『3月のライオン』第1期の声優・キャラ・ネタバレ感想・動画情報まとめ!NHKが誇る文句なしの名作

アニメ『3月のライオン』第1期の声優・キャラ・ネタバレ感想・動画情報まとめ!

出典:dアニメストア

『3月のライオン』は、将棋に人生をかけたプロ棋士という職業を通して描かれる、人間ドラマです。

羽海野チカさんの同名漫画が原作で、実写映画化もされている、かなり知名度の高い作品です。

第1期では、幼少期に父母と死別し、孤独で殻に閉じ困っている少年・桐山零が、優しい人たちとの触れ合いの中で、徐々に自分を取り戻していく話が中心となりますす。

ポイント
  • 棋士の世界がよくわかる
  • NHKアニメ
  • 自分と向き合う文学的な雰囲気

この批評・感想は、第1話~第22話の第1期を対象としています。

『3月のライオン』第1期の作品情報

『3月のライオン』

(C)羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会

作品名 3月のライオン 第1期
放送年 2016年10月〜2017年3月
話数 全22話
原作 羽海野チカ
監督 新房昭之
声優 河西健吾
茅野愛衣
花澤香菜
久野美咲
千葉繁
根谷美智子
音楽 橋本由香利

『3月のライオン』第1期の声優・キャラクター紹介

桐山 零きりやま れい(声優:河西健吾、内山夕実(幼少期))

  • 史上5人目となる中学生プロ棋士で、本作の主人公
  • 物語開始時点で17歳で、 1年遅れで私立駒橋高校へ編入し通学している
  • 東京都内にある架空の町、六月町に独りで暮らし中

川本 あかりかわもと あかり(声優:茅野愛衣)

  • 川本家の長女で23歳
  • 妹たちの面倒を見ながら、和菓子屋の手伝いとホステスを務める苦労人
  • 銀座では評判の美人で、常連客である棋士たちにもファンが多い
  • 母親を思わせる服装や口調などが多く、痩せている生き物を放っておけない

川本 ひなたかわもと ひなた(声優:花澤香菜)

  • 川本家の次女で、初登場時は中学2年生
  • 「ひな」「ひなちゃん」と呼ばれる場合が多い
  • 妹の面倒や祖父の店、家事手伝いをこなすしっかり者で、気配り上手な心優しい性格
  • 零いわく元気になったりしょんぼりしたり怒ったり、あらゆる意味で「活発」な女の子

川本 モモかわもと もも(声優:久野美咲)

  • 川本家の三女の保育園に通う園児
  • 天真爛漫で、祖父や桐山、姉たちに素直に甘えられる
  • 作中に登場するアニメのキャラクター「ボドロ」に体型が似ている二海堂に懐いている

島田 開しまだ かい(声優:三木眞一郎)

  • 30代後半で、宗谷 冬司そうや とうじと同じ年齢、奨励会の同期
  • 痩身で頭髪が薄いこともあって40代に見られている胃痛持ち
  • 二海堂の兄弟子で、二海堂とはお互いに「坊」「兄者」と呼び合う仲の良さ
  • 過疎化の進む村の出身で、果実の収穫や酪農などを手伝って奨励会への交通費を稼ぎ、棋士となった苦労人

二海堂 晴信にかいどう はるのぶ(声優:岡本信彦、三瓶由布子(小学生))

  • 零とは幼少期から子供将棋で対局を重ね、「心友」かつ「終生のライバル」を自称している
  • 島田の弟弟子で、島田の研究会に所属している居飛車党
  • 良家の子息だが、幼いころから腎臓を患っている影響でふくよかな体型をしている

幸田 香子こうだ きょうこ(声優:井上麻里奈)

  • 本作におけるアンチヒロインで、零より4歳年上の義姉
  • 容姿に恵まれ、人を惹きつけるカリスマ性を持っているが、激情型の性格
  • 奨励会に所属していたが、零に勝てないため、父に辞めさせられた
  • 父の愛情を奪った零に対しては、辛辣な態度で接している

