街がさまざまな嘘で満ち溢れる4月1日、エイプリルフール。
嘘が嘘を呼び、あちこちで起こる大騒動が絶妙に絡み合って奇跡を起こす群像コメディです!
- 『リーガル・ハイ』の脚本家・古沢良太と監督・石川淳一が再タッグ!
- 超豪華キャストが繰り広げる愛と爆笑の嘘つきエンターテイメント!
- 7つのエピソードが複雑に絡み合って迎えるそれぞれのラストが見事
それではさっそく『エイプリルフールズ』をネタバレありでご紹介します。
目次
映画『エイプリルフールズ』作品情報
作品名 | エイプリルフールズ |
公開日 | 2015年4月1日 |
上映時間 | 120分 |
監督 | 石川淳一 |
脚本 | 古沢良太 |
出演者 | 戸田恵梨香 松坂桃李 ユースケ・サンタマリア 菜々緒 戸次重幸 宍戸美和公 小澤征悦 大和田伸也 寺島進 高橋努 浜辺美波 山口紗弥加 高嶋政伸 りりィ 岡田将生 生瀬勝久 千葉雅子 小池栄子 窪田正孝 矢野聖人 浦上晟周 千葉真一 古田新太 木南晴夏 滝藤賢一 富司純子 里見浩太朗 |
音楽 | 林ゆうき |
【ネタバレ】映画『エイプリルフールズ』あらすじ
時は2015年、4月1日
あるいくつかの条件を満たした者は“スペースノイド”であるという都市伝説を真に受け、自分が宇宙人だと思い込んでしまった少年・野沢遥人(浦上晟周)の叫び声から始まる4月1日。
夜が明け朝になると、情報番組からは42年前に失踪したきり行方不明になっていた男性・大島達広(生瀬勝久)が帰国する様子が流れていました。
そんな感動的なニュースの傍ら、ベッドからある男性に電話をかけるのは新田あゆみ(戸田恵梨香)。
あゆみは対人恐怖症の清掃員で、電話の相手は一夜限りの関係をもった男性・牧野亘(松坂桃李)です。
あゆみは「あなたの子どもを妊娠している、臨月だから認知して欲しい」と伝えますが、牧野はエイプリルフールの嘘だと思って取り合いませんでした。
その頃、とある路上では学校帰りの小学生・江藤理香(浜辺美波)が、ヤクザの宇田川勇司(寺島進)に声をかけられて誘拐されていました。
また同じ頃、高級ブティックで妻の文子(富司純子)の服を一緒に選んでいるのは、櫻小路佑麻呂(里見浩太朗)。
“やんごとなき身分”である2人は庶民的な買い物と食事をするために、運転手(滝藤賢一)の案内でいろいろな場所を訪れて楽しんでいます。
買い物も一段落したところで文子は「お腹が空いた」と言い、運転手のおすすめのハンバーガーショップへ行くことにしました。
運転手は店につくと、大慌てで顔なじみのマスター(古田新太)に席を開けて欲しいとお願いします。
「宮内庁の方がお忍びで来た」と伝えると、マスターは顔色を変えてボックス席の男性2人をどかし、丁重な接客を始めます。
牧野の嘘
あゆみは牧野に再度電話をして「式は挙げなくていいから籍を入れてくれ」とお願いしますが、やはり取り合ってもらえませんでした。
その時、牧野がイタリアンレストランについたことを電話から聞き取ったあゆみは、そこに乗り込むことに…。
牧野はキャビンアテンダントの麗子(菜々緒)と待ち合わせをしていました。
時間に遅れた理由を「オペが長引いたから…」と説明する牧野。
その頃、あやしげな占い師(りりィ)から散々な占い結果を告げられた救急隊員の男(岡田将生)は、やむなく大金を支払って除霊してもらおうとしています。
そこにやってきたのは小野刑事(高嶋政伸)。
占い師を詐欺罪で逮捕するために来たのです。
牧野が麗子と食事をしながら雑談をしていると、あゆみがやってきました。
「ここであなたを殺して私も死ぬ」と半狂乱になってバッグを開けると、1丁の拳銃が出てきます。
あゆみは牧野を追いながら何発も発砲し、レストランに立てこもります。
奥に隠れた牧野は偶然そこにいたオーナーシェフ(小澤征悦)の携帯で小野刑事に電話をかけて状況を伝えますが、毎年毎年エイプリルフールにシェフがつく嘘に辟易していた小野刑事は立てこもりも嘘だと思って電話を切ってしまいました。
フロアでは1人の男性客(大和田伸也)があゆみを説得しようと試みますが、揉み合った結果はずみで足を撃たれてしまいます。
それを発端に、シェフが牧野をフロアに引きずり出しました。
