「現代アートハウス入門」第2弾開催!夏帆、カラテカ矢部登壇決定&予告篇完成!登壇者コメントも到着!

「現代アートハウス」

Ⓒ2020AHG

日本の「アートハウス」の歴史を彩ってきた傑作を上映し、2000年以降にデビューした気鋭の映画作家を講師に迎え、レクチャーや専門領域の異なるゲストとのトークで上映作品の魅力を語る【連続講座「現代アートハウス入門 ネオクラシックをめぐる七夜」】を2021年1月30日(土)~2月5日(金)に開催します。

どの監督がどの作品を語るのか…プログラムがついに決定!

さらに、追加ゲストとして、第2夜1月31日(日)『動くな、死ね、甦れ!』上映時には、山下敦弘(映画監督)と夏帆(女優)、第5夜2月3日(水)『山の焚火』上映時には横浜聡子(映画監督)×カラテカ矢部太郎(芸人・漫画家)のトークも決定いたしました。

完成した予告篇の制作は「仮設の映画館」のオリジナルマナーCMなど、映画の宣伝美術や予告篇制作を数多く手掛けるrestafilmsが手掛けます。

詳しいイベント内容と登壇者のコメントをご紹介します。

「現代アートハウス入門」予告編&イベント内容&登壇者コメントご紹介


第1夜1月30日(土)19:00〜『ミツバチのささやき』

『ミツバチのささやき』

Ⓒ2005 Video Mercury Films S.A.

原題:El espíritu de la colmena 1973年(85年日本初公開)|スペイン|99分|カラー
監督:ビクトル・エリセ
撮影:ルイス・クアドラド
出演:アナ・トレント、イサベル・テリェリア
トークイベント登壇者:濱口竜介(映画監督)、三宅唱(映画監督)、三浦哲哉(映画研究者)

作品概要

内戦終結直後の荒れ果てたスペイン、カスティーリャ高原の小さな村。移動巡回上映で見た「フランケンシュタイン」を精霊と信じた少女アナは、村はずれの廃屋で傷ついた1人の兵士と出会う…。

アナを演じた当時7歳のアナ・トレントのイノセンスは、見る人の心をとらえてはなさない。名匠ビクトル・エリセの長編第一作にして、映画史に刻まれたあまりにも美しい傑作。

第1夜トーク登壇者

濱口竜介(映画監督)

濱口竜介(映画監督)

コメント

映画館でのみ感知することができるような、映画の「ささやき」があります。

それを殊更聞こえやすくすることはできませんが、一緒に耳を傾けようと誘うように話したいなと思ってます。

三宅唱(映画監督)

三宅唱(映画監督)

コメント

学生時代、これと決めた特集上映に日参してはその晩、映画日記をつけたり、友人と朝まで長話をしました。

そうやって何度も反芻したあの場面やあのカットに今でもふと救われたり、悩まされています。

三浦哲哉(映画研究者)

三浦哲哉(映画研究者)

第2夜1月31日(日)19:00〜『動くな、死ね、甦れ!』

『動くな、死ね、甦れ!』

©Lenfilm Studio

原題:Замри, умри, воскресни! 1989年(1995年日本初公開)|ソ連|105分|モノクロ
監督・脚本:ヴィターリー・カネフスキー
撮影:ウラジミール・ブリリャコフ
出演:パーヴェル・ナザーロフ、ディナーラ・ドルカーロワ、エレーナ・ポポワ
トークイベント登壇者:山下敦弘(映画監督)、夏帆(女優)

作品概要

第2次大戦直後のロシア。

収容地帯と化した炭鉱町に暮らす少年ワレルカ。

無垢な魂を持て余し、不良ぶっては度々騒動を起こす彼を、いつも守護天使のよう救ってくれる幼なじみの少女ガリーヤ。

2人に芽生えた淡い想いは次第に呼応していくが、放校されたワレルカが町から逃げ出すと、運命は思わぬ方向へ…。

54歳の新人監督とレンフィルムが生んだ心揺さぶる映画の奇跡。

第2夜トーク登壇者

山下敦弘(映画監督)

山下敦弘(映画監督)

コメント

『動くな、死ね、甦れ!』をどう言葉で表したらいいのか現時点ではさっぱり分からないのですが、とにかく1人でも多くの人に観てもらい映画の持つ力を体感して欲しいです。

夏帆(女優)

夏帆

第3夜2月1日(月)19:00〜『トラス・オス・モンテス』

『トラス・オス・モンテス』

写真提供:コミュニティシネマセンター

原題:Trás-os-Montes 1976年(2010年日本初公開)|ポルトガル|111分|カラー
監督:アントニオ・レイス、マルガリーダ・コルデイロ
撮影:アカシオ・ド・アルメイダ
トークイベント登壇者:小田香(映画作家)、柳原孝敦(翻訳家)

