日本でも歴代3位の興行収入を記録した、大ヒット作品『アナと雪の女王』から6年。
エルサとアナがスクリーンに戻ってきました。
『アナ雪』の愛称で親しまれ、主題歌の「Let it go」は大ヒット。
ダブルヒロイン2人のプリンセスだけでなく、オラフという愛されるキャラクターも生み出し、ディズニープリンセス映画の中でも不動の人気作品になりました。
そんな『アナ雪』の続編は、エルサだけ使える魔法の謎、海難事故で亡くなった2人の両親が旅に出た理由についても描かれています。
- CG技術の進歩によって、エルサの魔法や風景の美しさがより際立つものに。
- 『アナと雪の女王』は2作で一つの物語。前作ファンは必見。
- 名曲も満載で、ミュージカル色がより鮮明になっています。
それではさっそく『アナと雪の女王2』をネタバレありでレビューしたいと思います。
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目次
『アナと雪の女王2』作品情報
作品名 | アナと雪の女王2 |
公開日 | 2019年11月22日 |
上映時間 | 103分 |
監督 | クリス・バック ジェニファー・リー |
脚本 | ジェニファー・リー |
声優(吹替え) | クリステン・ベル(神田沙也加) イディナ・メンゼル(松たか子) ジョナサン・グロフ(原慎一郎) ジョシュ・ギャッド(武内駿輔) エバン・レイチェル・ウッド(吉田羊) |
音楽 | クリストフ・ベック |
【ネタバレ】『アナと雪の女王2』あらすじ・感想
ディズニースタジオの本気がわかる美しい映像で描かれる物語は、もはや童話ではなく「神話」のレベル!
毎回CG技術のインフレがすさまじいディズニー作品。
今回の『アナと雪の女王2』は、映像の美しさがとんでもないことになっています。
- 不思議な森の紅葉。
- エルサの魔法。
- 水の精霊。
くりす
何よりその映像の美しさのおかげで、エルサの神々しさがとんでもないことになり、プリンセス映画というよりは神話の誕生でも観ている気分になりました。
エルサやアナの祖父、つまり亡き父親の父である先々代のアレンデール国王が犯した過ちを、魔法の力を持って生まれたエルサと成長したアナが正す物語。それが『アナと雪の女王2』です。
説明が不十分なところがあるため、正直ストーリーは手放しで絶賛はしないものの、エルサやアナの心の強さやアレンデールの王族として過ちを正そうとする姿には、強く心を打たれます。
くりす
で終わっていた従来のプリンセス映画のセオリーは、すでにもう完全に過去のもの。
プリンセスは自己を肯定する苦難を乗り越え、自らの力で運命を切り拓く強さをプリンセスという存在に憧れる子供たちに示してくれます。
ダブルヒロインの冒険と共に描かれる『アナ雪2』のテーマとは?
前作『アナと雪の女王』で隠していた魔法の力を周囲に知られてしまうものの、紆余曲折を経て、自らの力、ありのままの自分を受け入れ、愛する妹との絆も取り戻したエルサ。
今作『アナと雪の女王2』は、前作から3年後が舞台です。
アレンデール王国の女王として穏やかな生活を送っているエルサが不思議な声が聞こえることで悩まされていることから、物語の幕が開きます。
エルサだけが持つ、魔法の力のルーツを探る旅。
それが突如災害に襲われた、アレンデール王国を救うことにも繋がることになります。
前作『アナと雪の女王』を観て、姉妹でエルサだけが魔法の力を使えることにどうして?と疑問を持っていた観客には、やっと謎が明らかにされるのかとワクワクする状況です。
くりす
エルサの魔法の力は、前作で自ら受け入れ、国民にも受け入れられたものでした。
幼少期にアナを傷付けてしまってからは、エルサにとって忌避すべきもの、呪いのもののようだった魔法の力。
今作では、魔法の力の秘密を解き明かすことこそが、すべてを救う鍵になっています。
前作は、王国が氷で覆われる、エルサの命が狙われるなどの大問題がありましたが、テーマは家族の愛と絆、そしてありのままの自分を受け入れることの大切さでした。
社会問題というより、パーソナリティの問題。だからこそ、大なり小なり悩みを持っている人たちが、共感しやすかったのです。
しかし『アナと雪の女王2』は、個人の問題というより、社会問題の方が大きなテーマになっているように思います。
世界中で問題になっている環境問題。
特定の民族の迫害や排除。
そのことを反省した上での、多様性を受け入れる、他者を尊重することの大切さ。
そして人生における、誰もが感じる生きづらさ。
くりす
