インディペンデント映画を多く配給し、近年大注目されている映画配給会社の「A24」。
劇場公開作品から、Netflixオリジナルまで、配給される新作はどれも面白く話題作ばかりです。
あの超話題作からオスカー受賞作まで、あれもこれも実はA24が配給しています。
まだ日本公開が決まったばかりの作品も含めて、今回は悩みに悩んでおすすめの10作をご紹介。
感動のオスカー受賞作から、気味が悪すぎて笑いが止まらないあの超話題作までそれではどうぞ!
目次
A24配給のおすすめ映画10選
『ミッドサマー』
- 明るい映像なのに背筋が凍る異色のホラー
- キャスト陣の演技が素晴らしい
日本でも超話題となったホラー映画『ミッドサマー』。
家族を不慮の事故で亡くし、彼氏とも別れる寸前のダニーが大学で民俗学を専攻する彼氏とその友達に誘われてスウェーデンの夏至祭に参加することから物語は始まります。
一行が到着すると村の人々は大歓迎してくれますが、だんだんと不穏な雰囲気が漂い始めます。
とにかく、これでもかと気味の悪さが続く映画です。
某洗剤のCMを思わせるような爽やかな雰囲気なのに、その中にずっと異様さがつきまといます。
ホラー映画といえば暗めの映像でさらに怖さが増すものが多いですが、『ミッドサマー』は終始ずっと明るいのです。
そしてあの衝撃的なラストカット。
ぼんぬ
『ヘレディタリー/継承』で一躍名の知れたアリ・アスター監督作品なだけあり、ホラー映画としては最高の出来になっています。
ストーリー、映像、そして登場人物たちの異様さの全てが完璧にマッチしてあるため、あの明るい夏の設定でも背筋の凍るホラーとして成り立っているのです。
ぼんぬ
また、出演するキャスト陣も最高な演技をしてくれています。
主演のフローレンス・ピューは『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』第92回のオスカーにノミネートされたことも記憶に新しいです。
ピューが演じるダニーがどんどん狂っていく様子は見事でしたし、さらに彼氏のクリスチャンを演じたジャック・レイナーも唖然とするような終盤のシーンを見事に演じきっていました。
ぼんぬ
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『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』
- ティモシー・シャラメが演じる冴えないティーンが魅力的
- 映像とストーリーのテンポの良さ
- コメディ要素も含めた2時間はあっという間
父親を亡くし、悲壮感漂う冴えないティーンのダニエル。
ひと夏を過ごすことになった叔母の家があるケープコッドで、地元では有名な不良のハンターと出会い、ドラッグディーラーの道へと突き進みます。
90年代のケープコッドを舞台に、冴えないティーンエイジャーのひと夏を描く甘く危険なクライム青春ドラマです。
主演を務めるのは『君の名前で僕を呼んで』で一躍トップスター入りを果たしたティモシー・シャラメ。
今後も話題作が続く彼ですが、人気爆発の前に主演を務めていたのがこの作品です。
ぼんぬ
また、デヴィッド・ボウイをはじめとした軽快なサウンドトラックに乗せてテンポ良く進むコメディ要素たっぷりのストーリーと映像も面白いです。
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『レディ・バード』
- グレタ・ガーウィグの初監督作品にしてオスカーノミネート作品
- 悩めるイタいティーンをシアーシャ・ローナンが熱演!
