです。
150キロの壁を乗り越えるために…
ある日、ジョンホのところに取材に来ていた記者が、スインの取材をしたがるのですが、「女子だから物珍しい」という魂胆が見え見えの記者に対してスインはそっぽを向きます。
一方ジンテは、別れた妻に養育費を渡し、コーチになったことを伝えました。
するとジンテは元妻に「あなたは教える才能がある」と励まされ、コーチとしてやる気を出します。
学校では、スインがプロ野球を諦めないため、校長や監督も困り果てている状態。
なんとか別の道を歩ませたい監督たちは、ジンテにスインを説得しろと言うのですが、彼はひとまずスインを観察してみることにするのです。
そして監督は、スインの資料を渡しながらスインの球は回転数が多く、それが強みだとジンテに伝えます。
他の野球部員がさぼっている中、150キロの壁を乗り越えようと必死に頑張っているスインを見たジンテは心を動かされ、何か彼女にしてあげられないかと考え出すのです。
夢に立ち向かうジンテとスイン、そして現実
ある日、野球部は合宿へ出かけましたが、ジンテは留守番担当。
そして、スインも合宿には参加しませんでした。
合宿へ参加するにはお金が必要で、ましてや女子と言うことで部屋も個室にする必要があるのですが、スインの家には余裕がありません。
とにかく、スインが野球を続けるにはお金が必要な状況です。
それを聞き、ついにジンテはスインと向き合い、本当にプロを諦めないか?と確認して、スインのために協力することを決めるのです。
ジンテはスインを連れてある球団へ向かい、トライアウトの申し込みをしようとします。
しかし、コーチであるジンテが同行しても結果は同じで、トライアウトの申し込みは受け付けられません。
パク監督からの電話で、スインはジンテにコーチをしてもらえと助言をもらい、彼に指示を仰ぐようになります。
ジンテはスインに、球速よりも打たれないことが大事だと伝え、打者のタイミングを外すナックルボールを覚えるように言いました。
娘が頑張っている姿を見て、ギィナムも宅地建物士の勉強を頑張るのですが、合格を焦るギィナムは試験の不正を悪徳業者に頼んで、逮捕されてしまいます。
家族の危機でも野球のことばかりで現実に向かい会おうとしないスインにヘスクは腹を立て、大切なグローブを燃やしてしまいました。
命よりも大切にしていたグローブを燃やされたスインは、心底落ち込みます。
そして、母の言う通り仕事を紹介してもらうことにし、母の務める金物工場で仮採用となり、時々働きにいくことに。
事務職に就くには、半年間の現場実習が必要だそうで、スインは手を震わせながら振動の強い機械を扱います。
そんな中、ジンテがスインの職場を訪れ、仕事中の彼女を連れ出します。
ジンテは、知人のつてをたどってトライアウトの申し込みをしたことをスインに伝え、そして焼肉をおごって最後にグローブをプレゼントしてくれました。
子どものように喜ぶスインを見て、ほほえましくなるジンテ。
そこへ、ジョンホも駆けつけてくれ、帰り道にジョンホはスインにマニキュアをプレゼントします。
ナックルの練習で爪を痛めるから保護しろと、照れながら渡すジョンホ。
「リトルリーグから野球を続けているのはお前と俺だけだ」と話すジョンホに、スインは自分の仲間はジョンホだけだと言います。
そして、スインはジョンホにボールにサインを書いてもらい、幸せな気分で帰宅しますが、ヘスクは怒っていました。
仕事を抜け出してジンテの元に行ったこと、そしてまだ野球をやっているスインが、ヘスクは本当に許せなかったのです。
対立する親子、そんな二人の間に釈放中のギイナムが割って入ります。
父は母を諭し、娘に夢をあきらめるなと勇気づけました。
母の前で見せる勇姿
迎えたトライアウトの日、スインはベンチで自分の出番を待ち、その様子をジンテとジョンホ、そしてヘスクも見守っていました。
初めて娘がマウンドへ立つ姿を見るヘスク。
そのトライアウトには、アメリカのアマチュア野球にいた女子選手ジェイミー・チョンも参加していました。
いよいよスインの投球の番になりますが、球速は大したことがなく、ベンチにはヤジを飛ばしたりスインの球の遅さをバカにする選手もいます。
ですが、その球団の監督の目は違っていました。
「球は遅いがキレがある」とスインを評価し、ここで新人プロ野球選手パク・ウジンをバッターボックスに立たせる監督。
無謀だ、恥をかかせる気かと止めに入るジンテを、監督はここで見ていなさいと諭します。
話題の大物新人を前に、臆さずナックルボールを投げるスインは、ウジンから2ストライクを取り会場を沸かせました。
そしてキャッチャーも、スインが凄まじいナックルボールが投げたと驚き、ミットをナックル用の大きなものに交換します。
この時、ジェイミーが一言「スイン!ファイティン!!」と叫ぶと、他のテスト生からもスインへの激励の言葉や拍手が出て、スインは勇気づけられます。
コツをつかんだと言うウジンは、3球目でスインの球を打ちますが、球は高く上がり…スイン自らボールをキャッチしてアウトになりました。
わが娘が努力の結果プロ野球選手を打ち取ったのを見たヘスクは、何が娘にとって最善の道なのか分からなくなります。
そんな時、ジンテは「プロになるのは本当に難しいです。それでもスインの好きにやらせてあげるのはどうでしょうか?」と声をかけました。
ヘスクはすでに、スインの夢に反対する気はなくなっていました。
夢は必ず叶う!
