『秒速5センチメートル』は、『君の名は。』で一世を風靡した新海誠監督によるアニメーション映画の第三弾にあたる作品です。
実は今作、コアなファンの間では『君の名は。』以上の“最高傑作”と評されています。
その人気からノベライズ化や漫画化もされており、メディアミックスにも成功しています。
- 登場人物の恋愛を彩る優しく切ないBGMが素晴らしい。絵と音楽のマッチングが見事。
- 主人公・遠野貴樹と幼馴染・篠原明里の美しい初恋の思い出に優しい涙がこぼれる。
- 観る人によって評価が大きく変わってくる印象的なラストシーンに注目。
忘れていた初恋の甘酸っぱさや青春時代の恋心を思い出して懐かしい気持ちになれる作品でした。
大人向けのほろ苦いラブストーリーは必見です。
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目次
『秒速5センチメートル』作品情報
作品名 | 秒速5センチメートル |
公開日 | 2007年3月3日 |
上映時間 | 63分 |
監督 | 新海誠 |
脚本 | 新海誠 |
出演者(声優) | 水橋研二 近藤好美 尾上綾華 花村怜美 水野理紗 寺崎裕香 |
音楽 | 天門 |
『秒速5センチメートル』あらすじ・感想【ネタバレなし】
恋の素晴らしさとつらさ、その両方を巧みに描いた心に残る作品
みなさんは、ご自身の初恋の思い出は覚えているでしょうか。
私は、この作品を観るまですっかり失念してしまっていたのですが、視聴後にはどこか懐かしい初恋の甘酸っぱさやほろ苦さが不思議と蘇ってきました。
新海監督の作品に共通している等身大の若者を描く作風が、視聴者に共感と感情移入を生んでいるからこそ、なせる業なのだと感心してしまいました。
感受性に個人差はあると思いますが、男性でも女性でも比較的自己投影がしやすく、世界観には入り込みやすい作品である印象を受けました。
心に刻まれた美しい恋の思い出に縛られ苦しむ主人公の葛藤は、誰しもが一度は経験したことのあるつらさだと思います。
そんな人間が持つある種のトラウマのようなものを包み隠さず表現し、リアリティーを追求した新海監督は本当に素晴らしかったと思います。
キレイごとだけを並べた空想のような恋物語では得られない、視聴後の余韻にぜひ浸っていただきたいです。
主人公・遠野貴樹と幼馴染・篠原明里の感動の再会シーンに胸が熱くなる
本作『秒速5センチメートル』の大きな見どころのひとつは、小学校卒業後に離別してしまった二人の再会シーンです。
大雪が原因で約束の時間に4時間以上も遅れてしまった主人公の貴樹は、駅の待合室で待ち続けてくれていた幼馴染を見つけた瞬間に泣き崩れてしまいます。
好きな女の子が雪の降る寒い中で4時間も自分を待っていてくれた嬉しさを想像すると、こみ上げてくるものがありました。
待つ方も待たされる方もとても苦しかったと思います。
知らない街の知らない電車の中で、たったひとり彼女の元にたどり着くのを待つことしかできない貴樹の不安は想像に難くないです。
そのような遠く離れた恋人に会いに行く期待感と不安感が見事に描かれていました。
私自身も遠距離恋愛をしたことがあり、似たような体験もしたことがあったので非常に感情移入してしまいました。
昨今では、インターネットの普及やSNSサービスの発達で、遠距離恋愛をするカップルも増えてきているように感じます。
私のようにこのシーンで胸が熱くなる方も多いのではないでしょうか。
優しいメロディーが作品を包み込む。秀逸なBGMに酔いしれること間違いなし。
『秒速5センチメートル』の音楽を担当した天門さんは、過去作品でも新海監督と度々タッグを組み、その手腕を発揮されています。
新海監督からの信頼も厚く、優秀なメロディーメーカーとして実力を認めてられています。
そんな門さんが生み出すメロディーは、本作でも非常に存在感を放っていました。
登場人物たちの恋愛模様を、より一層鮮やかに彩る優しくも奥深い音色は本当に見事でした。
私は、いまでもBGMを聞くだけでそのシーンが鮮明に蘇ってくるほどメロディーが印象に残っています。
ストーリーや作画だけでなく音楽にまで強いこだわりを感じられる作品でした。
美しい風景描写は健在。
新海監督の映画では定評のある風景描写ですが、今回も多分に漏れず素晴らしかったです。
新海監督のこだわりは徹底していて、作画の前段階で風景を描くために、なんと10,000枚以上の写真を撮影して製作に臨むようです。
このような妥協を許さないプロ意識が、日常から切り抜いたような美しい風景を生み出しているのだと思います。
また、今回特に素晴らしいと感じたのが電車やバイクの作画です。
線路を走る電車の中の手すりがかすかに揺れている描写や、バイクのアイドリングなど本当に細かい部分まで現実に近い再現をされていました。
本作では、物語の重要なシーンでも何度も乗り物が登場するので注目してみてください。
賛否両論。あなたはラストシーンをどのように捉えますか?
本作『秒速5センチメートル』のラストシーンに対しては、視聴者の間では意見が大きく割れています。
物語の結末に本気で落ち込んでしまい、軽い鬱のようになってしまう人もいれば、心が浄化されるような気分になる人もいるという、その人の持つ価値観で大きく感じ方が異なってくるようなラストを迎えます。
個人的な見解ですが、私は胸が締め付けられる想いこそしましたが、今を大切に生きようと思える。
そんな後味が良いラストだったと感じました。
どのような結末を迎えるかは、ぜひご自身の目でご覧になっていただきたいです。
素晴らしい映画のネタバレをするのは、どうにももったいない気がしてしまいます。
上映時間も約60分とコンパクトなため、まとまった時間が取りにくい方でも気軽に手に取っていただきたいです。
『秒速5センチメートル』まとめ
秒速5センチメートルは泣いたなぁ。
オススメ作品です。 pic.twitter.com/dbmcaRJRue— 胸キュン☆気分で青春Bot (@munekyunseisyun) 2019年3月9日
以上、ここまで『秒速5センチメートル』について感想を述べさせていただきました。
ぜひ、本編にてラストシーンを見てもらいたいです。
きっと見た人であれば、本作のラストシーンについては議論が止まらないでしょうから(笑)
- 登場人物たちの切ない恋愛模様を巧みに描かれた感動作
- 美しい作画と優しく耳に残るメロディーの調和が見事の一言
- 考えさせられるラストシーンは必見
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