2020年9月20日、第72回プライムタイムエミー賞が開催されました。
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というわけで今回は、プライムタイムエミー賞の中でも海外ドラマの傑作に贈られる作品賞に選ばれた3作品にクローズアップしたいと思います。
3作品のあらすじや見どころ、それぞれのドラマで男優賞、女優賞を受賞した俳優についてもまとめましたので、ぜひご参考にしてみて下さいね!
ドラマ部門:『サクセッション』
コメディ部門:『シッツ・クリーク』
リミテッドシリーズ部門:『ウォッチメン』
目次
エミー賞2020ドラマ部門作品賞:『サクセッション』
『サクセッション』あらすじ・見どころ
メディア王ローガン・ロイの後継者をめぐる親族の骨肉の争いを描いたドラマ 『サクセッション』。
一代で巨大メディア企業ウェイスター・ロイコを築き上げ、不動の地位と財力を欲しいままにしていたローガン・ロイは高齢のため引退の意思を表明していました。
後継者に内定していたのは次男のケンダルでしたが、その内定に「待った」がかかったその日、ローガンは病に倒れることに。
ローガン不在により会社の株価は大暴落を始め、ケンダルが代理CEOとして会社を立て直そうとする矢先、これまで会社には一切興味を示さなかった兄弟親族たちが不穏な動きを始めるのです。
そして病に倒れていたローガン本人も、権力に追いすがるかのように立ち上がります。
地位や名誉を欲しているのと同時に、これらを“継承”する者とはローガンから一番の寵愛を受けていることの証明に。
汚い権力争いは、父の愛を奪い合う争奪戦とも言えます。
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シーズン2からは、ジェシー・アームストロング、アダム・マッケイ、ウィル・フェレルなどのコメディ脚本家たちが製作総指揮を執り、熾烈な権力争いがよりコミカルに、よりテンポアップされ爆速で面白くなっていきます。
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合計18部門ノミネート、7部門の受賞で大健闘!
これまで『ゲーム・オブ・スローンズ』『ウエストワールド』などで数々の受賞歴があり、今やテレビ界の圧倒的王者となったHBOの次の看板ドラマと呼び声高い 『サクセッション』。
『オザークへようこそ』、『ベター・コール・ソウル』、『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』、『キリング・イヴ』などの強豪を退け、2020年度のエミー賞ドラマ部門の作品賞を受賞しました。
また主演俳優賞には、『オザークへようこそ』のジェイソン・ベイトマン、『ポーズ』のビリー・ポーター、『THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから』のスターリング・K・ブラウンなどがノミネート。
『サクセッション』からも、メディア王ローガン・ロイ役のブライアン・コックスと、次男ケンダル役のジェレミー・ストロングがノミネートされ、ジェレミー・ストロングが主演男優賞を受賞しました。
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さらにシーズン2で登場するナン・ピアーズ役のチェリー・ジョーンズもゲスト女優賞を受賞。
その他にも監督賞、脚本賞、キャスティング賞などの計7部門を受賞しました。
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エミー賞2020コメディ部門作品賞:『シッツ・クリーク』
『シッツ・クリーク』あらすじ・見どころ
レンタルビデオチェーンで成功を納め、莫大な富を気付いたローズ家。
しかし、会社内で裏切りに遭い突然破産、家や宝石などの財産は全て没収され、住む場所も無くしてしまいます。
一家がたどり着いた先は、昔ジョニーが息子へのドッキリで買った田舎町シッツ・クリーク。
これまでのセレブな暮らしから一転、場末のモーテルで暮らすハメになってしまいます。
町を売ってお金を手に入れようと試みますが、シッツ・クリークは国から“価値なし”と見捨てられた町だった!ということで、町の価値アップのため奮闘を始めます。
意地でもセレブ感を失わない母モイラの日々のファッションや、さらに実の親子ユージン・レヴィとダン・レヴィがシーズンを重ねるごとにますます似てくるところなども、ぜひ注目してご覧になってみて下さい。
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ローズ家の全員が男優賞・女優賞を受賞する快挙で有終の美を飾る
2020年ファイナルとなるシーズン6が公開された『シッツ・クリーク』ですが、『マーベラス・ミセス・メイゼル』、『グッド・プレイス』、『インセキュア』、『コミンスキー・メゾット』など8作品の中から作品賞に選ばれました。
さらに、俳優賞や監督賞、脚本賞などコメディ部門の主要部門を独占受賞するという快挙を成し遂げ、有終の美を飾りました。
ローズ家の父ジョニー・ローズ役のユージン・レヴィが主演男優賞を受賞。
エミー賞は1983年以来、3度目の受賞になりました。
本作は、息子のダン・レヴィと親子共演、さらには親子で企画プロデュースを務めた作品です。
妻モイラを演じたキャスリン・オハラも主演女優賞。
『ホーム・アローン』のケビンの母役で有名ですが、その後もコメディを中心とした作品でキャリアを積んでいます。
さらにローズ家の長男デヴィッド演じるダン・レヴィが助演俳優賞を受賞。
