取り返しのつかないミスをした若き弟子。
それを叱るわけでもなく、責めるわけでもなく…
師匠が弟子のためにつくったカクテルは、オールドファッションド。
そのカクテル言葉は「我が道を行く」。
多くを語らずとも、心がこもっているものからは“伝わる想い”があります。
Episode 11 バー・風/心のメニューは、
25年越しにお酒で大切な人へ罪滅ぼしをするストーリー。
師匠と弟子、亡き息子とその父。そして、祖父と孫娘。
時を経て、尊き人たちの魂が救われるその瞬間に…出会えます。
目次
アニメ『バーテンダー 神のグラス』前回第10話のあらすじと振り返り
パリにて。ある夜、自殺を考えている男が
最後に話相手に選んだのは佐々倉でした…
神のグラスをつくるバーテンダー佐々倉溜(CV.寺島拓篤)。
佐々倉は、自分のせいでそのお客さんが亡くなったと思っています。
「人の生き死になんてことは牧師にまかせておけ。」
師匠・加瀬(CV.堀内賢雄)からのあたたかな励ましの言葉もありました。
けれど、佐々倉の心の棘は抜けずにいまも刺さったまま。
救えなかった命の重さを抱えながら、彼は生きる道に悩んでいます。
事情を知り、心配してお店へ来てくれたお客さん・来島美和(CV.南條愛乃)。
美和が、バーテンダーとしての初心を思い出させてくれました。
目の前にいるお客様に最高の1杯をお出しすること…
佐々倉の止まった時計がまた少しずつ動きはじめます。
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3杯のカクテルが心の棘を抜いてくれた、Episode 10。
最終話1つ前のEpisode 11…
今回も思いが込められた2杯のお酒が魂を救います!
【ネタバレあり】アニメ『バーテンダー 神のグラス』第11話あらすじと感想
師匠(恩人)の一時退院が決まる…
銀座にあるEdenhallのバーテンダー・佐々倉溜(CV.寺島拓篤)。
客が帰ったお店の中で、佐々倉はグラスを拭きながら考え込んでいます。
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佐々倉をカウンターバーに絶対に招き入れると。
ホテルカーディナルの会長・来島泰三(CV.麦人)から、改めて宣言されました。
「Edenhallは閉店する。」
佐々倉の将来を考えたオーナーの真木祐輔(CV.飛田展男)からは、このバーを閉める決意を伝えられました。
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師匠である加瀬(CV.堀内賢雄)の一時退院の日程が決まったとのこと。
「たぶん、最後の外出許可になる。」
北方の言葉に、佐々倉は一瞬動けなくなります。
神のグラス…世の中には、魂を救う最後の1杯がある。
一時退院する加瀬を、弟子ふたりで迎えに行きます。
そこに、本人たっての願いもあって来島美和(CV.南條愛乃)も同行。
病院に向かう途中、佐々倉溜はBar.風へ初めてバイト面接をしに行った日のことを思い出していました。
父親から「世の中には、魂を救う最後の1杯がある」そう聞いて…
溜は神のグラスをつくるバーテンダーになることを決めてここへ。
「坊や、働いてみますか。」
あの日、加瀬は優しく溜を迎えてくれました。
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気を遣いすぎる弟子を、師匠は注意しました。
佐々倉を気にしてここまでついてきてくれた美和へ…
加瀬はひと言いいます。
「溜をよろしくお願いします。」
8年ぶりに伝説の“Bar.風”が復活!
「大半のお客さんは亡くなり…次は、私の番です。」
加瀬はこう言いますが、バー風が恋しいというファンのSNS投稿はいまも絶えることはありません。
最後にもう1度カウンターに立ってみたかった。
ぽつりとそうこぼした師匠の願いを、弟子たちがかなえます。
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8年ぶりに1日限定で加瀬のBar.風が復活!!
久しぶりにBar.風の看板に触れた加瀬は嬉しそうにします。
北方が綺麗に保管していた加瀬の愛用した道具たち。
今のうちにと加瀬がそれを形見分けします。
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それを見た常連たちはこぞって歌舞伎町へ。
懐かしい顔ぶれに、加瀬の顔が変わります。
「着替えますので、少々お時間を。」
バーテンダーにとってお客様は戦友。
最後の1杯になるかもしれない…
常連たちは、なかなかオーダーを決められません。
「ボンド・マティーニをお願いします!」
先陣を切ったのは、由香利でした。
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常連じゃありえないオーダーにザワつく店内。
加瀬は、軽快にシェイクして由香利のための1杯をつくりました。
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涙を流す者、当時に思いを馳せる者…
それぞれの楽しみ方で、加瀬の1杯を味わいます。
「他にも一緒に飲みたいお客様がいまして…」
こう言うと、加瀬は、最後に亡き常連のひとりひとりの思い出を語りながら死の炎を灯しました。
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バーテンダーにとってお客様は戦友。
生き方を教えてくれた恩人のために…青き炎を灯す。
修業時代、加瀬が大事にしていたグラスを溜が割ってしまったことがありました。
「丁寧に扱う練習…それで割れたら、仕方ない。」
それは、亡き奥様がそろえてくれた大事なグラスの最後に残った1脚でした。
「ミスは人が生きている証拠です。」
落ち込む溜へ、加瀬はオールドファッションドをつくりました。
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溜の成長を褒める加瀬の姿にグッときました。
加瀬からこの言葉をもらった瞬間…
加瀬は、溜の師匠になりました。
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溜が師匠のために死の炎を灯す。
25年ぶりの罪滅ぼし。
横須賀で割烹旅館を4代経営していた来島家。
いまよりすこし若かった4代目の来島泰三は、西洋嫌いでした。
それゆえ「これからはホテルの時代!」という息子と対立。
和解できぬまま、事故で息子は亡くなってしまいました。
客の魂の奥底に忘れられない感動の記憶を残す。
旅館も、ホテルも、サービスの原点は変わらない。
亡き息子があのとき言わんとしていたことをいまでは理解できます。
ホテルカーディナルを世界的なホテルにすること…
亡くなった息子の夢でもあるこの事業で成功させることで、
泰三はすこしでも息子に罪滅ぼしをしたいと考えています。
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父と祖父へ“罪滅ぼししたいこと”が…
美和が佐々倉へ頼みごとをします。
25年前、美和が割ってしまったせいで
父と祖父が一緒に飲むことができなかったお酒を探して欲しい。
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亡き息子が1本のボトル(酒瓶)に込めた思いとは?
あのとき私があのボトルを割らなければ…
祖父と父に謝りたいと願う美和。
唯一覚えているのは、そのボトルがキラキラ光っていたことぐらい。
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名探偵・佐々倉が探し当てる!
SUNTORYの角瓶でした。
薩摩切子のような技法でカットされた亀甲模様が美しい、
この角瓶のボトルを作ったのは日本人です。
ウイスキーでありながら、日本人ならではのこだわりが詰まったお酒。
「ホテルに変わっても、日本人のサービスは提供できる。」
25年の時を経て、1杯を酌み交わしながら息子が伝えたかった思いが泰三に届きました。
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元気づけようと、溜なんでもおごるよと言います。
「じゃあ、角をハイボールで。」
美和は笑顔でこう答えました。
アニメ『バーテンダー 神のグラス』の次回に期待するもの
時をかけて繋がった思いに沁みるストーリーでした。
Episode 12(最終話)のタイトルは、大切な仕事。
佐々倉がどんな道をえらぶのか、最後まで見届けましょう。