- 母と娘の関係性をうまく描いています
サクラメントに住む女子高生のクリスティンは絶賛反抗期。
自分のことをレディ・バードと呼び、田舎から抜け出すためNYCの大学へ進学することを企んでいます。
そんなレディ・バードに手を焼く母親のマリオン。
金銭的な理由で地元の大学に進学してほしいマリオンとレディ・バードは対立します。
ティーン時代にきっと誰もが経験したことのある家族や友達、ボーイフレンドとの葛藤を面白く描く青春ドラマです。
ぼんぬ
ユーモアたっぷりに描かれた母娘の関係性や、主人公クリスティンの自分や周りとの葛藤も見事にうまく描かれてありました。
思い通りに行かない現実と葛藤しつつ、1年をかけて成長していくクリスティンに感情移入せずにはいられませんでした。
グレタ・ガーウィグの監督としての手腕が素晴らしい作品です。
初監督作品でありながら、アカデミー監督賞にもノミネートされました。
批評サイトのRotten Tomatoでは批評家レビューが満足度97%と、『レディ・バード』の評判の高さがうかがえます。
オスカーノミネートも納得のシアーシャ・ローナンの演技も見事です。
ぼんぬ
また、母と娘の関係性をグレタはきっちりと描いてくれています。
娘にとっては最大の敵でありながら、最大の理解者である母親という存在。
敵対している時には気づけないのですが、離れてみるとその偉大さが身にしみて分かります。
ぼんぬ
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『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』
- 子ども目線で描かれたアメリカの社会問題が浮き彫りにされている
- ひたすらポップで明るい映像の数々
フロリダのディズニーワールド近くのモーテル「マジック・キャッスル」でシングルマザーのヘイリーと共に暮らすムーニー。
彼女にとってモーテル周辺は全てが遊び場で、ディズニーを訪れた観光客たちにアイスをせがんだりと、毎日が冒険で新しいことばかりです。
そんなムーニーの日常は、あることがきっかけでだんだんと陰りを見せ始め…。
アメリカの富と貧困を子ども目線で描いた傑作です。
ぼんぬ
フロリダの青い空の下で繰り広げられる子どもたちの世界は、全てがカラフルで新鮮で楽しいものであるはずなのに、ちらつくのは貧困の影。
世界中から観光客が訪れるディズニーワールドの真裏で対照的に描かれる貧困層は、アメリカの貧富の差を見事に描いてありました。
社会問題をテーマにしていながら暗い気持ちにならずに済むのは、全編に渡って子ども目線のアングルかつカラフルなシネマトグラフィーにあります。
子ども目線の空は青くて高く、ディズニーワールド近くのモーテル付近にはさながらテーマパークのような建物が立ち並んでいます。
ポップな映像と、ムーニーをはじめとした子どもたちの無邪気さを演出するようなカラフルな衣装も『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』の素敵な見どころです。
メガホンを取ったのはショーン・ベイカー。
全編をiPhoneで撮影した『タンジェリン』で名の知られるようになった監督です。
『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』でもラストカットでその手法を用いています。
そしてこのラストカットですが、公開当時は賛否両論あった模様。
ぼんぬ
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『ルーム』
- 実際の監禁事件を元にした感動の実話
- 母親役を演じたブリー・ラーソンが素晴らしい
実際に起こった少女誘拐事件を元にした感動の実話です。
10代の頃に誘拐・強姦され、犯人の子どもを産んでもなお地下に監禁されていた女性・ジョイ。
5歳になる息子のジャックは外の世界を知らずにその小さな部屋で育ちます。
ある日、ジョイはジャックに外の世界があることを教え、監禁生活から抜け出そうと計画。
ジャックは言われた通りにミッションをやり遂げ、ジョイは晴れて7年に及ぶ監禁から脱出しますが、そこに待っていたのは思いもしない現実でした。
