ドラマ『厨房のありす』 第3話 助けてと言って欲しい。相手を信用するということ。

「店で足手まといになっている」と言われた倖生（永瀬廉）は、和紗（前田敦子）がいない店でワンオペで奮闘しますが、思わぬ疑惑をかけられてしまい・・・。

さらに、息子の受験で思いつめる常連客に、心護（大森南朋）はかつてありす（門脇麦）を引き取ったばかりの自分を思い出します。

その常連客にありすが出した料理とは？

ドラマ『厨房のありす』 前回振り返り

自閉症スペクトラム症の料理人・ありす（門脇麦）とバイトの倖生（永瀬廉）の共同生活がスタートしました。

ありすの父・心護（大森南朋）は、2人の距離感が心配で右往左往。

こだわりの強いありすとの生活は、物の色や順番までルールだらけ。それを必死に覚えようとする倖生でしたが、なかなか覚えることができません。

ありすと倖生はそれぞれ「誰かと一緒に暮らすこと」への難しさを痛感します。

その中でありすは“譲り合い”を覚え、倖生と引き続き暮らしていくことを決めました。

【ネタバレあり】ドラマ『厨房のありす』第3話あらすじと感想

名前の由来

和紗（前田敦子）の出産が迫り、そろそろ名前を決めようという話になりました。
金之助（大東俊介）は、お腹の子は女の子なので「強くて可愛い名前がいい」と言います。
長男・虎之助は、良い名前を考えてくれそうなありすに、赤ちゃんの名前を考えてくれるように頼みました。

名前には親の思いが込められているということを知ったありすは、倖生（永瀬廉）にその由来を尋ねます。
倖生は「人を幸せにして生きて行って欲しい」という願いが込められた名前だとのこと。
ありすは「倖生さんは人を幸せにする人なんですね！」と喜びますが、本人にとっては「名前がそうってだけ」です。

ありすの名前は、亡くなったとされている母親がつけてくれたそうです。

「私の名前には、どんな気持ちが込められたんでしょうか」

ありすの母・五條蒔子（木村多江）は、以前五條製薬の研究員だった心護（大森南朋）を新薬開発のために呼び戻そうと考えていました。
しかし、いくら電話をしても心護からの応答はありません。

足手まとい

ある朝、ありすと倖生が「スーパー三國谷」で買い物をしていると、常連客の優奈の家族と出くわしました。

一方、店長の三國谷優作（前原瑞樹）は、優作を嫌うありすへのフラストレーションを、倖生にぶつけてきました。
優作は「愛想が悪い」「君は店で足手まといになっている」と言いたい放題。

そんな時、和紗が家庭の事情で数日店を休むことになりました。
倖生は汚名返上のためにワンオペでホールに出ることにしました。

相変わらず店は大忙し。
そんな中倖生は和紗に「三國谷への支払いをやっておいて」と頼まれます。

午後になり、朝にスーパーで会った優奈が店にやってきました。
ありすは朝の彼女の様子を見て顔色が悪いと感じ、パワーの出る「ニンニクたっぷり担々麺」を用意していました。

「冷めないうちに、アルギニンを摂取して、姑さんを倒してください！」

一方の倖生もヘトヘトでした。

優奈は息子の空くんのお受験のことで姑からもプレッシャーをかけられ、かなり追い詰められていました。

「私も頑張らなきゃ・・・」

一方、心護の元に五條誠士（萩原聖人）が現れました。
誠士は、蒔子が心護を呼び戻そうとしていることを知って、先に手を回そうとやってきたのです。
当然、心護は蒔子や五條製薬と関わるつもりはありません。

倖生は自分を信じてくれているありすに応えようと必死で働きますが、空回りしてしまいます。目の前のことに必死で、和紗に頼まれていた入金を忘れてしまっていました。
慌てて通帳を持ち出そうとしますが、引き出しの中に通帳がありません。

ありすという名前

翌朝、ありすは赤ちゃんの名前候補を心護に見せ、自分の名前の由来を尋ねます。
「ありす」という名前は、アリス・ボールというハンセン病治療薬の研究をした人で、アフリカ系アメリカ人で初めて大学教授になった女性からつけられたということです。

