『アズミ・ハルコは行方不明』あらすじ・ネタバレ感想!女子高生、ハタチ、アラサー3世代の現代女子の生き方

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「優雅な生活が最高の復讐である。」

映画『アズミ・ハルコは行方不明』を見てまず感じたことは、最後まで続く仕掛けに松居大悟監督が本気を出してきたな…ということです。

ポイント
  • 地元という狭いコミュニティー
  • 交錯する3つの繋がり
  • 松居大悟監督の本気

それではさっそく『アズミ・ハルコは行方不明』をレビューしていきたいと思います。

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『アズミ・ハルコは行方不明』作品情報

『アズミ・ハルコは行方不明』

出典:映画.com

作品名 アズミ・ハルコは行方不明
公開日 2016年12月3日
上映時間 100分
監督 松居大悟
脚本 瀬戸山美咲
原作 山内マリコ
出演者 蒼井優
高畑充希
太賀
葉山奨之
石崎ひゅーい
菊池亜希子
落合モトキ
加瀬亮
音楽 環ROY

【ネタバレ】『アズミ・ハルコは行方不明』あらすじ・感想


行方不明者・安曇春子(蒼井優)

安曇春子(蒼井優)は実家暮らしの28歳OL。

現在行方不明で、掲示板には捜索願いが貼られています。

その一方で、謎の女子高生集団による男性暴行が相次いでいました。

また、街中に安曇春子の顔をかたどった落書きが出現。

落書きの犯人は、20歳の富樫ユキオ(太賀)を筆頭につくられた”キルロイ”というグループでした。

キルロイのメンバーはユキオ、ユキオの同級生でギャルの木南愛菜(高畑充希)、同じく同級生の三橋学(葉山奨之)の3人です。

愛菜はユキオに恋愛感情がありました。

  • 安曇春子の生活
  • キルロイ
  • 男性暴行を働く謎の女子高生集団

この三つがそれぞれ交錯しながら、バラバラの時系列で物語は進んでいきます。

地元という狭いコミュニティー

春子の家は、おばあちゃんの介護によるストレスでピリピリした状態が続いていました。

春子の会社では、今で言う「パワハラ」が日常的に。

そんなある日、春子は同級生の曽我雄二(石崎ひゅーい)と再会します。

春子と曽我の家は近く、春子は曽我の家へ度々遊びに行き仲を深めていきました。

また、愛菜はユキオと成人式で再会し、キルロイのメンバーになります。

このように、狭い地元のコミュニティーで起きる再会と、距離の近さ。

そこから事態は想像以上に発展していくのです。

物語の終盤、春子が行方不明になった理由が明らかになりますが、それも狭いコミュニティー故のもの。

春子は曽我へ密かに恋心を抱いていました。

ある日、春子がコンビニへ行くと、コンビニでアルバイトをしている同級生・川本(落合モトキ)から、春子の友達の不倫相手が曽我であることを聞かされたのです。

春子は曽我へ気持ちを伝えに行きましたが、感情的になってしまい、曽我は立ち去ります。

狭いコミュニティーでのすぐ広まる噂や、それをふと聞いてしまう瞬間。

春子はそんな地元から抜け出したかったんだ…と私はそのとき思いましたが、実はそれだけではなかったのです。

交錯する3つの繋がり

物語が進むにつれて徐々に3つが繋がっていきます。

曽我は出会い系を使っていて、女子高生集団暴行の被害者のひとりです。

そして、キルロイのスプレーアートは、春子の捜索願い用紙の写真を元に制作されたものでした。

キルロイのスプレーアートは徐々にネットで拡散され、様々な憶測が飛び交います。

その後、学が謎の女子高生集団に暴行されました。

学は警察により車内で見つかります。

その時に車に乗せていたスプレー缶で学がスプレーアートの犯人だと発覚します。

そのことが報道され、世間では落書き集団に対する女子高生集団の復讐かと。

ユキオは逮捕を恐れ、愛菜にもう連絡してくるなと告げます。

その後、学はスプレーアートを評価され、遊園地再開発のアートを任されました。

仕事で偶然ユキオと再会し、二人組アーティストとして取り上げられます。

それを目にした愛菜は正気を失い、夜の遊園地に忍び込み作品を壊すのでした。

そこに行方をくらませていた春子が現れ、愛菜は春子に「死にたい」と言います。

春子は愛菜に「優雅な生活が最高の復讐である」とカルヴィン・トムキンズの言葉をあげました。

私はその言葉で、春子は“最高の復讐をするため”に失踪したんだと気づきました。

最後の最後の仕掛け

その後、愛菜が目を覚ました時は朝でした。

春子との会話は「夢」だったのか、「現実」だったのか。

私の推測は、「現実」です。

理由は最後のシーンにあります。

目が覚め、走りだした愛菜は、近くのコンビニでキャバ嬢時代の先輩と再会します。

その先輩は、春子の友達だったのです。

私はここの繋がりで最後にもう一発やられました。

愛菜と春子は「はじめまして」と挨拶を交わします。

私は春子が愛菜に目で「大丈夫だよ」と伝えているように見えました。

遊園地からコンビニまでの近さと、春子の表情から「現実」だったと私は思います。

松居大悟という監督

私が松居大悟監督を知ったきっかけは、バンド「クリープハイプ」のミュージックビデオ。

スッキリすると同時に切なくなる、この作品をつくったのは誰なのかと調べ、松居大悟監督を知ったのです。

松居大悟監督の長編映画を観るのは『アズミ・ハルコは行方不明』が初めてで、映画だとどうなるんだろうとすごく気になって観ました。

ミュージックビデオが5分だとすると、その約20倍の時間がある映画。

ですが、最後の最後まで仕掛けを作り、楽しませてくた松居大悟監督。さすがです。

『アズミ・ハルコは行方不明』まとめ

「優雅な生活が最高の復讐である」

死んでしまいたいと思う時があると思います。

そんな時に「優雅な生活が最高の復讐である」という言葉を思い出して踏ん張りたいです。

最近嫌なことが続く方や春子と似た境遇にいる方に、ぜひおすすめしたい作品です。観てみてください。

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