天才外科医としてレストランの顔なじみになっていた牧野は、接客係(ユースケ・サンタマリア)から男性客の足を診るように言われます。
しかし、牧野が医師であるというのは全くの嘘。
牧野が医者じゃないことを見抜いたあゆみは「いろんな病棟を歩きまわって、綺麗な人を見つけては声をかけ、女の人を引っ掛けて回っているだけだ」と言いました。
対する牧野は「自分はニセ医者で、たまたま誰も引っ掛からなかった日にヤッたあゆみを妊娠させただけだ!」と開き直ります。
あゆみからも周りからも睨み付けられた牧野は、店内を逃げ回りますが…。
虚言癖の言う“本当のこと”
客たちに取り押さえられた牧野は、接客係に促されてあゆみに謝ります。
「子どもは認知して籍も入れる」と言いますが、その言葉はどこか投げやりで、もはや何が嘘で何が真実かわからなくなってしまいました。
オーナーシェフは、牧野を「虚言癖のセックス依存症だ!」と罵りますが、「何もかも合意の上で行為に及んだのなら同じくあゆみにも非がある」と言います。
清掃員をしている病院内に貼ってあった“コミュニケーション障害は病気です”と書かれたポスターを見ていたあゆみに、「病気じゃなくて個性だから気にすることない」と言ったのが牧野でした。
その時に、「心を落ち着かせる成分が入っているから…」と言ってくれた芋けんぴを食べると、職場の人と少しずつ話せるようになって、牧野のことを凄いお医者さんなのかもしれないと思うようになったあゆみ。
あゆみは、「自分を救ってくれた人だから、連絡がつかなくても信じることにしたんだ!」と必死に伝えます。
牧野は「親が医師で、自分もそうならなければならないと思っていたけれど学力がなく、医学部には裏口から入ったもののついていけなかった。けれど、医者だと嘘をつくことで、周りが認めてくれたから嘘をつくのをやめられなくなった」と白状しました。
そして、あゆみに言った言葉も「全部、嘘だ」と謝ります。
拳銃に残った1発の弾で自殺しようとしたあゆみを接客係が間一髪で止めますが、その時飛んで行った拳銃を拾った男性客が「こんな頭のおかしい奴は死んだほうがいい!」と発砲します。
牧野があゆみをかばって撃たれてしまった…と思いきや、派手な発砲音は外で車のタイヤがパンクした音でした。
しかし、その時のショックであゆみが破水してしまい、フロアはまた混乱に巻き込まれます。
嘘が呼び起こした奇跡の夜
一方、理香をラーメン屋や遊園地に連れまわした後、家の前に車を停めたヤクザは「貧乏で身代金も期待できないし、風俗に売ろうにも生意気で使えないからもう帰れ!」と言います。
そこに櫻小路夫妻を案内していたタクシー運転手がやってきて、人の娘に何をしているとヤクザに怒鳴りつけます。
実はヤクザは理香の実の父で、運転手は理香の母の再婚相手でした。
レストランでは、産気づいたあゆみのもとに救急車を呼ぼうとしますが、救急隊員の乗った車は事故に遭って向かえない状況。
レストランの中に本物の医師はいません。
でも、親のお金で裏口入学したことだけは本当の牧野がいます。
麗子は「今日はエイプリルフールだから」と牧野を説き伏せ、「自分はキャビンアテンダントではなく本当は助産師だ」と言い出しました。
他の客も「看護師だ」とか「35人の子を産んだ出産経験者だ」とか、オーナーシェフまで「ここはレストランになる前は、産婦人科だった」と言って、あゆみの出産を成功させようと鼓舞します。
ありったけのタオルとお湯を用意して、みんなが見守る中あゆみは無事に出産しました。
その頃、ヤクザはバッグに隠した拳銃を頼りに因縁の相手のもとへと向かいますが、取り出したのは芋けんぴでした。
理香をラーメン屋に連れて行った時、理香が近くの席にいたあゆみのバッグとヤクザのバッグを入れ替えていたのです。
あゆみが牧野と出会った日から毎日食べていた芋けんぴは、牧野が病院の待合室であやしいおばあさん(占い師)から「幸せをもたらす」ともらったものでした。
出産してから病院についた2人はお互いのついた嘘を打ち明けて、あゆみは自分から牧野にキスをします。
「エイプリルフールだからこのキスも嘘」と言いますが、日付は変わって4月2日になっていました。
波乱に満ちたエイプリルフールは、幕を閉じます。
【ネタバレ】映画『エイプリルフールズ』感想
7つの物語が絡み合う傑作!