作品概要

ポルトガルを代表する現代詩人であり、マノエル・ド・オリヴェイラ監督『春の劇』の助監督を務めたアントニオ・レイスが、精神科医のマルガリーダ・コルデイロと手がけた初長篇。

ポルトガル北東部ミランダ地方の生活の細部を記録した画面に、やがて夢幻的なイメージが横溢します。

公開当時、フランスの批評家たちを驚嘆させ、後にペドロ・コスタ監督にも影響を与えた伝説的フィルム。

第3夜トーク登壇者

小田香(映画作家)

小田香(映画作家)

コメント

20歳を過ぎてはじめてシネコン以外で映画を観ました。

大丈夫、世界にはまだ余白があり、このだるさからいつか抜け出し、もう少し遠くまで歩けるかもしれないと、スクリーンを見つめながら思いました。

柳原孝敦(翻訳家)

柳原孝敦(翻訳家)

第4夜2月2日(火)19:00〜『緑の光線』

『緑の光線』

ⒸLes Films du Losange

原題:Le Rayon vert 1986年(1987年日本初公開)|フランス|98分|カラー
監督・脚本:エリック・ロメール
撮影:ソフィー・マンティニュー
出演:マリー・リヴィエール、リサ・エレディア
トークイベント登壇者:深田晃司(映画監督)
写真提供=コミュニティシネマセンター

作品概要

太陽が沈む瞬間に放たれる緑の光線は幸運の印。

オフィスで秘書として働くデルフィーヌは、ヴァカンスを前に胸をときめかせるが、現実は思うようにはいきません。

ひたすら愛の訪れを信じて夏の光に彩られたフランスを北から南、東から西へと彷徨う彼女が最後に出会う奇跡とは…。

1986年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞した巨匠エリック・ロメール「喜劇と格言」シリーズの一編。

第4夜トーク登壇者

深田晃司(映画監督)

深田晃司(映画監督)

コメント

中学3年生のときにテレビで見た1本のヨーロッパ映画に衝撃を受けて自分の人生は激変しましたが、大人になりそれをミニシアターのスクリーンで見直したとき、その作品の真価をようやく知ることができました。

画集に印刷された絵画と実物のそれが違うように、映画もまた映画館で見てこそ味わい尽くせるものだと思っています。

第5夜2月3日(水)19:00〜『山の焚火』

『山の焚火』
原題:Höhenfeuer 1985年(1986年日本初公開)|スイス|117分|カラー
監督・脚本:フレディ・M・ムーラー
撮影:ピオ・コラーディ
音楽:マリオ・ベレッタ
出演:トーマス・ノック、ヨハンナ・リーア
トークイベント登壇者:横浜聡子(映画監督)、カラテカ矢部太郎(芸人・漫画家)

作品概要

下界から隔絶されたアルプスの山腹で自給自足の生活を送る4人家族。

姉と両親の愛情を一身に受けて育った聾啞の弟が家を飛び出し、山小屋でひとり生活を始めると、やがて姉の妊娠が発覚し…。

狂おしいほど雄大な自然の懐で紡がれる創世神話的な物語。

“ヌーヴォー・シネマ・スイス”の旗手としてダニエル・シュミットらと並び称されるフレディ・M・ムーラーの伝説的傑作。

第5夜トーク登壇者

横浜聡子(映画監督)

横浜聡子(映画監督)

コメント

いい映画をみた時、衝撃や刺激を受けるというより、息をするのが、生きるのがほんの少し楽になるという表し方が自分にとってはふさわしい。

それはすでにある理解や感覚を超えた世界をみせられたことに不安になるからではなく安堵するからに他ならないです。

カラテカ矢部太郎(芸人・漫画家)

カラテカ矢部太郎(芸人・漫画家)

第6夜2月4日(木)19:00〜『阿賀に生きる』

『阿賀に生きる』

Ⓒ阿賀に生きる製作委員会

監督:佐藤真
撮影:小林茂
音楽:経麻朗
トークイベント登壇者:小森はるか(映像作家)、清田麻衣子(里山社代表)

作品概要

日本海に注ぐ阿賀野川。

その川筋に住み込んだ佐藤真ら7人のスタッフは、田植えを手伝い、酒を酌み交わしながら、阿賀で暮らす人々の生活を3年間にわたり撮影。

新潟水俣病という社会的なテーマを根底に据えながらも、人間の命の賛歌をまるごとフィルムに写し、当時としては異例のドキュメンタリー映画のロードショー公開がシネ・ヴィヴァン・六本木で実現しました。

第6夜トーク登壇者コメント

小森はるか(映像作家)

小森はるか(映像作家)

