『暗殺教室』は、2012年から2016年まで“週刊少年ジャンプ”にて連載された松井優征の漫画を原作としたアニメです。
中学生たちが担任教師を“暗殺”することがテーマとなっているSFコメディで、サスペンス要素を含む学園ものでもあります。
何でもありな超生物の能力と思わぬ弱点にはギャグ満載で、シリアスな題材を根底に置きながら、ユーモアのある笑いに溢れた作品です。
個性豊かなクラスの面々が暗殺者として担任教師に銃を向けるたび、それぞれに成長していく姿からは目が離せません。
ということで今回は、アニメ『暗殺教室』をネタバレありでご紹介します。
目次
『暗殺教室』声優・キャラクター紹介
福山潤 / 役:担任・殺せんせー
“殺せない先生”という理由から、この名前で呼ばれている殺せんせー。
最高時速マッハ20のスピードと変幻自在で万能な触手を持ち、ほとんどの攻撃が効かない特殊かつ危険な超生物です。
椚ヶ岡中学校3年E組の担任を望んだ理由は当初不明であったものの、初めから教師として大変優れた能力の持ち主でした。
丁寧な言葉遣いと紳士のような振る舞いが特徴的ですが、巨乳好きであったり、女子大生と仲良くなる妄想をしたり、一般男性的な性的思考を持っています。
また、自身が提案した肝試しに生徒を参加させ、吊り橋効果で男女のカップル化を目論んだりするほど下世話な部分もあるようです。
渕上舞 / 役:潮田渚
『暗殺教室』の語り手であり、実質的な主人公である潮田渚。
おとなしくて温厚な性格で、女子生徒が認めるほど少女然とした見た目をしていますが、暗殺者としての資質を持った生徒です。
情報収集が得意で、当初は殺せんせーの弱点を記録するなど裏方として暗殺に貢献していました。
しかし、小柄な身体から繰り出される軽快な身のこなしや自分より強い相手を怯ませるほどの殺気、華奢で弱々しい印象が相手を油断させることなどが相まって、殺し屋としての才能を開花させます。
自身の複雑な家庭事情や落ちこぼれクラスの生徒たちに真摯に向き合う殺せんせーに憧れて、やがて教師を志すようになります。
洲崎綾 / 役:茅野カエデ
“殺せんせー”の名付け親で、貧乳がコンプレックスの女子生徒・茅野カエデ。
渚と特に仲が良く、暗殺に関しては基本的にサポート役として参加しています。
大のスイーツ好きで、自身と殺せんせーの好物でもあるプリンを使った暗殺計画を立てるなど、奇抜な発想の持ち主でもあります。
後にプリン作戦は本来の目的を隠すためのダミーであったことが発覚し、名前も偽名だったことがわかりました。
殺せんせーの暗殺に関わる大きな騒動を起こしてから、渚を異性として意識するようになります。
本名・雪村あかり。
岡本信彦 / 役:赤羽業
クラス1の頭脳を持つ男子生徒・赤羽業。
名門進学校である椚ヶ丘中学校の中でもトップクラスの成績ですが、素行不良のため落ちこぼれのE組に入った生徒です。
暴力沙汰が原因で停学処分となっていたこともあり、復学直後は他の生徒から少し距離を置かれていましたが、渚とは3年間同じクラスで良好な関係を築いている様子。
クラスで初めて殺せんせーにダメージを与えたことからもわかるように、頭の回転が非常に早く戦闘能力にも優れています。
イタズラ好きで、その行動はイタズラの枠を超えた非道さを孕む時もありますが、根は優等生なので、暗殺でも勉学でもクラスを引っ張る存在になっていきます。
杉田智和 / 役:副担任・烏間惟
殺せんせーの監視とE組の生徒たちのサポートのためにやって来た防衛省所属の自衛官。
教員免許を持っているため、副担任兼体育教師としてE組を教えながら暗殺技術の指導をしています。
常に厳しい態度と険しい表情でいますが、生徒たちを見守る姿勢がきちんと伝わっているために生徒たちとの関係は良好で、一部の女子生徒からはかっこいいと評価されています。
暗殺対象である殺せんせーの教育者としての姿に感銘を受けており、逆に殺せんせーからも信頼されている様子。
生徒たちの将来を鑑みて普通の学生生活を送ってもらいたいと考えているため、国からの命令とE組との板挟みになることもあります。
伊藤静 / 役:教科担任・イリーナ・イェラビッチ
E組の外国語教師として派遣された腕利きの殺し屋。
スラブ系の金髪美女で、卓越した話術と妖艶な魅力で標的に接近することを得意としています。
そのため、殺せんせーに対しても最初はハニートラップを仕掛けて暗殺しようと試みましたが、殺せんせーに先手を打たれ失敗。
烏間に諭されたこと、生徒たちの懸命な姿を見たことで改心し、生徒たちと親しく接するようになっていきました。
特に一部の女子生徒とは親密にしていて、語学だけでなく色仕掛けを学んでいる生徒もいます。
ニックネームはビッチ先生。
【ネタバレ】『暗殺教室』あらすじ・感想
超生物が担任に?