【ネタバレ】『3月のライオン』第1期あらすじと感想レビュー


二つの軸

『3月のライオン』は、「プロ棋士の世界」と「人生に迷った少年を支える優しい人たち」の二つの軸で描かれています。

片方の物語が進行しているときには、もう片方の物語は描かれないため、どちらかを見たい人にとっては、じれったく感じるかもしれません。

話数が長く、片方の話が全く進まないことも多いので。

勝ち負けのある職業の残酷さ

あらゆる職業で、ある程度の競争はあると思いますが、プロスポーツなどの勝負事の世界はより顕著です。

棋士のように個人競技であれば、1vs1の勝負で、明確に白黒をつけなければいけません。

  • 父母と死別した自分を養ってくれた義父・幸田
  • 体調の悪そうな幼馴染・二階堂
  • 負けたら引退しかねない棋士歴40年、65歳の現役棋士・松永
  • 離婚することが決まっており、家族で過ごす最後のクリスマスに対局する安井

養父だろうと、負けたら引退しかねない者だろうと、体の具合が悪い者だろうと、関係ありません。

零が高校生で一人暮らしをするための稼ぎを得るには、この道しかないのです。

強い方が勝ち、勝った者が上へ行く。

SU_BU

残酷な世界だからこそ、人生をかけているからこそ、ドラマが生まれるんですよね。

零はこのように残酷で厳しい棋士という職業を生活のために選んだのであって、あまり好んではいませんでした。

「気が遠くなりそうな日々を、必死で指して、指して。ただ、指し続けているうちに、ある日ふと、同じ光の差す方に向かう人たちと一緒に旅をしていることに気づいた」

零は、棋士はみんな同じように将棋の高みを目指す仲間なのだと気づき、第1期は幕を下ろします。

生きるために差していた将棋が、少し好きになったんじゃないでしょうか。

優しい美人三姉妹

行き倒れていたところを、川本あかりに拾われた縁から、美人三姉妹の家にお世話にっている零。

  • 近所で評判の美人で世話好き「あかり」
  • 元気で明るく素直な頑張り屋「ひなた」
  • かわいい幼女「モモ」

川本家は家庭環境に恵まれていないけど、だからこそみんな助け合っていて、人に頼ることの大切さを分かっています。

銀座でスナックを営む叔母に、老舗の和菓子屋の主人である祖父と、酸いも甘いも分かっている家族が近場にいるのも心強いです。

そんな最高の居場所を見つけた零。

SU_BU

うーむ、まさに天国…。羨ましい…。

始めはよそよそしかった零が、病気で寝込んだ時に看病してもらったり、モモを幼稚園に迎えに行ったりして、川本家に徐々に馴染んでいきます。

零の歩みが本当にゆっくりなのに、急にやってきた二階堂があっさりと川本家の人たちと馴染んだのは面白かったですね。

モモの声

美人三姉妹の一番下の女の子・川本モモ。

幼稚園児なのですが、この声を成人女性が当てているという衝撃の事実。

アニメっぽい幼女声と、リアル寄りの子供の声の、ちょうど中間のような不思議な声。

これはもう、声の才能としか言いようがないです。

SU_BU

分かっていましたが、久野美咲さんの凄さを改めて実感しました。

香子と後藤

第1期での香子とその想い人である後藤正宗の立ち位置は、「プロ棋士の世界」と「人生に迷った少年を支える優しい人たち」の二つの軸にまたがったうえで、明確な「敵」として描かれているので、かなり嫌悪感を抱きました。

SU_BU

第1期では着地点もないですし、零に感情移入するよりは、ある程度は俯瞰的に物語を見ていないとイライラするかもしれませんね。

詩的なモノローグ

「一手一手素手で殴っているような感触がした。殴った肌の温かさまで生々しく残っているような気がする」

「泣いてる彼女と泣かない僕と、2人並んで見上げる美しい、ただただ美しい7月の夜空」

このように、零の内面はモノローグによって詩的に表現されるケースが多いです。

普通に聞くとちょっと恥ずかしい詩ですが、これらの詩に至る物語があり、それらを通して聞けば感動できると思います。

SU_BU

これらの詩を詠んでいるときのアニメーションは、本当に幻想的で、まるで書き込まれた絵本を見ているようでした。

島田開

第13話から第22話までの物語で、話の中心にいるのは桐山零ではなく、島田開です。

零との対局もありますが、島田という人間の深掘りと、作中最強の棋士である宗谷冬司との対局がメインです。

島田は、過疎化の進んだ老人ばかりの村の出身で、村のためにみんなで集まれる将棋倶楽部を作り、村で作った食べ物を道の駅に卸す段取りをつけたりと、村のために一生懸命です。