もし自分が監禁されてもジョイのように強くいれるだろうか、と思わずにはいられない作品です。
誘拐そして強姦され1人で出産し、暴力にも耐え、息子といえど犯人との子どもであるジャックを愛する母親でもあるジョイ。
ぼんぬ
フィクションに思えるようなこのストーリー。
実際の事件である「フリッツル事件」を元にした小説を映画化しています。
ぼんぬ
主演のブリー・ラーソンと、息子役のジェイコブ・トレンブレイの息のあった演技も見どころの一つの『ルーム』。
強く生きていこうと頑張るジョイを見事に体現した素晴らしい演技力は大絶賛され、ブリーはこの役でアカデミー賞主演女優賞も受賞しました。
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『エクス・マキナ』
- 本当に起こり得そうな人間とAIのストーリー設定
- アリシア・ヴィキャンデルの人間離れしたロボットの演技
- 最初から最後まで目が離せないSFスリラーで面白い
イギリス映画『わたしを離さないで』の脚本を担当したアレックス・ガーランドの初監督作品である『エクス・マキナ』。
サーチエンジンの会社でプログラマーとして働くケイレブが、社内コンテストで優勝しCEOの別荘へと1週間の滞在をすることから話は始まります。
CEOであるナーザンはAIを使用した女性ロボットのAvaを開発しており、ケイレブは実証実験のために招待されたのでした。
しかし、開発に携わるうちにAvaに惹かれ始めたケイレブ。
人間とAIの恋愛を描くSFサイコスリラーです。
今や誰もが知っているAI(人工知能)ですが、『エクス・マキナ』鑑賞後は本当にこんな未来が近いうちに起こり得るのではないかと背筋が凍ります。
ぼんぬ
人工知能をテーマにした映画はこれまでにも数多く作られてきました。
スピルバーグ作品の『A.I.』は思いっきりタイトルがAIですし、近年話題になったスパイク・ジョーンズ監督の『her/世界でひとつの彼女』もAIと人間の恋愛を描いた作品です。
しかし、『エクス・マキナ』にはそんな感動ストーリーは皆無。ほぼ人型のロボットと人間の恋愛なのですが、ストーリーは予期せぬ方向へと転がっていきます。
そのAIロボット・Avaを演じるのはスウェーデンが生んだ超人気ハリウッド女優のアリシア・ヴィキャンデル。
10代の頃まではバレリーナを目指していたこともあり、まるで本物のロボットのような動きも難なく演じています。
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『ムーンライト』
- とにかく素晴らしい映像美
- アカデミー賞で作品賞を受賞
主人公シャロンの幼少期、少年期、そして青年期の3部作で構成されたストーリーです。
黒人のLGBTをテーマに、ドラッグや貧困といった題材と映像美で大絶賛されました。
虐待を受けながら育つアフリカンアメリカンのシャロン。
ドラッグディーラーのフアンに出会い、「人生は自分で切り開くしかない」と教えられます。
1人の少年を通して描かれる愛の物語です。
ぼんぬ
ストーリーはもちろんのこと、さらに注目したいのがその映像美です。
カラーリストによりフィルムに色付けされているため、鮮やかで他の映画ではなかなか見ることのできない映像になっています。
ぼんぬ
また、黒人のLGBTをテーマとしたストーリーに加え、さらに貧困問題などもテーマになっている『ムーンライト』。
黒人を取り巻く環境を繊細に描き出したストーリーは各方面から大絶賛され、その年のアカデミー賞で作品賞を受賞しました。
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『アンダー・ザ・シルバーレイク』
- ちょっと不思議なストーリーが面白い
- カラフルで可愛い登場人物たち
- アンドリュー・ガーフィールドの演技が最高
ロサンゼルスでぶらぶら暮らす主人公・サムが出会った美女が、突然の失踪。
残された手掛かりを追っていくと都市伝説にまつわる様々な秘密が明らかになり、サムは真相の解明に取りつかれていきます。
これは主人公の妄想なのか、それとも現実なのか。
ちょっと不思議で気持ち悪いコメディです。
アンドリュー・ガーフィールドの新境地。
これぞまさしくインディペンデントな映画です。
