ディズニーの中でも屈指の人気作品『アラジン』が27年の時を経て実写版で蘇りました。
新しい時代のヒロインとしてブラッシュアップされたジャスミンと、ウィル・スミスのジーニーは必見です!
- 物語はほぼアニメそのままですが、現代に寄せたアレンジも。お子様も安心して楽しめる最高のエンターテイメント作品。
- 名曲の数々はもちろんのこと、実写のオリジナルソングも秀逸。アラン・メンケンの耳に馴染んだメロディにテンション上がる。
- ガイ・リッチー色は控えめ、それでも監督「らしい」アクションシーンは健在。ジーニーの魔法シーンは実写ならではの楽しさ。
それではさっそく映画『アラジン』をネタバレありでレビューしたいと思います。
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目次
『アラジン』作品情報
作品名 | アラジン |
公開日 | 2019年6月7日 |
上映時間 | 128分 |
監督 | ガイ・リッチー |
脚本 | ジョン・オーガスト |
出演者 | ウィル・スミス メナ・マスード ナオミ・スコット マーワン・ケンザリ ナヴィド・ネガーバン ナシム・ペドラド ビリー・マグヌッセン |
音楽 | アラン・メンケン |
【ネタバレ】『アラジン』あらすじ・感想
ディズニー屈指の人気作『アラジン』アニメ版とミュージカル版を振り返る
映画『アラジン』は、1992年公開のディズニーアニメーション映画の、実写リメイク作品。
アニメーション作品が大好きで昔から何十回と見ている私は、期待半分不安半分で、実写化決定の記事が出たときから注目していました。
大好きなキャラクターであるジーニーが実写化でどうなるのか。
くりす
アニメ版のジーニーは、今は亡きロビン・ウィリアムズが演じていました。
俳優としては幅広い役を演じ分けた、リアルに高いIQの持ち主。
即興、ものまね、声まねなどで知られ、スタンダップ・コメディの舞台が原点ともいえるコメディアン。
そんな天才のロビンらしく、ジーニーはほとんどアドリブで演じていたそうです。
ロビンのジーニーは早口でしゃべりまくり、言うこともやることもユーモア満載、そのうえ何ともキュートで、しかしナイーブな一面もあり、大人も子供も大好きになってしまうようなキャラクターでした。
くりす
もっとも、ブロードウェイのミュージカル作品を映像で見てもいたので、実写映画化は当然できるだろうし、そのうちするだろうとは思っていました。
ディズニーはもう何年も前から、人気作品の実写化を進めていましたし。
そのせいなのか『アラジン』には余計に期待して、同時に不安も覚えてしまった次第です。
歌、衣装、現代の世相を反映するキャラのアレンジ、などなどアニメ版の良さがなくなってしまっていたらどうしよう…と。
トニー賞のミュージカル助演男優賞をジーニー役で受賞したジェームズ・モンロー・アイグルハートは、ちょっとふくよかな、まるでゴムマリのような印象で、当たり前ですが歌は上手いし踊れるし、そのうえ面白いしと、素敵なミュージカル俳優さんです。
くりす
そんな中キャスティングされたのが、まさかのウィル・スミスでした。
断言します。本作はウィル・スミスの代表作になる
くりす
しかし、インパクトは特大級でした。
ジーニーとしてではなく、あくまでウィル・スミスの。
もともと日本では人気の高いウィル・スミス。
くりす
これは期待すべきか、それとも憂えるべきか。
無駄に悩んで鑑賞してきましたが、結果は嬉しい誤算というか。
つまり、ウィル・スミスのジーニー最高じゃないの!ということです。
ディズニー実写版『アラジン』は、ウィル・スミスの代表作になるであろうと太鼓判を押しちゃいます。
ロビン・ウィリアムズ演じるアニメ版のジーニーをただ真似るわけではなく、ウィル・スミスとしてのジーニーというアプローチが大成功したのだと思います。
人間の姿になっている時は、ちょっとかっこよすぎるくらいですけどね。
ジャスミン役のナオミ・スコットが文句なしに最高の配役
そして、ジャスミン役のナオミ・スコット。
くりす
可愛いのはよーくわかっていましたが、歌がびっくりするほどお上手!