『エイプリルフールズ』のタイトル通り、「嘘」をキーワードにした7つの物語が詰め込んである映画です。
vito
7つの物語とは、「イタリアンレストランでの大惨事」「ロイヤル夫婦の休日」「不器用な誘拐犯」「占い老婆の真実」「42年ぶり涙の生還」「僕は宇宙人」「ある大学生の1日」です。
vito
うまいこと触れられなかった“ある大学生の1日”については、櫻小路夫妻が訪れたことで不運にもハンバーガーショップから追い出されてしまった松田(窪田正孝)と梅田(矢野聖人)の話です。
ちなみにレストランで立てこもり事件に巻き込まれた男(戸次重幸)と妻(宍戸美和公)は、櫻小路夫妻のエピソードと関わっていたりもします。
vito
出てくる人の半分ほどが揃いも揃って嘘つきという見事な設定で、テンポも良くて楽しい作品です。
vito
ちなみに、私はこういういくつかのエピソードが最終的に繋がっていくタイプの話が好きで、「何かないかな?」と探している時に見つけました。
エイプリルフールを題材にしているだけあって、4月が近づくと見たくなる作品の1つだったりします。
vito
私の好きなエピソードや場面について
どれもこれも好きなんですけど、特にロイヤル夫婦の休日と不器用な誘拐犯が好きです。
vito
ロイヤル夫婦の方は、やんごとなき身分だと嘘をつくのは良くないかもしれないけど、「『ローマの休日』のオードリー・ヘップバーンみたい」と語る文子が本当に楽しそうでお茶目で可愛らしいです。
その嘘をつくに至った理由とか、夫婦の愛を感じて心が温かくなるエピソードだと思います。
不器用な誘拐犯の方はヤクザが「おとなしくしてたから」なんて理由でラーメン屋さんとか遊園地に理香を連れて行くのが、よくわからなかったんですけど、理香が自分は「本当の子じゃない」みたいなことを言ったり、誘拐犯の似顔絵を見た理香の母が「公開捜査はしなくて大丈夫だ」と言い出すあたりで、なるほどなと思いました。
vito
あの娘って浜辺美波だったのか!! #エイプリルフールズ pic.twitter.com/vybIQngxrL
— 波平_bot (昭和式/手動) (@NAMIHEY_ISONO) May 4, 2019
あと上記のどちらにも関わってこないけど、“僕は宇宙人”の遥人を演じている浦上晟周は、個人的に好きなドラマベスト3に入る『家族ゲーム』に出演している俳優なのでちょっと嬉しかったです。
vito
好きな場面についてはイタリアンレストランの終盤で、全員で嘘をついてあゆみの出産を成功させようとするところがダントツです。
牧野が虚言癖だと発覚したあたりからの、麗子の立ち回りがかっこよすぎます。
おこってる菜々緒もかわいいです💛💚💗💜#エイプリルフールズ pic.twitter.com/7rVbZ1JmzO
— れっれれれ (@amrt11561) April 1, 2016
vito
「天才外科医だ」と嘘をついて隙あらば女の人を引っ掛けている牧野が、あゆみには自分からアプローチしなかったのは「本当に好きだから傷つけたくないってどこかで思っていたんじゃないか?」って指摘した麗子もかっこよかったです。
vito
7つのエピソードどれをとっても無駄なものがなくて、本筋に絡む濃さの違いはありますが、どれも愛おしい気持ちになる話ばかりなので、ぜひ見てみて欲しいです。
映画『エイプリルフールズ』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
実は映画「エイプリルフールズ」公開しません。 #エイプリルフール近いから普通にバレる嘘をつく #エイプリルフールズ pic.twitter.com/NlnC2AakQw
— 映画「エイプリルフールズ」 (@aprilfools2015) March 30, 2015
- 笑いあり感動あり、7つの嘘たちに振り回される楽しい作品
- いくつも散らばったストーリーが「こことここ繋がるの!?」ってなるような物語が好きな人におすすめ!
- 『リーガル・ハイ』のクロスオーバーを感じる場面もあるので、好きな人は2度おいしい
以上、ここまで『エイプリルフールズ』をネタバレありでレビューしました。