『ANNA/アナ』あらすじ・感想!リュック・ベッソンが新たに描く戦うヒロイン像!【ネタバレなし】

映画『ANNA/アナ』あらすじ・感想!リュック・ベッソンが新たに描く戦うヒロイン像!【ネタバレなし】

出典:『ANNA/アナ』公式ページ

ニキータ』『レオン』『フィフス・エレメント』『LUCY』などでこれまでいろんなタイプの強いヒロインを描いてきたリュック・ベッソン監督の最新作『ANNA/アナ』!

今度のヒロインは冷戦末期のソ連KGBのスパイです。

激しくアクションに、二転三転するストーリー、そして人気モデルで映画初主演となったサッシャ・ルスの圧倒的魅力が光る作品です。

ポイント
  • スタイル抜群のサッシャ・ルスが放つハードなアクション!
  • 脇を固める名優たち、とくにヘレン・ミレンがかっこいい!
  • 最後までどうなるかわからない騙しあいの物語

それでは一足早く試写会で見させていただいた映画『ANNA/アナ』をネタバレなしでご紹介いたします。

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『ANNA/アナ』作品情報

『ANNA/アナ』

(C)2019 SUMMIT ENTERTAINMENT,LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

作品名 ANNA/アナ
公開日 2020年6月5日
上映時間 119分
監督 リュック・ベッソン
脚本 リュック・ベッソン
出演者 サッシャ・ルス
ルーク・エヴァンス
キリアン・マーフィ
ヘレン・ミレン
音楽 エリック・セラ

『ANNA/アナ』あらすじ・感想【ネタバレなし】


『ANNA/アナ』あらすじ

1990年のモスクワで売り子をしていたアナ(サッシャ・ルス)はパリのモデル事務所にスカウトされデビューし、一気に売れっ子になります。

事務所の経営者のオレグと付き合い始めたアナは、2ヶ月後にふとした会話から彼が武器商人をしていると聞きだし、突如彼を射殺しました。

アナの本当の顔はソ連KGBの諜報部員で殺し屋でした。

87年、当時の彼氏と薬漬けの堕落した生活をしていたアナは、ある日起こした自動車事故で逮捕され、その後更生して海軍に入ります。

彼女は訓練中にアレクセイ(ルーク・エヴァンス)という男に声を掛けられ、「KGBで働けば5年後には自由の身になれる」という条件を提示されてそれを呑みます。

1年のハードな訓練を終えたアナの前にアレクセイとKGBの上官オルガ(ヘレン・ミレン)が現れ、最終試験として「とあるレストランで食事中のマフィアのボスの携帯を5分で奪え」というミッションを課されました。

アナは正面から店に踏み込み、オルガからもらった銃をボスに向けますが、なんと弾は空。向かってくるマフィアたちをアナはレストラン内にある凶器で次々と殺害。

『ANNA/アナ』

(C)2019 SUMMIT ENTERTAINMENT,LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

時間オーバーで置いていかれそうになったものの、オルガに携帯を届け合格します。

そして3年後、最初の潜入任務でオレグを殺したアナはKGB長官ワシリフと面談し正式に合格をもらいますが、そこで「KGBを抜けるのは死ぬ時だけだ」と自由の約束を反故にされてしまいます。

男女の仲になっていたアレクセイに怒りをぶつけるアナ。

アレクセイは「抜けるチャンスはくる。その時は君に最大限協力する」と誓いました。

その後もアナはモデル業を続け、レズの恋人モードと暮らしながら、ソ連にとって邪魔な要人を次々暗殺していきます。

『ANNA/アナ』

(C)2019 SUMMIT ENTERTAINMENT,LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

しかしある任務でアナはアメリカのCIAにはめられ、捜査官のレナード(キリアン・マーフィー)から「二重スパイになるか死ぬか選べ」と脅されます。

彼女は何でもする代わりに「1年後にハワイに移住し安全に暮らさせて」と条件を出しました。

その後、アナは二重スパイとして活動し、レナードとも恋仲になっていきます。

しかしある時、レナードはアナに1985年に起きたKGBによるCIA職員殺害事件の報復として当時から長官だったワシリフを殺害する計画に参加するよう迫ります。

極めて困難な任務、しかしアナはKGBからもCIAからも自由になれる計画を立てていました。

主役のサッシャ・ルスの魅力とアクションがすごい

『ANNA/アナ』の見どころは何と言ってもヒロイン・アナを演じるサッシャ・ルスの魅力につきます。

16歳でランウェイデビューを果たしたスーパーモデルで、ディオールやシャネルでもキャンペーンモデルを務める超一流。

ちなみにリュック・ベッソン監督の前作『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』が女優デビューで、見た人は誰もが印象に残ったであろう冒頭に出てくるあの異星人を演じていました。

そして今回の大抜擢。

しかリュック・ベッソンは90年の『ニキータ』のアンヌ・パリローも、『フィフス・エレメント』のミラ・ジョヴォヴィッチも、『コロンビアーナ』のゾーイ・サルダナも、『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』のカーラ・デルヴィーニュもみんな細身で長身のモデル出身女優ばかり起用してきました。

ミルトモ 編集部

それはたぶん彼の女性の趣味も関係はしていると思いますが(笑)、でもスタイルもいい上にモデル業で体幹もしっかりしている女性のアクションはとにかく映えるんですよね。

サッシャ・ルスも178センチの長身に長い手足を生かしたアクションがかっこいいです。

おまけにこの役のために格闘術から銃の扱い、運転まで1年間のハードなトレーニングを積んでいるのでもう本当に殺し屋にしか見えませんでした。

『ANNA/アナ』

(C)2019 SUMMIT ENTERTAINMENT,LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