エルサは結局、魔法を使う女王として国民に受け入れられ慕われてもなお、自らの居場所は「ここ」ではないという、ジレンマを抱えていました。
だからこそ、エルサがラストに下す決断は自分が自分でいられる場所、自分らしくいられる場所で生きていく、というものでした。
ある意味、前作で描いたテーマとは相反するラストです。
エルサの決断は『シュガー・ラッシュ:オンライン』『トイ・ストーリー4』と通じるものでした。
ラストの決断、描いたテーマに賛否両論があるのもわかります。
くりす
そしてもう1人の主人公であるアナは、今作で人間として大きく成長します。
明るく元気で一生懸命。
家族が大切で、まっすぐな心の持ち主だからこそ、お人好しで子供っぽい部分もあったアナ。
しかし、両親が旅に出た真相や、祖父の過去の過ちを知り、エルサやオラフを失ったと思ったことで大きな衝撃を受けます。
それでも、その悲しみすべてを抱えながら「すべきことをする」ために走ったアナ。
前作では無鉄砲にも思えるアナでしたが、クライマックスでは王家の人間としての強さも垣間見せてくれます。
アナも幼少期は寂しい想いを抱え、なおかつ大好きな姉に遠ざけられるという可哀想な少女時代を送っていました。
くりす
脇を固めるキャラクターのみどころ
もっとも、たとえ王子様が白馬に乗って登場しなくても、プリンセス映画にはやはりラブロマンスも必要です!
今回、それを一手に引き受けていたのはクリストフ。
前作から今作までの3年の間に、最低でも婚約くらいしていただろうという予想を覆し、ラブラブだけど大して進展していなかった様子のアナとクリストフ。
今作は、そんなクリストフのアナへのプロポーズ大作戦が壮大な神話的物語と並行して描かれています。
エルサとアナが王国を救うことを考えている横で、クリストフが終始アナへのプロポーズを成功させようと頭を悩ませているのです。
そして今作も活躍するオラフ。
相変わらずよく話すオラフですが、オラフも3年の間に成長したのか哲学的な台詞を口にしたりしちゃいます。
文学も学んで、努力の跡が見られます!
くりす
唯一歌の部分で、多少の違いを感じてしまいましたがそれくらいです。吹き替え派の方も、安心してご鑑賞を。
ちょっとウザくてキュートなオラフは、クライマックスでまた大変な事態に陥ります。
もういっそのこと「あなたがヒロインか!」というくらい。
面倒に巻き込まれたり、名言を口にしたり、可愛さが全開だったりするのですが、持ち前の明るさと前向きさでほっこりした気持ちにしてくれる最高なキャラクラーです。
くりす
そして今回、新たなキュートなキャラクターが登場します。
火の精霊・サラマンダーのブルーニ。
マスコット売る目的だろうと、嫌な大人の考えも浮かびましたがとにかく可愛いです。あれは反則。
馬の姿をした水の精霊・ノックも誇り高い美しさで素敵です。
ミュージカル色が強くなった楽曲の数々。さすがの名曲揃い。
『アナと雪の女王』では、主題歌でもある「ありのままで」が大ヒット。
今作は、前作より一層ミュージカル色が濃くなっていました。
主題歌でもある「イントゥ・ジ・アンノウン」はかなりの名曲だと思うのですが、いかんせん大きな問題が1つ。
子供たちには難しくて簡単に歌えないだろうな、ということ。
音域の広さ。英語歌詞の方が歌いやすいという日本語歌詞での多少の歌い辛さ。いきなりの転調。
個人的にはとても気に入った曲なのですが、子供向けではないな、と思ってしまいます。
くりす
さて、映画でもかなり重要な謎の歌声。
この歌声は、AURORA(オーロラ)というノルウェーを拠点にするアーティストが担当しています。
くりす
うっとりするような歌声なので、これからもディズニーアニメーションでぜひ、聞かせてもらいたいですね。
そして、今回「イントゥ・ジ・アンノウン」よりメッセージ性が高いのが「みせて、あなたを」という曲。
何とも心に響く歌詞なので、この歌に勇気づけられる人も多いのではないでしょうか。
『アナと雪の女王2』まとめ
以上、ここまで映画『アナと雪の女王2』についてネタバレありで紹介させていただきました。
- ハンス王子の扱いが酷すぎて、ちょっと可哀想になります(笑)
- 子供たちでも理解できるテーマと、大人だからこそ考えさせられるテーマが込められた、ディズニーらしい作品です。
- エルサの強さがまるでマーベルヒーローのようで、神々しい美しさと相まって、エルサ様と呼ばなければならないレベル。
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