ロスのカラっとした天気と登場人物たちのカラフルな衣装などは『ラ・ラ・ランド』っぽさもありますが、ストーリーは良い意味で意味不明で笑えます。
ぼんぬ
カラフルな映像やキャラクターたちの不思議な感じが魅力の作品です。
ぼんぬ
アンドリュー・ガーフィールドはこんな役も演じれるのかと驚かされます。
彼のコミカルな演技がさらに作品に魅力を与えています。
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『ヤング・アダルト・ニューヨーク』
- ノア・バームバックの描くヒューマンコメディ
- ベン・スティラーをはじめとした豪華キャスト陣
ニューヨークに住む中年夫婦のジョシュとコーネリア。
キャリアも結婚生活にも行き詰まりを感じている2人が、ある日ジェイミーとダービーの若夫婦に出会うことで少しずつエネルギーを取り戻していきます。
ノア・バームバック監督が描く最高のコメディドラマです。
ミドルエイジクライシスを題材にしたクスっと笑えるヒューマンドラマ。
2019年は『マリッジ・ストーリー』が話題となったノア・バームバックの作品とあって、人間関係の描き方が最高に素晴らしい作品となっています。
ストーリーのみならず、セリフもテンポ良く進む作品なので、あっという間に見終わってしまいます。
ぼんぬ
また、キャスト陣も豪華。
ベン・スティラーとナオミ・ワッツが中年夫婦を演じています。
さらに、彼らが出会う夫婦役にアダム・ドライバーとアマンダ・セイフリッドという贅沢さ。
キーパーソンとなるアダムの演技も注目です。
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『mid90s ミッドナインティーズ』
- ジョナ・ヒル初監督作品にして高評価
- 90年代LAのカルチャーが最高
- サウンドトラックも楽しめる
コメディ俳優としても人気のジョナ・ヒルによる初監督作品です。
90年代半ばのロサンゼルスに暮らす13歳のスティーブ。
家庭に問題がある彼は、スケートショップで知り合った新しい友人たちと過ごすようになります。
初めてできた仲間たちとの日常を描く青春ドラマです。
ジョナ・ヒルの初監督作品とは思えないほど、ストーリー、映像、音楽の全てが最高な1本です。
ルーカス・ヘッジズ出演作にハズレ無しは、『mid90s ミッドナインティーズ』でも証明されました。
ぼんぬ
90年代のLAカルチャーを楽しみたい人にはおすすめの1本です。
ジョナ・ヒルの自伝ではないですが、彼自身も90年代はLAでスケボーとヒップホップのカルチャーにどっぷり浸っていたので、その経験は大いに作品に反映されています。
音楽を担当したのは、アメリカのロックバンド「Nine Inch Nails」のフロントマンであるトレント・レズナー。
彼が映画のために書き下ろした曲も含め、サウンドトラックもどっぷり90年代のものばかりです。
ビースティボーイズ、ピクシーズやウータン・クラン、さらにはモリッシーまで当時を代表するバンドや曲が詰め込まれています。
また、カルチャーだけでなくそのストーリーももちろんこの作品の魅力の一つです。
ぼんぬ
単なる青春映画というだけではないのも、『mid90s ミッドナインティーズ』の魅力です。
A24配給のおすすめ映画10選
皆さん、9月に会いましょう❗️#ジョナ・ヒル 初監督作✖️#A24 完全製作
『#mid90s ミッドナインティーズ』公開決定☀️
公式Twitterアカウントはこちら。
フォロー・ミー❗️9月4日(FRI) 新宿ピカデリー、渋谷ホワイト シネクイントほか全国ロードショー🛹 pic.twitter.com/oxbgymEj72
— 映画『mid90s ミッドナインティーズ』9月4日(金)全国ロードショー! (@mid90s_jp) March 31, 2020
設立して間もない配給会社であるながら快進撃をつづけるA24。
今回は10作を厳選してみましたが、配給するのは他にも一見の価値ある映画ばかりです。
日本でもようやく2020年9月4日に公開の決まった『mid90s ミッドナインティーズ』も期待通りの作品となっています。
インディペンデント系では抜きん出ているA24から今後も目が離せません。