韓国で有名な財閥令嬢がパラグライダーで飛行中に、強風にあおられて全く知らぬ場所に不時着してしまうのですが、なんとそこは北朝鮮!
そこに現れた北朝鮮の将校が、少しの間自宅にかくまった後、韓国へ送り出すのですが。
今までにも韓国映画やドラマで「南北関係」を描いた作品は数多くありますが、韓国と北朝鮮の「38度線を超える」2人の運命の恋をここまで美しくコミカルに描いたドラマは今までなかったのではと思います。
北朝鮮に不時着した財閥令嬢は、無事に韓国へ帰れるのか?
笑いと涙、そして美しい風景など、見どころ盛りだくさんの『愛の不時着』をネタバレありでレビューします。
目次
『愛の不時着』キャスト
ヒョンビン / 役:リ・ジョンヒョク
- 北朝鮮人民軍第5中隊の隊長
- ピアニスト志望だったがあるきっかけで軍人の道を選ぶ
- 実は北朝鮮政治局長の息子
ソン・イェジン / 役:ユン・セリ
- 韓国屈指の財閥クイーンズグループの一人娘
- 自身のブランド「セリズ・チョイス」を展開
- 訪れたスイスでパラグライダーに興味を示す
ソ・ジヘ / 役:ソ・ダン
- 北朝鮮で活躍するミュージシャンでジョンヒョクの婚約者
- 政府高官の父とショピングモール所有の母の間に生まれ裕福に育つ
- 不意に出会ったスンジュンにいつしか密かに好意を持つ
キム・ジョンヒョン / 役:ク・スンジュン
- 韓国を中心に活動する天才詐欺師
- セリの兄に詐欺行為をしたため北朝鮮へ高飛び込みする
- 北朝鮮で、偶然出会ったダンを気にするようになる
オ・マンソク / 役:チョ・チョルガン
- 北朝鮮人民軍の保衛部少佐
- ジョンリョルの兄の死に関係する男
- 犯罪に手を染めすぎて北朝鮮で処罰を受けるが脱走し韓国へ
【ネタバレ】『愛の不時着』あらすじ・感想
1人の女性を命懸けで守る古き良き男の究極の愛
不慮のパラグライダー事故で韓国から北朝鮮へ不時着してしまったセリを、命懸けで守り韓国へ無事に返す選択をした北朝鮮将校ジョンヒョク。
ジョンヒョクは、ただの軍人ではなく、父は北朝鮮政治局長であり、下手に動くとジョンヒョクの命はもちろん、父親や家族も危険にさらされてしまいます。
ですがジョンヒョク1人の女性を守るため、強大な組織を敵に回してまで戦うのです。
かとリーニョ
また、セリを演じたのがとびきり可愛いソン・イェジンだったのも、「お姫様セリと王子様ジョンヒョク」のような素敵な関係に見えて、好感度も上がったと思います。
さらに、この恋愛の主な舞台を北朝鮮にしたことで、「究極の愛の選択」も描けたのかもしれません。
普通でしたら絶対ありえない話、いやあってはいけない話です。
かとリーニョ
たとえ極秘で合おうとしても相当難しいはずです。
かとリーニョ
未だに緊迫している軍事境界線と、南北関係が含まれる内容であり、そこで起こる「究極の愛の選択」が、視聴者の心をつかんだのではないでしょうか?
軍事境界線を越える「もう一つの愛」
『愛の不時着』の前半は、とにかくジョンヒョクとセリの「究極の愛」一色だったのですが、ドラマ中盤からはセリは無事に韓国に戻りそれを追ってジョンヒョクが韓国へとやってきます。
そこでもジュンヒョクとセリのハラハラドキドキの恋愛は続くのですが、そこからもう一組の男女の「究極の愛」が生まれます。
韓国の若手起業家スンジュンと、北朝鮮の裕福な家庭に育ったミュージシャンのダン。
もともとダンは、ジョンヒョクの婚約者だったのですが、もともと乗り気でないジョンヒョクがさらに、突然現れたセリを好きになって彼女を追って韓国に行ってしまったことにショックを受け傷心していたのです。
そこへ現れるスンジュンの心休まる言葉がダンの気持ちを動かしますが、実は少し前からスンジュンのことは気になっていたのです。
ですがスンジュンは韓国でセリの兄に詐欺を働き北朝鮮へ逃げてきた身、なので韓国へ戻る決意をしダンに空港まで送迎してもらうことに。
もう二度と会えなくなる、それをわかっていてもスンジュンはダンに愛の証として指輪を授けます。
ここでも、38度線を超える究極の愛が生まれるわけですが、スンジュンを涙で見送ったダンが突然何者かに誘拐されてしまうのです。
セリの兄が刺客を送って、ダンを誘拐しスンジュンをおびき寄せるようにしむけたのです。
そして、この2人の愛は北朝鮮の地で終わってしまうことになります。
かとリーニョ
スンジュンがダンに伝える愛の言葉がとても美しく、感動の愛の行方が描かれていました。
リアルすぎて驚き!北朝鮮の撮影セットや生活風景
このドラマのもう一つの魅力は、ドラマ内で出てくる北朝鮮の撮影セットです。
ドラマ前半は、北朝鮮の田舎街の生活風景や首都平嬢の街並みが中心なのですが、とにかく「本当に北朝鮮で撮影した?」と思うくらいセットがリアルなところに驚きです。
北朝鮮の田舎街の場面では、電気は通っていますが停電があったり、ガスもなかったりと衝撃的な暮らしぶりが再現されていますが、このセットを作成するにあたりやはり脱北者の話なども参考にされていたようで、またこのドラマを見た脱北者は「60、70%は合っている」との感想だったようです。
かとリーニョ
かとリーニョ
『愛の不時着』は本当に見どころがたくさんありすぎて、書くことを迷ってしまいますが、この方たちはご紹介しておきたいと思っています。
ジョンヒョクが率いる第5中隊ピョ・チス、パク・クァンボム、キム・ジュモク、クム・ウンドンの4人!