トライテストが終わった夜、ヘスクはスインの部屋へ行くと、スインが小さい頃の話をし始めます。
他の女の子がアイスを食べているところをスインがずっと見ていたのを知っていたのに、買ってあげなかった自分が母親として腹立たしかったというヘスクは、スインに謝ります。
そしてギィナムは、資格取得を諦め、運転代行の仕事を考えていました。
スインはスマホにアプリを入れるのに手こずっているギィナムに操作を教えなが、ら「私がプロになったらエージェントをしてくれる?」と笑顔で聞きます。
しばらくして、トライアウトを受けた球団の代表から連絡があり、意気込んで球団事務所へ向かうスイン。
しかし、球団代表はスインに球団のフロントの仕事をして、女子にも野球を広めてほしいと言ってきます。
プロ野球選手としての契約ではなかったのです。
「トライアウトの結果を見なかったのか」と聞かれ、見たうえでそれでも野球は速球が大事だと話す代表に対し、「打たせないことが大事です!」と、ジンテからの教えを言って、契約せずに帰るスイン。
かとリーニョ
そして後日、スインを改めて「プロ野球選手」として迎え入れたいと申し出があります。
プロ野球の2軍選手契約書を前にしたヘスクは、提示された年俸を自分たちが球団に払うものだと勘違いし大金は用意できないと断るのですが、ジンテはすぐに訂正し、ヘスクに大金がもらえることを教えました。
見事にプロ野球入りを果たし、これからプレーするグラウンドのマウンドに立ったスイン。
気持ちを新たに、透き通るような笑顔でマウンドの上から周囲を見渡します。
「ここからが真剣勝負です」
勇気をくれるスポコン映画
かとリーニョ
とてもシンプルな内容なのですが、主人公スインのぶれることのない真っすぐな生き方がうらやましくもあり、とても好感が持てます。
大抵の人が夢破れたり、やむを得ない事情で夢を諦める選択をすることが多い中、「夢は追い続ければ必ず叶う!」と教えてくれる作品です。
かとリーニョ
スインが負け続ける苦い展開が続く中、私だったらこのままわが子の夢を応援し続けられるのか?と考えさせられました。
しかし、最後にマウンドに立った清々しいスインの顔を見て、「これはやはり親として応援してあげるべきだな!」と思ったのも事実です。
とにかく、スイン役のイ・ジュヨンがものすごくかっこよかった!
かとリーニョ
単なるスポコン映画ではなく、いろんな人の人生に通じるドラマだと思います。
映画『野球少女』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
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#野球少女⚾️
絶賛公開中✨
╰━V━━━━━╯今のような苦しい時期に
応援のメッセージや
今の状況を乗り越えさせてくれる
熱い気持ちが込められてると
感じていただけると思います ──主演 #イ・ジュヨン pic.twitter.com/ERgFJjPolL
— 映画『野球少女』絶賛公開中⚾️ (@yakyu_shojo) March 10, 2021
以上、ここまで韓国映画『野球少女』についてご紹介させて頂きました。
- 夢は追い続ければ絶対叶うと教えてくれる作品
- 主人公スイン役のイ・ジュヨンの投球シーンは必見!
- 最後にに球団代表役で出てくるユ・ジェミョンのセリフに要注目!