映画『あのこは貴族』あらすじ・感想!山内マリコ原作、東京を舞台に2人の女性の人生が交錯するヒューマンドラマ

『あのこは貴族』あらすじ・感想!山内マリコ原作、東京を舞台にした友達が欲しくなる物語

出典:『あのこは貴族』公式ページ

『愛の渦』や『チワワちゃん』などセンセーショナルな作品にも出演する門脇麦と、『ノルウェイの森』やNetflixオリジナル作品『彼女』にて主演を務める水原希子が共演した映画『あのこは貴族』。

山内マリコの原作小説を『グッド・ストライプス』の岨手由貴子監督が実写化した大人の青春ドラマです。

「自分の人生、これでいいのかな…」と、迷ったり立ち止まったりしている人にはすごく刺さる内容となっています!

女性が主人公の作品ですが、性別問わず楽しめる作品となっていました!

ポイント
  • 誰の人生も否定しない尊いヒューマンドラマ
  • 自分の価値観を大事にしようと思えるストーリー
  • 石橋静河のキャラがとても良い
それでは『あのこは貴族』をネタバレなしでレビューします。

映画『あのこは貴族』作品情報

『あのこは貴族』

(C)山内マリコ/集英社・「あのこは貴族」製作委員会

作品名 あのこは貴族
公開日 2021年2月26日
上映時間 124分
監督 岨手由貴子
脚本 岨手由貴子
原作 山内マリコ
出演者 門脇麦
水原希子
高良健吾
石橋静河
山下リオ
佐戸井けん太
篠原ゆき子
石橋けい
山中崇
高橋ひとみ
津嘉山正種
銀粉蝶
音楽 渡邊琢磨

映画『あのこは貴族』あらすじ・感想【ネタバレなし】


裕福な家の娘・華子

東京の裕福な家庭で生まれ育った榛原華子(門脇麦)は、結婚を控えていた恋人と別れてしまい、親族たちからお見合いをするよう迫られます。

しかし、華子は自分にとって理想の男性とはどんな人なのかわからないため、高収入・高学歴な男たちとお見合いをしてもピンとこない日々を過ごしていました。

『あのこは貴族』

(C)山内マリコ/集英社・「あのこは貴族」製作委員会

そんなある日、華子は友人たちとのお茶会で、バイオリニストとして日本と海外を行き来する逸子(石橋静河)から「理想の相手なんて、時間をかけて見つけるものだ」とアドバイスを受けます。