ある日突然、月が爆発して7割方蒸発します。
その犯人を名乗る超生物は、何故か中学校で教師をするというのです。
その中学の生徒たちがその生物を殺せなかった場合、翌年3月には地球も爆発させるといいます。
各国首脳がやむを得ず中学生たちに暗殺を任せることになった対象は人知を超えた能力を持ち、軍隊でも殺せない超生物。
かくして、椚ヶ丘中学校の落ちこぼれクラス、3年E組は卒業までの1年間をこの“暗殺教室”で過ごすことになりました。
果たして、“エンドのE組”と呼ばれるクラスの生徒たちは超生物を殺せるのか?
そして、超生物の目的とは?
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殺せんせーとE組の生徒たち
1学期、E組は暗殺教室となり、常に殺せんせーの命を狙いながら学校生活を送っています。
そんな中で誰も有効な攻撃ができず、素行不良の寺坂グループは渚に捨て身の暗殺を決行させました。
渚の自爆テロまがいの行為と、渚にそうさせた寺坂グループは殺せんせーの逆鱗に触れます。
殺せんせーは、国との契約によっていかなる場合でも生徒のことを殺せないが、生徒の家族は契約外なので手を下せると証明する行動を起こします。
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渚はこの件を通して少しだけ劣等感を克服し、殺せんせーに憧れを抱くようになります。
その後も殺せんせーは、殺せんせーにしかできない方法で生徒たちの問題を解決していきました。
E組に落とされたことをきっかけに野球部を退部させられた杉野友人や、教師不信の問題児・赤羽業など、生徒それぞれに合った改善策を提示して前に向かわせる指導は、生徒たちの心を少しずつ開いていきます。
今後もそのきめ細やかな対応は、生徒それぞれに良い効果をもたらす…。
殺せんせーとE組の生徒たちを見守る烏間惟臣は、暗殺教室自体こそ異常とみなすものの、だんだん明るくなっていく教室の雰囲気や生徒たちの表情を見て、そう考えるようになります。
実際に生徒たちは殺せんせーと親しく接するようになり、暗殺にも勉学にも励むようになっていました。
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次々に現れる刺客
殺せんせー暗殺のために外国語教師として政府から派遣されてきたのは、腕利きの殺し屋であるイリーナ・イェラビッチ。
イリーナは生徒たちを暗殺のための駒としか思っていなかったので、横柄な態度で接していたところ反感を買います。
そのため一時は学級崩壊寸前まで陥りますが、烏間の説得もあって、徐々にE組の一員として溶け込んでいきました。
その後、イリーナはE組にかかせない大切な存在になります。
次に対峙したのは椚ヶ丘中学校の理事長・浅野學峯。
理事長と初対面を果たした殺せんせーは、挑発まがいの発言を受けて生徒たちに猛勉強させます。
しかし、勉強よりも暗殺の成功報酬に重きを置く生徒たちの様子を見て、中間試験でクラス全員が学年50位以内に入らなければ、E組から出ていくと宣言しました。
結局、理事長による妨害のせいでE組の生徒たちは50位内に入ることができませんでしたが、上位に入った業に挑発された殺せんせーは、E組に残ることを決めます。
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新たに転校生としてE組に送り込まれたのは、最新技術を駆使して作られた自律思考固定砲台。
授業中にもかかわらず暗殺を実行し、1日中行われる攻撃に生徒たちはうんざりしてしまいます。
見かねた殺せんせーは自律思考固定砲台を改造し、“律”と名付けられた彼女は無事に生徒たちと打ち解け、自らE組の一員であることを選択するほどの存在になりました。
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律に続いて現れたのは、第2の転校生であり、もちろん暗殺者の堀部糸成。
糸成は殺せんせーと自分は兄弟だと発言して生徒たちを騒然とさせました。
さらに、糸成の保護者を名乗る白装束の男・シロも手を貸しての暗殺が始まりますが、糸成は殺せんせーと同じような触手で攻撃を繰り出します。