コメント

何をどう撮ればいいのかわからなくなったとき、20年前につくられた1本の映画と出会い、背中を押されました。

何年経っても現在を映し出す作品たちが、きっとこれから出会う人たちの未来を切り開いてくれるのだろうと思います。

清田麻衣子(里山社代表)

清田麻衣子(里山社代表)

第7夜2月5日(金)19:00〜『チチカット・フォーリーズ』

『チチカット・フォーリーズ』

写真提供:コミュニティシネマセンター

原題:Titicut Follies 1967年(1998年日本初公開)|アメリカ|84分|モノクロ
監督:フレデリック・ワイズマン
撮影:ジョン・マーシャル
トークイベント登壇者:想田和弘(映画作家)

作品概要

マサチューセッツ州ブリッジウォーターにある精神異常犯罪者矯正施設の日常を克明に描き、収容者が、看守やソーシャル・ワーカー、心理学者たちにどのように扱われているかを浮き彫りにした本作は、完成1年後の68年から91年までの間、裁判所命令によって一般上映が禁じられていました。

フレデリック・ワイズマンの監督デビュー作にして、アメリカン・シネマ・ヴェリテの金字塔。

第7夜トーク登壇者

想田和弘(映画作家)

想田和弘(映画作家)

コメント

映画館の暗闇を1歩出たときに、世界の見え方が一変してしまいます。

アートハウスで、そういう体験を何度もしてきました。

僕が映画作りで目指すのも、観客にそういう体験をしてもらうことです。

「アートハウスへようこそ」概要

「現代アートハウス」

Ⓒ2020AHG

1970年代から今日まで続く日本の〈アートハウス〉は、“ミニシアター”という呼称で親しまれてきました。

ここは世界中の映画と刺激をもとめる観客とが出会う場所。

多様な映画体験によって、未来の映画作家だけでなく、さまざまなアーティストを育む文化的ビオトープとしての役割を担ってきました。

上映されるのは、ただ楽しむための作品だけではありません。

目を覆うほどグロテスクで、心をズタズタに引き裂く映画もあれば、ため息が出るほど美しい眼福の映画もあります。

〈アートハウス〉の暗闇でスクリーンが反射する光を浴びることは、多かれ少なかれ——私たちの生き方を変えてしまう体験なのです。

「現代アートハウス入門」では、〈アートハウス〉の歴史を彩ってきた傑作を「ネオクラシック(新しい古典)」と呼び、東京・ユーロスペースなど全国18の映画館で、7夜連続日替わりで同時刻に上映します。

上映後、2000年以降にデビューした気鋭の映画作家たちが講師として登壇し、作品の魅力を解説。

作品から受けた影響なども語ります。

さらにその模様をライブ中継で開催劇場のスクリーンに投影し、全国の観客からの質問を受け付け、みなさんとこれからの〈アートハウス〉についての知見を交換します。

ぜひこの機会に〈アートハウス〉のドアを開けてみませんか?

〈アートハウス〉開催概要

「現代アートハウス」

Ⓒ2020AHG

開催期間:2021年1月30日(土)〜2月5日(金)連日19:00より全国同時開催
開催劇場:全18館の映画館
ユーロスペース(東京都渋谷区)、横浜シネマ・ジャック&ベティ(神奈川県横浜市)、シネマテークたかさき(群馬県高崎市)、フォーラム仙台(宮城県仙台市)、名古屋シネマテーク(愛知県名古屋市)、長野相生座・長野ロキシー(長野県長野市)、シネ・ウインド(新潟県新潟市)、シネモンド(石川県金沢市)、第七藝術劇場(大阪府大阪市)、シネ・ヌーヴォ(大阪府大阪市)、京都シネマ(京都府京都市)、元町映画館(兵庫県神戸市)、横川シネマ(広島県広島市)、シネマルナティック(愛媛県松山市)、KBCシネマ1・2(福岡県福岡市)、シネマ5(大分県大分市)、Denkikan(熊本県熊本市)桜坂劇場(沖縄県那覇市)
上映方法:同日同時刻に各映画館にて上映開始。主にユーロスペースに監督、ゲストが登壇し、そのトークの模様を各映画館のスクリーンに生中継。トーク時間は約60分程度を予定。(上映・トークともに配信はいたしません。)
参加料金:1プログラムにつき30歳以下1,200円(税込)、一般(31歳以上)1,800円(税込)
企画・運営:東風
企画協力
:ユーロスペース
協力:アイ・ヴィー・シー/ノーム/太秦/コミュニティシネマセンター/ポルトガル大使館/シネマテッカ・ポルトゲーザ/日活
技術協力・予告篇制作:restafilms
WEB制作:坂元純(月光堂)
デザイン:loneliness books
文化庁委託事業「文化芸術収益力強化事業」

予告篇クレジット
制作:restafilms
音楽:遠山聖子
猫の声:ムタ

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