『アルプススタンドのはしの方』あらすじ・感想!高校演劇原作のアツい青春ストーリー

『アルプススタンドのはしの方』あらすじ・感想!高校演劇原作のアツい青春ストーリー

出典:『アルプススタンドのはしの方』公式ページ

「夏は高校球児たちの応援に野球観戦に行くのが楽しみ」という人も多いはず。

しかし、2020年は新型コロナウイルス感染予防のために夏の甲子園大会が中止となり、残念に思っているのではないでしょうか。

そんな方はもちろん、「野球はルールもよくわからないし…」という方にもおすすめしたい映画が、『アルプススタンドのはしの方』です。

タイトルにもあるように、この映画は甲子園球場の観客席を舞台に、4人の高校生たちの青春模様を描いた作品です。

ポイント
  • キャラクターたちの成長
  • 些細な描写も伏線になっている緻密なストーリー
  • 思わず胸が熱くなる展開

それでは『アルプススタンドのはしの方』をレビューします。

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『アルプススタンドのはしの方』作品情報

『アルプススタンドのはしの方』

(C)2020「On The Edge of Their Seats」Film Committee

作品名 アルプススタンドのはしの方
公開日 2020年7月24日
上映時間 75分
監督 城定秀夫
脚本 奥村徹也
出演者 小野莉奈
平井亜門
西本まりん
中村守里
黒木ひかり
目次立樹

『アルプススタンドのはしの方』あらすじ・感想【ネタバレなし】


『アルプススタンドのはしの方』の物語は、夏の甲子園一回戦を観客席の端から見つめる4人の高校生たちを中心に繰り広げられます。

野球のルールがあやふやで、いまいち応援に乗り気ではない演劇部の安田と田宮、元野球部でベンチウォーマーのメンバーを小馬鹿にする藤野、野球部エースに想いを寄せる宮下は、どこか冴えないキャラクター。

『アルプススタンドのはしの方』

(C)2020「On The Edge of Their Seats」Film Committee

同じく応援に来ていた厚木先生は「声を出せ」「もっと真ん中の席で応援しろ」と激を飛ばしますが、彼女たちにとっては暑苦しいばかり。

そんなどこかメインストリームではない4人が、野球の試合を通して変わっていく姿が描かれています。

田中泉

私自身も高校生の時は嫌々野球応援に行かされていたタイプなので、冒頭のうだうだだべってるシーンは共感しかありませんでした(笑)

『アルプススタンドのはしの方』の原作は第63回全国高等学校演劇大会で最優秀賞に輝いた、兵庫県立東播磨高等学校演劇部による戯曲。

甲子園球場のグラウンドにスポットライトが当たることはなく、観客席や球場の通路などでの会話が中心です。

そのためテンポの良い会話のキャッチボールが、なんともクセになる作品でもあります。

演劇部の2人は、野球のルールがわからないために試合の動向も把握できていません。

「ファウルボールに当たったら死ぬらしいよ」なんて適当なことを言っている2人を見かねて元野球部の藤野がツッコミを入れたり、同級生や先生の噂話で試合そっちのけになったりと、なんともゆるいのが魅力の一つ。

野球のルールを熟知していない人も、ゆるく観られることでしょう。

今作のキャラクターは、「しょうがない」を言い訳にいろいろなことを諦めてきた安田、周囲に気を使いすぎる田宮、レギュラーになれなくても部活に一生懸命になれる同級生を羨む藤野、コミュニケーションを上手くとれない宮下と、どこにでもいる高校生たち。

田中泉

そんな彼女たちが試合の観戦を通して少しずつ一生懸命になっていく様子は、どこか共感できるものもあるかもしれません。

感想②些細な描写も伏線になっている緻密なストーリー

『アルプススタンドのはしの方』は、何気ない会話や行動が後の伏線になっていることもしばしば見られます。

たとえば田宮が安田に飲み物を買ってくるシーンでは、予想外のものを買ってきたことに対してツッコミが発生します。

その理由は別のキャラクターに飲み物が差し入れされるシーンで判明しますが、なんともクスっと笑えるはずです。

田中泉

劇場でも笑いが起きてました。随所にクスっと笑えるネタが転がっているのも今作のおすすめポイント!

強烈なキャラクターで要所要所で4人に世話を焼きたがる厚木先生も、その暑苦しさと顧問をしている部活のミスマッチさが笑えるポイントの一つです。

そのミスマッチさが後に驚きの展開をもたらすなど、今作では見逃してしまいそうな設定が後にクスっと笑える要素になったり、驚きの展開につながることも少なくありません。

緻密なストーリー展開が見事でした。

思わず胸が熱くなる展開

物事が上手く行かなかったり、欲しいものが手に入らなかった時、「しょうがない」と自分に言い聞かせてしまうことは誰にでもあるかもしれません。

また、優れた人が努力している姿を見て、「やるだけ無駄」と自分の限界を決めてしまう人もいるのではないでしょうか。

今作は、それでも自分ができることに全力で挑めば、自分が納得できると教えてくれます。

田中泉

高校生はもちろん、成長とともに挫折を経験した大人にこそハッと気づく瞬間があるはずです。

試合が終盤に近づくにつれ、4人の心には大きな変化が起こります。

映画を観ている側も、観客席のテンションに引き寄せられて思わず「がんばれ!」とエールを送りたくなります。

『アルプススタンドのはしの方』

(C)2020「On The Edge of Their Seats」Film Committee

また、『アルプススタンドのはしの方』が印象的なのは、本来ならばリアルでも熱い高校球児たちの戦いが繰り広げられたであろう夏前に公開されていたこと。

誰であっても、2020年の夏に晴れの舞台に立つことは叶いません。

まさに「しょうがない」と諦めてしまいそうな出来事ばかりが続くなか、それでも挑戦し続ける人に希望を伝えて、観た人の胸を熱くしてくれる作品です。

田中泉

辛いことも悲しいことも多い世の中だけど、挑戦はやめてはいけないなと思いました。

甲子園球場で繰り広げられる『アルプススタンドのはしの方』は、仕事だけでなく、趣味も中止せざるを得ない瞬間が多い2020年の夏に公開されたことにも意義があるといえます。

高校球児ではなく、アルプススタンドの端で下を向いてしまっている冴えない高校生のひと夏の青春映画で、大切なことに気づいてみてはいかがでしょうか。

『アルプススタンドのはしの方』あらすじ・感想まとめ

以上、ここまで『アルプススタンドのはしの方』をレビューしてきました。

要点まとめ
  • 登場人物の成長がアツい
  • 細かな伏線が導く笑いと感動
  • 胸アツな後半の展開

清涼感に満ちた今作を見れば、もう戻らない高校生の夏休みを思い出すかもしれません。

ぜひ、劇場で彼女たちの成長に感動してくださいね。

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