製作総指揮を手掛けたダン・レヴィは監督賞、脚本賞も受賞しました。
アレクシス役のアニー・マーフィーも助演女優賞を受賞しました。
本作でブレイクしたアニー・マーフィーは、アメリカのダークコメディドラマの新シリーズ『Kevin Can F*** Himself(原題)』への出演が決定しています。
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エミー賞2020リミテッドシリーズ部門作品賞:『ウォッチメン』
『ウォッチメン』あらすじ・見どころ
HBOがアメコミを手掛けるとこうなる!というのを示した海外ドラマ版『ウォッチメン』は、原作がドラマ化されたものではなく、原作の34年後を描く続編作品です。
2019年、オクラホマ州タルサの刑事アンジェラ・エイバーは署長のジャッド・クロフォード等と共に白人至上主義団体、第7騎兵隊の壊滅を目指していました。
しかしある人物の突然の死を突きつけられたアンジェラは、その死により自分の出生やタルサの秘密に足を踏み入れていきます。
『ウォッチメン』に登場するヒーローとは、空を飛んだり、目から光線出したりするようなものではなく、覆面をしている普通の人間。
アンジェラもまた黒い覆面を被り“シスター・ナイト”として活動するヒーローのひとりです。
本作のテーマとなっている「人種差別問題」を実際に起きた事件「タルサ暴動」と絡め、それを「ヒーローがマスクをしなければならない理由」とした歴史変革は、見事。
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しかし、第6話以降の伏線回収パートからラストまでは天井知らずでグングン面白くなっていくので、勇気を持ってぜひ!
完走後に「おかわり」することで、さらに世界観に踏み込めるとの声も多いようです。
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原作や映画を見なくても楽しめる作品と評されていることもありますが、やはり少し予習は必要かと思います。
「気になって見始めたけど、よく意味が分からない!」とお困りの方は、ネタバレなしの解説を読んで再トライしてみて下さい。
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最多26部門にノミネート、作品賞・主演女優賞を含む11部門を受賞!
2020年度のリミテッドシリーズは『ウォッチメン』、『アンビリーバブル たった1つの真実』、『アンオーソドックス』、『ミセス・アメリカ』、『リトル・ファイアー 彼女たちの秘密』がノミネート。
その中で、HBOの『ウォッチメン』が作品賞に輝き、その他主演女優賞を含む2020年度最多の26部門にノミネートされ、11部門を受賞しました。
また、2020年のエミー賞には黒人俳優が過去最多でノミネートされた年になりましたが、それは本作の活躍によるものが大きいのではないでしょうか。
本作で主人公アンジェラ・エイバー役を務めたレジーナ・キング。
イケメンの夫に可愛い3人の子供と幸せに暮らす母親の姿と、“シスター・ナイト”として黒衣に身を包み悪と戦う正反対の姿を演じ、見事主演女優賞を受賞しました。
2018年のエミー賞でもNetflixオリジナル作品『運命の7秒』で白人警官に息子をひき殺された母親・ラトリス・バトラー役で主演女優賞を受賞したのが記憶に新しいですが、またもアメリカの根深い人種差別問題を題材にした作品での受賞となりました。
さらに同年、『ビール・ストリートの恋人たち』のゴールデングローブ賞助演女優賞も受賞するなど、近年の活躍でキャリアに拍車がかかっています。
助演男優賞には『ウォッチメン』だけでも、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、ジョヴァン・アデポ、謎の車いすの男ウィルを演じたルイス・ゴセット・ジュニアの3名がノミネートされていましたが、アンジェラの夫、カルヴィン(カル)・エイバー役のヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世が助演男優賞を受賞。
その他にも、脚本賞、衣装賞、撮影賞、オリジナル楽曲賞などを含む合計11部門受賞しました。
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2020年(第72回)エミー賞を受賞した海外ドラマ3作品のあらすじ・見どころまとめ
- 『サクセッション』
- 『シッツ・クリーク』
- 『ウォッチメン』
ロサンゼルスにあるマイクロソフトシアターで開催されるエミー賞授賞式ですが、2020年は新型コロナ感染拡大防止のため、マイクロソフトシアターから中継で受賞者に結果が発表されるという、史上初のリモート表彰式となりました。
2020年度の最も優秀な作品として賞された3作品は、海外ドラマファンならずともぜひともおすすめしたい作品です。
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残念ながら受賞を逃したノミネート作品には、メディア業界にはびこるセクハラ問題を暴く『ザ・モーニングショー』や、社会と切り離されたコミュニティで厳格な掟に縛られて生きるユダヤ教の女性が自由を求める『アンオーソドックス』など、女性が現代の社会問題と立ち向かう姿を描く作品も多く見受けられました。
ノミネート作品にはシリーズ更新が決定している作品も多いので、2021年以降の受賞に期待したいところですね。
第72回エミー賞の模様はU-NEXTとHuluにて配信中です。