書道界の重鎮の言葉に激昂してつかみかかった二世書道家半田清舟(杉野遥亮)は、父の言いつけにより長崎県・五島列島で暮らすように命じられます。
都会生まれの清舟からすれば不便極まりない環境。1人になりたいと思っていても、琴石なる(宮崎莉里沙)をはじめとした島民にこれを邪魔されててんてこまい。
しかし、この生活が彼の心を変えていくことに…彼の存在が誰かの心を変えることも…。
原作マンガも文句なしの面白さをもつ『ばらかもん』の実写ドラマ化!
あの名言は再現されるのかと期待が高まります!
目次
【ネタバレあり】ドラマ『ばらかもん』第1話あらすじと感想
半田二世は慣れない五島列島へ島流し。
都会生まれ、都会育ちの半田清舟(杉野遥亮)は、五島福江空港に降り立つと唖然とします。目的地までバスで行こうものなら5時間待ち。徒歩でも4時間以上かかる道のりだが、途中でタクシーくらい見つけられるだろうと思うも、キャリーケースを引きながらただただ何もない道を歩き続けて疲労困憊に。
途中、島人のトラクターに乗せてもらうことが出来たものの、話がかみ合わずにため息をつきます。すっかり心が荒んだ清舟が海を眺めれば、不思議と綺麗だと感じられるのでした。
KAMUI
清舟がこれから住まう家の管理人・木戸裕次郎(飯尾和樹)から鍵を預かるも、空き家とは思えぬ生活感はあり、台所の下からは女の子が1人飛び出してくるという飛んでも事態が発生します。
村の悪ガキと言われる女の子・琴石なる(宮崎莉里沙)は、清舟を見てイケメンだからアイドルかと大喜び。静かな一人きりの時間を過ごしたいからと彼女や管理人を追い出すも、気づけば島の人たちが勝手に上がり込むこの環境に、彼は困り果てるのでした。
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なる(宮崎莉里沙)が発した褒め言葉が、島流しの原因だった?
なると共に清舟を基地にしていた女子中学生の山村美和(豊嶋 花)と新井珠子(近藤 華)は、先生に字を教われば学校の課題で金賞を獲れるかもとにぎわいます。
清舟の字は学校の先生のようなきれいな字だとなるは褒めたのですが、これが彼の逆鱗に触れてしまいました。
新進気鋭の書道家としてもてはやされていた清舟は、美術館の館長であり、書道界の重鎮・八神龍之介(田中泯)から「実につまらない字だ」と言われて激高し、彼につかみかかったことがきっかけでした。マネージャーの川藤(中尾明慶)が彼を止めて事なきを得ましたが、清舟の父・半田清明(遠藤憲一)は彼を許しません。
「お前は書道家の前に、人間としてかけている部分がある」
清明には息子の頭を冷やさせるため、五島列島行を命じたのでした。
自分の苦労など分からないと八神に苛立った感情をなるにも覚えたことで清舟は声を荒げ、彼女を家から追い出すのでした。
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基本の美しさを突き詰めてきた自分に足りないものは何かと自分に問いながら、一晩中黙々と書き続けるのでした。
天才とは、努力とは
管理人の息子・木戸浩志(綱 啓永)が家で漫画を読んでいると、清舟の元へちゃんぽんを届けるように言われます。勉強も運動も平均レベルのオール3。両親からも凡人と言われた浩志からすれば、清舟は甘やかされ過ぎだと考えます。
しかし、いざ彼の元へとやってくると、現れたのはゾンビのようにグッタリした姿。睡眠不足で倒れた清舟は、病院に運ばれ入院することとなりました。
才能があるのにどうして闇雲にそんな闇雲に字を書く必要があるのかと疑問を抱く浩志ですが、入院のために必要なものを持ってくるため、彼の家に上がった時、その考えが覆りました。
いくら書いても納得のいく字が書けないと悩む清舟は、書き損じで敷き詰められた部屋で黙々と書き続けていました。なるはこっそりその姿を目にしていたために、清舟は才能がなくて、ずっと書き続けていたんだなと口にします。
浩志は彼の書いた字を一枚拾い上げ、自分はこれだけ一つのことにのめり込んだことがあっただろうかと、今までの自分の言動を振り返ります。頑張っても結果が出ず、勉強途中で漫画を読みたくなる。周りから平凡だと言われることに嫌気をさしたこともあったが、自分は全然頑張っていないのだと、思い知らされるのでした。
誰にも負けないくらい、1つのことで努力する才能が、清舟にはあるのだろうなと、浩志はなるにいうのでした。
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今まで一日たりとも書道に向き合わなかった日はない清舟は、無理矢理退院しようとしますが、看護師の久保田育江(田中みな実)に止められ、抜け出したところで川藤から電話で、島でゆっくりするようにと言われるのでした。
必死に上った先に見えたもの
島で長く過ごすつもりはないと考えていた清舟ですが、島の人たちの優しさを振り返ります。みんな自分のために色々してくれているのに、清舟は自分のことで精いっぱい。センチメンタルになっていました。
清舟を見つけたなるは先生を怒らせてしまったことを謝罪。許してもらえたと思うと、笑顔を浮かべます。
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清舟と仲直りできたなるは、防波堤に登って夕陽を見ようと提案します。が、防波堤を登ることに怯える清舟は、夕陽なんて大したことないだろうと言って辞めようとさせますが、なるは辞めません。
「登らないと見れない」「登ってみないとわからない」「見ようとしないと見られない」
そう言って防波堤のてっぺんに繋がる綱をよじ登るなる。必死な彼女の姿を見た清舟は、意を決して登り始めます。
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必死によじ登った清舟の目に映った夕陽は美しく、彼は呆然と立ち尽くします。
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楽
謝罪はしたものの、清舟の字は手本のようだと言い出すなる。反省していないだろうと言及すると、そもそもなんで怒られたのか彼女はわかっていませんでした。
清舟の書いた字を取り返そうとすると、これは宝物だからと言ってなるは離しません。しかし、風に飛ばされ、書が海に落ちると、なるは飛び込んで取りに行きます。小さな子供が飛び込んだことで焦った清舟も飛び込みますが、服が重くて沈むと大慌て。しかし、なるからシャツに空気を入れて泳げばいいと教えられ、自然と楽しくなっていきます。
先生が楽しそうにしているところを始めてみたとなるにいわれた清舟はその夜、家に戻って大きな半紙に「楽」の字を書き殴り、笑顔を浮かべて寝転がるのでした。
病院へ行き、勝手に抜け出したことを謝った清舟は、良い書が欠けたことを川藤に連絡。そして、なるたちが家に向かってくる姿を目にした清舟は急いで家の鍵をすべてかけて1人になろうとします。が、なるは畳の下から家に侵入。
「頼むから1人にしてくれ」と。清舟は叫ぶのでした。
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ドラマ『ばらかもん』の次回に期待するもの
作品自体が面白いので、期待外れということはありませんでした。何気ない言葉の中に深い言葉があったり、人の温かさに気づかされたりと、ハートフルで何度も見返したくなる面白しろさでした。
来週の予告を見ると、餅撒きの話があるようですね!
この作品にのめり込んだ一番のシーンはここなので、ものすごく楽しみです!