その後、華子は義兄の知り合いで弁護士の幸一郎(高良健吾)と会うと、まさに理想の人だと一目惚れ。

幸一郎も華子を気に入り、何度もデートを重ねると、ついに幸一郎からプロポーズされました。

『あのこは貴族』

(C)山内マリコ/集英社・「あのこは貴族」製作委員会

まさに幸せの絶頂に達した華子ですが、プロポーズを受けたその日に、幸一郎の携帯に知らない女性のメッセージが届いていました。

相手の名前は時岡美紀…。

田舎から出てきた娘・時岡美紀

富山の地方出身である時岡美紀(水原希子)は田舎から抜け出すために、東京の名門大学に同じ故郷の友人・里英(山下リオ)と一緒に進学します。

『あのこは貴族』

(C)山内マリコ/集英社・「あのこは貴族」製作委員会

しかし猛勉強して入学した美紀たちとは異なり、裕福な家庭の学生は苦労せずに進学していました。

そんな学生の中には、幸一郎の姿もあったのです。

しかし、その後美紀は父の失業により、自分で学費を稼がなくてはならない事態に…。

水商売のアルバイトで学費を稼ごうとしますが、結局学費は払えず中退。

地元に帰ることも拒んだため、都内で水商売の仕事を続ける日々を送ります。

そこに客としてやってきたのは、大学を卒業した幸一郎でした。

2人は急速に接近し恋人となりますが、どこか美紀は満足できていない様子でした。

全く異なる2人が出会う時

ある時、逸子がバイオリンを演奏したパーティー会場で、幸一郎と美紀が一緒にいるところを目撃します。

『あのこは貴族』

(C)山内マリコ/集英社・「あのこは貴族」製作委員会

結婚を目前に控えている華子に、逸子は幸一郎が他の女性とパーティーに参加していたことを伝えました。

さらに逸子は、華子と美紀が話をする場まで設けるのです。

しかし逸子の目的は二人を戦わせるのではなく、お互いを知り、正しく理解させるためでした。

『あのこは貴族』

(C)山内マリコ/集英社・「あのこは貴族」製作委員会

まったく異なる環境で育った華子と美紀ですが、お互いの価値観や人生を認め合い、美紀は幸一郎と会わないと約束します。

華子もこれまでの幸一郎を受け入れ、結婚を進めることに。

『あのこは貴族』

(C)山内マリコ/集英社・「あのこは貴族」製作委員会

ヤマダマイヤマダマイ

違う世界で生きてきた2人が繋がったことで、それぞれの人生はどう変わっていくのでしょうか…。

映画『あのこは貴族』感想

人生の価値観はみんな違ってみんな良い

『あのこは貴族』は都心と地方都市という両極端な場所で育った、価値観も人生観も異なる2人の絆がゆっくりと築かれていく作品です。

ヤマダマイヤマダマイ

何よりも素晴らしいのが、どの人生も価値観も否定することのないスタンスを貫いていることです。
『あのこは貴族』

(C)山内マリコ/集英社・「あのこは貴族」製作委員会

多様なライフスタイルが認められるようになっても、「結婚しない」「子供を持たない」などの人生を否定する人は少なからずいます。

作中でも裕福層の華子、そうでない美紀、2人の周囲の人々の価値観がぶつかるシーンは幾度もありました。

しかし「あのこは貴族」では、主人公の2人はもちろん、高良健吾演じる幸一郎や、それぞれの家族が持つ人生観でさえ否定するのではなく、優しい目線で描いているのです。

『あのこは貴族』

(C)山内マリコ/集英社・「あのこは貴族」製作委員会

ヤマダマイヤマダマイ

本作を見ると「自分の人生、間違ってないかも」と励まされる気持ちになります。

実は笑えるシーンもアリ?

ヤマダマイヤマダマイ

ゆったりとしたドラマが流れていく『あのこは貴族』ですが、ところどころでクスっと笑えるシーンがちりばめられているのも魅力的です。

原作者の山内マリコが執筆してきた作品の多くは、地方都市ならではの息苦しさや鬱憤を題材にしています。

『あのこは貴族』

(C)山内マリコ/集英社・「あのこは貴族」製作委員会

本作も、美紀が住む町は駅を出てすぐ高い山が見えるような場所。

地方都市ならではとも言える「アピタのくだり」や、同窓会で既婚者なのに平気でナンパしてくるオラオラ系男子など、地方にはおなじみ(?)キャラクターもネタになっていました。

華子のパートでも、恋人探しに奮闘する姿や、相手の男との価値観のズレをコミカルに描いています。

「価値観の相違」なんて言うと説教臭く聞こえますが、あえておかしなシーンも盛り込んでいるのも本作の魅力。

ヤマダマイヤマダマイ

劇場で見た際には笑い声が何度か上がるほど、皆さんツボに入っていました(笑)

石橋静河演じる逸子が良キャラかつ強キャラすぎる!

ヤマダマイヤマダマイ

個人的に主人公に並ぶ存在感を放っていると感じたのが、石橋静河演じる逸子です。

華子の友人である彼女だけは、自分の価値観が一切ブレません。

バイオリニストとして海外でも活動し、仕事が欲しくなると日本に帰ってくるフットワークの軽さを持ち合わせています。

「結婚」という概念に縛られず、パートナーとは適度な距離を保って良好な関係も築いていました。

そして何より、自分の価値観を決して他人に押し付けません。

『あのこは貴族』

(C)山内マリコ/集英社・「あのこは貴族」製作委員会

作中では華子と美紀が話し合う場面に仲介人として立ち会いますが、中立の立場を貫き、互いを理解する場を設けて2人を「友達」にするのです。

ヤマダマイヤマダマイ

本来なら性格も生まれた環境も真逆な2人なのに…。そんな離れ業をニコニコしながら成し遂げる逸子が強キャラすぎる!逸子の放つ言葉には常に説得力があり「こんな友達がいたらなあ~!」と思わせる良きキャラでもありました。

本作を見ると友達が欲しくなる理由には、逸子の存在が大きく影響しているのです。

映画『あのこは貴族』あらすじ・感想まとめ

要点まとめ
  • 主演の2人だけでなく、脇を固めるキャストの存在感も見どころ
  • 華子や美紀のように、人生に迷っている人は必見のストーリー
  • 逸子や里英のような、最高の友達が欲しくなる
  • 学生時代の幸一郎の私服がチャラい
以上、ここまで『あのこは貴族』をレビューしてきました。

個人的には2021年に劇場公開された邦画の中でも、かなりの良作だと感じた作品です。

公開規模はそこまで大きくないですが、ぜひ男女問わず見てほしい映画でした。

これを見れば、あなたもきっと最高の友達が欲しくなるはず!