ありすは、お母さんは今の自分を見て、名付けた通りになっているだろうかと思いました。

その日の開店前、和紗の父・定一郎（皆川猿時）が、優奈を抱えて店に入ってきました。
店の近くでふらついていたとのことで、とても調子が悪そうです。

しばらくして、優奈は目を覚ますと、幼稚園のお迎えに行かないとと言って焦り出しました。心護は優奈をなだめます。
優奈は母親の自分がしっかりしないと、息子のお受験が失敗し、自分の存在価値がなくなると思い込んでいました。

優奈の姿を見て、心護は自分がありすを引き取ったばかりの苦しい時期を思い出しました。
心護も、当初は引き取った以上は自分1人でなんとかしなければならないと思っていました。
でも、心護は子育て初心者でしかもありすはASDです。

保育園でも「普通じゃない」ありすは度々問題を起こし、ついには心護がゲイであることまで問題視されてしまいます。
心護は、トラブルについては謝り、ただありすは自分にとって大切な存在なのだということを訴えました。

そして、不甲斐ない自分とありすを助けて欲しいと頭を下げます。
その時、「自分1人でも助ける」と言ってくれたのが、和紗の父・定一郎でした。
こうして、心護は周囲の助けを借りてありすを育ててきたのです。

「優奈さん、助けてって言っていいんだよ」

誘拐犯！？

相変わらず通帳が見つからない倖生は、仕方なく直接三國谷に行くことにしました。
店内に入ると、優奈の息子・空くんがお菓子を店外に持ち出そうとしているところを目撃してしまいます。

その頃、帰宅した優奈は空くんが「さがさないでください」とメモを残して家を出たことを知り大慌て。
優奈は思い切って姑に助けを求めます。

当の空くんは、自分のせいでお母さんが苦しんでいると思い、自分が捕まればお母さんが楽になると考え万引きをしようとしてしまったとのことです。

「空っていう字の意味は、“空っぽ”だよ」

空くんのことは、優作を中心に商店街の人が総出で探していました。
そして倖生と一緒にいるところを発見した優作は、倖生が空くんを連れ出したと責め立てます。

倖生は空くんのことは何も言わず、「僕が誘拐犯です！」と言い残して、どこかへ行ってしまいました。

優作は「あいつを辞めさせた方がいい！」と騒ぎます。
誘拐の件だけでなく、店の通帳を着服したという疑惑があるからです。

「通帳ならウチにあるよ」

心護があっさりそう証言したので、優作は拍子抜けしてしまいました。

幸せにしてくれる人

優作が倖生を辞めさせた方がいいと言った時、ありすはハッキリと「倖生さんは辞めません」と言いました。
ありすは誰よりも頑張っている倖生を信じていました。

「倖生さんと働けて、私は幸せです」と、笑顔になるありす。

「これからもずっとずっと、私は倖生さんに幸せにしてもらいます！」

ただ、倖生は朝になっても帰ってきませんでした。
皆が心配していると、「買い物に行ってきた」と言ってフラッと帰ってきた倖生。

倖生が買ってきたのは、少し前にありすが「精力大回復」と言っていたアンコウです。

立派なアンコウを見てありすは大喜び。

「やっぱり倖生さんは人を幸せにする人です！」

その日の夜は、優奈ら常連さんたちに特別メニューのアンコウ鍋が提供されました。

ありすはそこで朝まで考えていた赤ちゃんの名前を発表しました。
その名はずばり「虎虎愛（ここあ）」ちゃんです。
金之助は大喜びですが、虎之助は「違う！そういうんじゃない！」と頭を抱えてしまいました。

特別メニューは大好評で、皆元気になって帰っていきました。
ありすは倖生と2人で後片付けをしていました。その時店の中に入ってくる人物が。

それは、ありすの母親・蒔子でした。

ドラマ『厨房のありす』 第3話 感想＆まとめ

今回のテーマ「助けてと言ってもいい」というのは、優奈や倖生はもちろん、視聴者にも刺さる言葉でしたね。

そして今回倖生は、初めてありすのことを「ありす」と呼びました。2人の信頼関係はどんどん深まっていっています。

しかし、そこにやってきたのはありすの母・蒔子。彼女はありすたちにどんな影響を及ぼすのでしょうか？ 次回必見です！