しかし、殺せんせーは発想の転換で糸成の攻撃を退け勝利。
そして、敗北したことによって暴走しかけた糸成をシロが連れて去っていきました。
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後にシロの手を離れ、仲間になります。
強敵の存在
防衛省から烏間の補佐として派遣されてきたのは、鷹岡明。
アットホームな雰囲気で生徒たちの心を掴みましたが、その実態は過酷なカリキュラムを課し、逆らう者には女子生徒であろうと体罰を与える冷酷非道な人物でした。
烏間は生徒たちを救うために、鷹岡と生徒が勝負をするという案に乗ります。
生徒の指名権を得た烏間は、その素質を見込んで渚を指名しました。
渚の華奢な体格を見て油断した鷹岡は、予想外の攻撃と殺気によって敗北し、理事長からも解雇通知を受け去っていきます。
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夏休みの勉強合宿に向けて殺せんせーの暗殺計画を練る生徒たち。
イリーナの師匠であるロヴロを講師に迎え、計画に向けた最後の訓練が行われます。
その時、渚の殺し屋としての才能に気づいたロヴロは、渚に必殺技を伝授します。
合宿が行われるリゾート地での暗殺は順調に進みましたが、殺せんせーの息の根を止めることはできませんでした。
なぜなら、殺せんせーが最終奥義である“完全防御形態”に変身したからです。
さらに、何者かによって生徒の半数が謎のウイルスに感染。
渚や業をはじめとする未感染の生徒たちは、正体不明の敵を倒してクラスメイトを救うべく、裏社会に通じているらしい“殿上ホテル”への侵入作戦を実行します。
作戦には烏間とイリーナも参加しますが、生徒たちのサポートの一環として途中で離脱。
それでも、完全防御形態の代償によって身動きの取れない殺せんせーの指示を受けながら、黒幕が雇った殺し屋たちを、生徒たちだけで倒すことに成功しました。
最上階にいる黒幕のもとにたどり着いた一同は、その正体が渚に逆恨みした鷹岡だったことを知ります。
鷹岡はウイルスの治療薬を爆破し、怒りで我を失った渚との一騎討ちに持ち込みます。
渚は鷹岡を相手に健闘するも、体格と経験の差から一方的に攻撃を受けました。
しかし、少しずつ失っていた我を取り戻して、ロヴロに教わった必殺技を実践し、鷹岡を倒すことに成功します。
生徒たちが感染したウイルスは、鷹岡が雇った殺し屋たちの判断で症状の軽いものにすり替えられていたことがわかり、E組の面々は無事に残りの合宿を楽しむことができました。
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明らかになる過去
殺せんせーの暗殺期限が迫るE組では様々なことが明らかになります。
渚の複雑な家庭事情、冷酷な理事長の経歴、そして、殺せんせーの過去。
それは冬休み直前、茅野カエデが突如糸成と同じような触手を出して殺せんせーを襲撃したことから始まります。
茅野は自分がE組の元担任である雪村あぐりの妹・雪村あかりだということ、姉の復讐のためにE組にやって来たことを語り殺せんせーと1対1の対決を要求します。
茅野は触手を発火させることで殺せんせーを追い詰めますが、その力は自身の肉体をも蝕んでいきました。
茅野を救いたい渚は、かつて自分がイリーナから受けた秘策・キスを思い出し、茅野の唇を奪って意識を取り戻させます。
茅野によって過去の一部を明らかにされた殺せんせーは、自分が“死神”と呼ばれていた殺し屋であることと、その過去を語り始めます。
かつての殺し屋・死神は弟子の裏切りによってマッドサイエンティスト・柳沢の研究所にモルモットとして捕らわれてしまいました。
そして、人体で反物質を生成する研究の実験体として日々を送ることになります。
そこで監視役として現れたのが、E組の元担任で茅野の姉である雪村あぐり。
死神はあぐりを利用して脱走しようとしていましたが、お互いに惹かれあっていきます。
実験の影響で死神の手足が触手のように変化したころ、この実験に欠陥があることに気づいた柳沢は、死神を始末しようと行動を起こしました。
死神はこの機会に乗じて、実験で得た力を開放して脱走を試みます。