楽しそうに将棋を指すご老人たちを見ていると、島田がこの人たちを守りたいと思う気持ちがよくわかりました。

優しくて、面倒見が良くて、胃痛持ちだが、将棋は強い。

SU_BU

いいキャラですね。それにしても、三木眞一郎さんの声は、『幼女戦記』のレルゲンといい、胃の痛そうなキャラが似合いますねえ。

林田高志

零の高校の担任だった 林田高志。

プロ棋士で一人暮らしという難しい立場の零を、教師という立場から気楽にユーモラスに、それでいて正しく導いていきます。

生徒との距離を見極め、付かず離れずで、必要とあらば覚悟を決める。

現代の教師の理想像かもしれないです。

SU_BU

林田先生は、櫻井孝宏さんが演じられています。数々の役をこなしてこられた櫻井さんですが、個人的に最近はこのくらいの年齢と声の感じが一番しっくりきます。

櫻井さんの演技もあって、林田先生は『3月のライオン』の中で一番好きなキャラになりました。

口の形は気になる

端が膨らんだ、幅のある黒の線。

SU_BU

簡単に言うとこれなのですが、独特ですね。

もちろんこれは、『3月のライオン』の原作者である羽海野チカさんの画風通りなのですが、アニメーションになると違和感がありますね。

ずっと見ていると、唇として描いているのか、デフォルメされた口として描いているのか、よく分からなくなる感じです。

視聴を続けるうちに慣れてくるかと思っていたのですが、結局は最後まで気になってしまいました。

SU_BU

まあ、些細なことですけどね。

NHKアニメ

NHKは日本一資金のある放送局なので、いろいろと豪華です。

アニメ『3月のライオン』では、将棋のルールを歌で解説しています。

二階堂が描いた絵本を元にした、将棋の駒を猫人化した、動きを気持ちで表現する挿入歌「ニャー将棋音頭」は、「みんなのうた」に登場しそうなぐらい、とてもかわいい曲でした。


テーマ曲を担うアーティストもとても豪華です。

前半のオープニングテーマとエンディングテーマが、BUMP OF CHICKENさんの「アンサー」と「ファイター」。



後半のオープニングテーマが、YUKIさんの「さよならバイスタンダー」、エンディングテーマが米津玄師さんの「orion」。



SU_BU

大物すぎでしょう!予算が違いますね。もちろん曲もアニメーションも文句なしです。

『3月のライオン』は、第1期と第2期を合わせて、全44話まで制作・放送されています。

ほとんどのアニメが第1期での反響を見てから第2期を制作しているこの時代に、これだけの品質のアニメを44話も制作するのは、NHK以外では難しいでしょうね。

SU_BU

本当に隙のない作品ですし、さすがはNHKです。

新房監督+シャフト

アニメーション制作のシャフトと新房昭之監督は『魔法少女まどか☆マギカ』など多数のヒット作を生み出している、確かな実力のコンビです。

アニメファンなら、すっかり馴染みのある組み合わせです。

コメディ部分は明るくテンポよく、対局部分はじっくり重い空気まで演出する。

三姉妹の描き方も可愛すぎです。

SU_BU

今回も、さすがのクオリティでした。

作者さんからアニメ化は否定されていますが、仮に『よつばと!』がアニメ化されるなら、新房監督しかいないって気がしちゃいます。

『3月のライオン』第1期まとめ

要点まとめ
  • 二つの軸で描かれる成長物語
  • 豊富な話数で緻密に描かれる新房昭之監督作品
  • 超豪華なテーマ曲

作画、声優、音楽、シナリオ、全てがハイクオリティで、しかも第1期だけで22話まである作品です。

これだけじっくりやってくれればしっかりと物語に入っていけますし、大満足の作品でした。