彼女が歌手としてシングルも発表しているのは、『アラジン』のジャスミン役が決まってから知りました。
ジャスミンの衣装もよく似合っていて、美人だし可愛いし歌も上手いし、もう本当に言うことなし!のジャスミン。
くりす
2019年公開予定の『チャーリーズ・エンジェル』のリブート版にもキャスティングされているので、ナオミのこれからがますます楽しみです。
強いて弱点を挙げるなら…
ジーニーとジャスミンは文句なく誉めていますが、あえて挙げる弱点はまさかの主役アラジンとジャファー。
アラジン役のメナ・マスード。
顔は格好良いし、演技だってもちろん上手い。雰囲気もいい、笑顔も可愛い。
アラジンにピッタリ。というか、他にはいなかっただろうと思うくらいの当たり役。
でもナオミと「ホール・ニュー・ワールド」を歌うと、歌唱力がどうしても…となってしまうんです。
くりす
「ホール・ニュー・ワールド」はピーボ・ブライソンとレジーナ・ベルのアニメ版主題歌が最高に好きでして、さすがにピーボ・ブライソンと比べるようなことはしませんが、メナくんもう少しだけ声に伸びが…と思ってしまい。そこだけが残念。
他の歌は良かったですよ。だから余計に、かもですね。
そして、ジャファー役のマーワン・ケンザリ。
とにかくビジュアル的にアニメ版のいやらしさがなくなり、ただのイケメンになっていたのはなぜなのか。
無駄に顔が良くて、あの「いやらしくて何か気持ち悪い」ジャファーより、当たり前ですがマイルドになってしまっていたわけで。
ジャファーは、見るからに怪しそうな顔で良かったのに。
それでもジャファーに少しばかりのバックボーンを持たせたところは好きですし、ジャファー役のマーワン・ケンザリはすごくかっこいいと思います。
くりす
少女にキモオヤジが結婚を迫るという図を今の時代に実写でやったら、明らかに抗議がきそうですから。
しかし、そんな些細な残念ポイントはあれども、総じて『アラジン』実写化は大成功。
くりす
27年経っても色あせぬ名曲の数々。
ディズニー映画の良さのひとつは、間違いなく音楽にあります。
何年、何十年経っても心に残る素晴らしい曲の数々はディズニー映画を観ていない人でも、きっと耳にしたことがあるはずです。
今回の実写『アラジン』にも、アニメ版でお馴染みの曲がもちろん使われています。
「ホール・ニュー・ワールド」や冒頭の「アラビアン・ナイト」などなど。
実写化にあたって、中には大胆なアレンジを加えた曲もありました。
ジーニーことウィル・スミスが歌う「フレンド・ライク・ミー」や「アリ王子のお通り」が、まさかのヒップホップ調になっていたのです。
さすがに最初は笑いそうになりましたが、ウィル・スミスのジーニーにはピッタリな出来映えでした。
もともとグラミー賞を受賞しているウィル・スミスですから、上手いのは当たり前なんですけど。
そして今回の映画で、アラン・メンケンが新たに作曲した「スピーチレス~心の声」。
作詞は『ラ・ラ・ランド』や『グレイテスト・ショーマン』で知られるパセク&ポールこと、ベンジ・パセクとジャスティン・ポールの若い二人が手掛けています。
天才音楽家と若い天才デュオがタッグを組んで生まれた「スピーチレス~心の声」は、ナオミ・スコットが力強く歌い上げている心に残る美しいメロディで最高の一曲です。
実写のジャスミンはアニメ版よりちゃんと「国」のことを考えていて、そのために勉強もしてきたアグラバーも国民も愛していて、誰よりも次のサルタンに相応しいと自負しているように見えました。
実際その能力も、今は若いとはいえ、このまま成長すれば将来はまったく問題なさそうな。
それでも「女性だから」王にはなれない、父親にも「次代の王」とは認められないことからの葛藤を抱えていて、その思いが込められた曲がこの「スピーチレス~心の声」なのです。
この歌に説得力を持たせるだけの歌唱力がナオミ・スコットには備わっていました。
凛とした美しさと、折れない強い心を持ったジャスミンにぴったりな曲です。
くりす
間違いなく、見どころというか、聞きどころのひとつです。
アニメと実写の大きな違いはオリジナルキャラクターの存在
アニメ版と実写版の違いで一番大きいところは、オリジナルキャラクターのダリアという存在です。
ジャスミンの侍女で、王女にも意見をはっきり言う存在のダリア。
ジャスミンとは友人でもあり、彼女の幸せを一番に考えているのが見てとれる、独特な雰囲気を持つ美人です。
そして人間の姿のジーニーと、恋に落ちるという役どころ。
ダリアのシーンは総じて面白く印象的。
くりす
それから警備隊長だと思うんですが、ハキームというキャラクターがいて、彼が実はかなり重要な役になっています。
子供の頃から王に仕えてきたハキームならではの葛藤。
ジャスミンがクライマックスでハキームに訴えるシーンは、アニメの『アラジン』にはなかった緊張感と感動があります。
ラストはもちろん大団円。
しかし、ジーニーだけはアニメ版とは違うラストを迎えます。
アニメのラストはもちろん大好きなんですが、実写のジーニーのラストもなかなかに良かったですよ。
ジャスミンとアラジンのキスシーンも大変良かった。
特に物語のラスト近くのキスシーン。
くりす
結婚式のダンスシーンも最高なので、最後まで幸せな気持ちで鑑賞できました。
既存キャラクターの中での一番大きな改変といえばジャスミンの父親、王様でしょう。
アニメ版ではサルタンだというのに、気の良さそうな騙されやすそうな、いかにもアニメのキャラクターという見た目と性格でした。
しかし、実写ではサルタンとしての風格があり、現実にしっかり寄せてあるキャラクターに。
当然こちらの方が実写版には相応しく、物語にも厚みが出ました。
『アラジン』まとめ
以上、ここまで実写版『アラジン』について紹介させていただきました。
- アラン・メンケン最高、新曲も最高!歌の終わりについ拍手したくなる気持ちを抑えるのが鑑賞中は辛いほど
- まさに圧倒的な存在感のウィル・スミス。ここ数年で一番のウィル・スミスが観られて嬉しい!
- ナオミ・スコットのジャスミン最高すぎ。将来他の人での再実写化はできないでしょ?と無駄な心配をするレベル
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