ミルトモ 編集部

そして全体的な顔のパーツもシャープでクールな彼女は血を浴びた姿がとても似合います。

まさにアナ役にぴったりです。

ちなみに『ANNA/アナ』の情報が出た時から一部の映画ファンの間では「またリュック・ベッソンの戦うヒロイン系の映画か」なんて突っ込まれていたのですが、本作はこれまでのベッソン映画とは違う味わいも出せていると思います。

まず単純に、ここ数年の女性アクション映画、『アトミック・ブロンド』や『悪女』などが斬新かつリアルな”女性が男性をどう倒す”かを徹底的に描いた作品が増えてきたことで、『ANNA/アナ』のアクションの基準もかつてのベッソン作品とは段違いに上がっています。

同じくソ連が話に関わるシャーリーズ・セロンの『アトミック・ブロンド』。


 

ミルトモ 編集部

ちなみにシャーリーズ・セロンもモデル出身ですね。

そしてキム・オクビン主演でFPS視点の超絶アクションもある女暗殺者映画『悪女』。

韓国映画のレベルの高さを再認識しました。


『ANNA/アナ』のアクションも動きのスピード、バイオレンス描写もリアルさ、痛みが伝わるものになっており、ハードアクション好きにはたまりません。

特にアナのデビュー戦となるレストランでの攻防は、ナイフ、フォーク、皿、割れたグラス、とにかく狂気になるものは全部使うというファイトスタイルで、インパクトも強い上に生存本能が強い彼女のキャラクター表現としても成立しており見事でした。

また、ヒロインの設定や話の流れは『ニキータ』が一番近いのですが、ニキータが泣き虫で優柔不断で感情の起伏がわかりやすいキャラだったのに対し、アナは違います。

アナは自分一人で生き延びる姿勢が確立されている人物として描かれ、時折見せる弱い表情も嘘か本当かわかりません。

アナにとっては愛する男も敵対者も利用するものと割り切って行動している部分もあるのですが、それでも彼女の目的はあくまで生き延びて平穏に暮らすことと一貫しているので観客が感情移入できるギリギリのキャラとして成り立っています。

ミルトモ 編集部

アナが時折見せる「あ、これは本音の感情だな」とわかる表情も印象的で、サッシャ・ルスは映画初主演とは思えない見事な演技をしていました。

そしてさらにこれまでのリュック・ベッソン作品と一線を画すのはスパイ映画としての要素です。

ハイスピードで二転三転するストーリーとヘレン・ミレンがすごい

『ANNA/アナ』はアクション映画としての魅力もありますが、騙し騙され、予想外の方向に転がっていくスパイ映画らしいストーリーも面白いです。

アナが百戦錬磨のスパイたちをどう騙すか?アナは誰を信用できるのか?騙したと思った相手は本当に騙されているのか?

アクションだけでなく会話の駆け引きも面白く、最後まで引き込まれました。

ミルトモ 編集部

だれるシーンが一切なく、どんどんストーリーが展開していくので集中して鑑賞したほうがいいです。

KGBにもCIAにもアナに協力的なアレクセイとレナードがいるのですが、この2人も絶妙に「本当に信じて大丈夫か?」という胡散臭さが最後まで漂うんですよね(笑)

『ANNA/アナ』

(C)2019 SUMMIT ENTERTAINMENT,LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

アレクセイ役のルーク・エヴァンス、レナード役のキリアン・マーフィー、両者ともさすが名優です。

さらに話を読みにくくしているのがヘレン・ミレンが演じるKGBのアナの上官で老獪な女スパイ・オルガの存在です。

常に冷静沈着で、何を考えているか読めず、皮肉屋で冷酷。

ミルトモ 編集部

この人がいるだけでアナのKGB脱出計画も最後までどうなるか全く安心できません。

予告編でも「KGBをなめないで」と言っていましたが、ポーカーフェイスの中に鋭い眼光が光り、「この人だけは敵に回したくない」オーラが全開です。

そしてアナの最大の敵でありながら、強い女同士、互いに認め合う部分も増えていくのが面白い点でした。

ヘレン・ミレンは「リュック・ベッソンの映画にはいつも強い女性が登場するから」と今回の出演を喜んでいたようで、本領を発揮していました。

テーマは信頼

リュック・ベッソン監督は「今の時代には”信頼”が失われてしまった。だからこの映画のテーマを”信頼”に据えたんだ。」と語っています。

確かに見ていると登場人物もKGBもCIAもそれぞれの国も、誰も信用できません。

そんな中で自分だけを頼りにスキルを積み重ねていくアナは現代の個人主義の象徴のようです。

ANNA

(C)2019 SUMMIT ENTERTAINMENT,LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

しかし、ただ単に誰も信用なんてできないという話かというとそうでもなく、先ほど書いたオルガとの関係性のように「本気で戦ったからこそ分かり合える部分もある」というメッセージもあって、なかなか爽やかな後味の映画でもありました。

ミルトモ 編集部

まあとにかく見てて思ったことは「ソ連に生まれなくてよかった」ということですね(笑)

『ANNA/アナ』まとめ

以上ここまで『ANNA/アナ』を紹介してきました。

要点まとめ
  • 新星サッシャ・ルスのアクションと魅力がさく裂!
  • スパイ映画らしく誰も信用できず、どう決着するか話が読めません。
  • でも後味は爽やかです!

ハイレベルなアクション、先の読めないストーリー、魅力的なキャストたちが揃った最高の娯楽映画『ANNA/アナ』。

公開までにリュック・ベッソン監督の強いヒロインが活躍する映画を見て、彼の作風の変遷を見るのも面白いかもしれません。

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