とにかくジョンヒョクを心から尊敬し、信頼し、ジョンヒョクのどんだけ無理なお願いでもしっかり果たしてくれ、また突然現れたわがまま放題のセリに対しても、心温かく相手をしてくれる優しい部下たち。
中でも私の推しは、チスとジュモク。
チスは、わがままなセリとの言い争いますが、実は心優しい中年男子、ジュモクは韓国ドラマが大好きで、ハマっているドラマが『天国の階段』、そしてチェ・ジウの大ファンだという可愛い青年です。
ジョンヒョクがセリを心配し韓国へ向かった時、ジョンヒョクの父親から直々に連れ戻すよう任命されたのも、この4人の部下たち。
かとリーニョ
最後、軍事境界線を4人でまたぐシーンや、南での暮らしやセリのことが忘れられないシーンなど、本当はどちらで生活したいの?と、思わず聞きたくなってしまうほど。
かとリーニョ
主役以外のキャストもカメオも豪華!
主役のヒョンビンとソン・イェジンは美男美女、そしてその他のキャストもなんとも豪華なのですが、特に注目なのが先日アカデミー賞を受賞した映画『パラサイト 半地下の家族』にも出演していたチャン・ヘジンとパク・ミョンフンが、ダンの母役とおじ役で出演していることです!
『パラサイト 半地下の家族』をご覧になった方はお分かりかと思いますが、地下に住む強烈な印象の男を演じていたのがパク・ミョンフン。
かとリーニョ
同じく『パラサイト 半地下の家族』では、半地下家族の母親役を演じたチャン・ヘジンですが、今回はかなり髪型がゴージャスなので、こちらも一瞬気づかないかもしれません。
かとリーニョ
さらに印象的だったのが、北朝鮮の田舎街のアジュンマ(おばさん)たち。
かとリーニョ
でもとてもいい方々で、いつも笑わせてくれたり、時には一緒に戦ってくれたり守ってくれたりと、北朝鮮の田舎町のアジュンマたちもこんな感じなのかと思ってしまいます。
最後にセリがもう会えないアジュンマたちにそれぞれの似顔絵をパッケージにした化粧品を韓国で発売し感謝の気持ちを伝える場面での、アジュンマたちの温かい表情は印象的でした。
ラスト、38度線を超える「究極の愛」の結末は
セリが北朝鮮にいる間、彼女の存在を怪しんでいる人物がいました。
それは、ジュンヒョクの兄を殺害した疑いもある北朝鮮人民軍保衛部のチョ・チョルガン。
チョルガンは、もともと悪どい人物でしたが、ジョンヒョクたちの活躍でとうとうそれが上層部にばれて、処罰されるはずでした。
収容所に輸送途中に仲間に助けられ、もう一度ジョンヒョクをつぶそうとセリを追って韓国に侵入します。
その情報を仕入れたジョンヒョクもセリの危険を心配し韓国へ行き、さらにジョンヒョクの部下たちも後を追います。
韓国でジョンヒョクに会えるとは!と驚いたセリでしたが、それ以上にジョンヒョクの立場や状況を心配します。
かとリーニョ
セリは財閥の娘という権力を使うわけでもなく、国家情報院に心から協力しジョンヒョクのことも偽りなく話を告げ、無事にジョンヒョクと部下たちは北朝鮮へ帰還できることになります。
軍事境界線手前で降り立ったジョンヒョクと部下たちは次々に境界線をまたぎ始め、ジョンヒョクもまたいだ時に!まだ体の弱ってるセリが現れます。
かとリーニョ
2人の愛はハッピーエンドなのですが、結婚するのではなくスイスで「織姫と彦星」のように定期的に合うようになって、スイスの美しい風景と共に幕を閉じます。
なぜスイス?と思うのですが、実はジュンヒョクとセリは北朝鮮へ不時着して偶然出会ったのではなく、本当はスイスで「運命の出会い」をしていました。
なんとジョンヒョクがスイス旅行に行った時撮影されたカメラの中にセリが写っていたのです!
かとリーニョ
『愛の不時着』まとめ
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— Netflix Japan (@NetflixJP) May 6, 2020
『愛の不時着』の人気の要因は、やはりヒョンビン演じるジョンヒョクの古き良き王子様のようなキャラと、4人のコミカルな部下たちの存在が大きいのではないでしょうか?
さらに、ジョンヒョクとセリの美男美女カップルの恋愛模様も見どころですが、もう一つのダンとスンジュンのカップルの悲劇の愛も外せないと思います。
主役はもちろん、悪役のオ・マンシクや豪華カメオ陣、脇を盛り上げるアジュンマ役の方々など豪華で個性的なキャスト、そして主な舞台が北朝鮮であり38度線を超えるストーリーなども人気の秘訣だと思います。
なにげないセリフに、多くのメッセージが込められていたり、とにかく盛りだくさん。
何度見てもまたリピートしたくなり見終わるとロス感が半端ない非常に面白いドラマでした。