警備員たちが圧倒的な力で倒されていく中、死神の暴走を止めようとしたあぐりが触手地雷に貫かれてしまいます。
あぐりの死を目の前にして己の力を悔いた死神は、あぐりの願いを叶えるために弱くなることを望み、現在の姿になったのでした。
殺せんせーの過去を知ったE組の生徒たちは、自分たちが背負った任務の重みを知り、殺せんせーを暗殺することに抵抗を感じるようになってしまいました。
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暗殺が紡いだ絆
殺せんせーの過去を知ったことでE組に変化が起こります。
渚をはじめとする殺せんせーを殺したくないという生徒たちと、業をはじめとする暗殺を続けたい生徒たちとの諍いが発生したのです。
殺せんせーはこの様子を見て、殺す派と殺さない派の2チームでサバゲーを行い決着をつけることを提案します。
生徒たちは今まで培ってきたスキルを生かして、熱い戦いを繰り広げます。
激しい消耗戦の勝敗を決めるのは、生き残った渚と業の一騎討ちとなりました。
激闘の末に渚が勝利し、1月の間はクラスみんなで殺せんせーを助ける方法を調べることになります。
律の調査によって国際宇宙ステーションで殺せんせーに関する研究が行われていることを知ったE組の生徒たちは、殺せんせーが考えた作戦を実行することに。
それは、ダミーの人形とすり替わるかたちでロケットに乗り、実際に国際宇宙ステーションに潜入する作戦でした。
潜入員に選ばれた渚と業は現場の宇宙飛行士たちと親睦を深めてデータの入手に成功し、E組は殺せんせーが地球ごと爆発する可能性は1%以下だという情報を手に入れます。
しかし、烏間の進言によって、防衛省の暗殺作戦が中止される可能性は低いと理解した生徒たちは、暗殺が生んだクラスの絆だと考え直し、卒業まで真正面から任務と向き合うことを誓いました。
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こんなに泣けるとは思わなかったラストへ
政府の最終暗殺計画によって殺せんせーは完全に校舎に閉じ込められてしまい、世間にも殺せんせーのことと生徒たちによる暗殺のことが事実と異なる形で報道されてしまいました。
殺せんせーを助けに行こうとした生徒たちは軍とマスコミに取り囲まれ、政府によって捕えられてしまいます。
生徒たちは暗殺終了まで監視下に置かれることになりますが、烏間の言葉と情報によって冷静さを取り戻し、独自に作戦を立てます。
そして、政府による作戦決行日、生徒たちは警備の目を掻い潜り、自分たちのホームグラウンドである裏山に侵入。
傭兵部隊を見事に撃退し、殺せんせーのもとにたどり着きます。
殺せんせーと生徒たちが穏やかに時間を過ごしていると、柳沢と触手生物化した殺せんせーのかつての弟子が現れました。
弟子と柳沢の攻撃は凄まじく、突然の襲撃で劣勢に追いやられる殺せんせーのもとに茅野が駆け出します。
茅野は敵の触手に胸を貫かれて絶命してしまいますが、殺せんせーが全てのエネルギーを込めた攻撃で勝負に決着をつけたあと、最後の力で茅野を蘇生させました。
再び訪れた穏やかな時間も束の間、政府から殺せんせーへの攻撃まで残された時間はわずかです。
E組の生徒たちは、あえて自分たちの手で殺せんせーを殺すことにします。
クラスの面々は暗殺教室での主席は渚だといい、渚が殺せんせーに止めを刺す形で、全員でナイフを構えました。
殺せんせーが最後の点呼を行います。
1人1人がそれぞれの想いを込めて返事をしたあと、涙ながらに暗殺を遂行するのでした。
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『暗殺教室』まとめ
- すべてのキャラクターが必要不可欠なストーリー構成!
- SF、アクション、サスペンス、コメディ…要素が盛りだくさん!
- 面白すぎて、こんなに感動するなんて予想外!
いかがだったでしょうか。
ところどころに伏線のような描写を挟みながら展開し、登場キャラクターそれぞれに物語がある『暗殺教室』。
ストーリーの構成やテンポが良く、早く続きが見たい!と思わせる作品です。
たくさん笑わせてくれて、ハラハラさせてくれて、想像以上の感動を与えてくれます。
ぜひ一度ご覧ください!