これまで映画そのものについての記事を書いてきましたが、今回の記事では映画の興行収入に焦点を当てた記事を書いていきたいと思います。
興行収入というのは、お客さんが映画館でその作品に払った鑑賞料金の合計金額のことを指しますが、その作品の人気さを数字でダイレクトに表すものであるわけです。
それだけではなくてこの興行収入について詳しく見てみると、色々なことが分かってくるので非常に面白いです。
今回は2019年の世界興行収入ランキングトップ10について書いていきたいと思います。
イッシー
目次
2019年公開映画:世界興行収入ランキング
第10位『ジュマンジ/ネクスト・レベル』
世界興収:7億9,657万5,993ドル(全米興収:3億1,683万1,246ドル 北米外興収:4億7,974万4,747ドル)
『ジュマンジ/ネクスト・レベル』の前作である『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』は世界興収が1,000億円を超える大ヒットを記録しました。
しかし『ジュマンジ/ネクスト・レベル』は『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』より興行収入が下がってしまいました。
興行収入が下がった要因としては、『ジュマンジ/ネクスト・レベル』は『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』と比べて目新しさが無かったということが言えると思います。
目新しさが無かったと言っても『ジュマンジ/ネクスト・レベル』では、新キャラクターとして2人のおじいちゃんを登場させたり、ジュマンジというゲームの世界に新しいステージを加えたりといった新しい試みもしています。
イッシー
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第9位『アラジン』
世界興収:10億5,069万3,953ドル(全米興収:3億5,555万9,216ドル 北米外興収:6億9,513万4,737ドル)
「A Whole New World」という主題歌で世界的に人気を誇るディズニーのアニメーション映画である『アラジン』の実写版『アラジン』は10億ドル以上を超える大ヒットを記録しました。
ディズニーのアニメーション映画である『アラジン』の人気を考えれば、これぐらい稼いでもおかしくは無かったと思います。日本でも121億円を稼ぎ、大ヒットを記録しました。
イッシー
一つはアニメーション版の世界観を壊さずに新しい劇中歌を入れたから、もう一つはジー二ー役のウィル・スミスの演技が素晴らしかったからです。
一つ目については、ストーリーをアニメーション版と変えることなくアニメーション版の世界観をそのまま実写にした上で「A Whole New World」という主題歌にも負けない劇中歌「Speechless」を入れたのが素晴らしかったと思います。
二つ目については、ウィル・スミスがアニメーション版のジー二ーの口調や体の動きを見事に演じていたことです。
『アラジン』の予告編が出た時には、ただの青いウィル・スミスだということが話題になりました。
イッシー
何故なら映画本編を観ている内にウィル・スミスがいつのまにかジー二ーにしか見えなくなっていたからです。
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第8位『トイ・ストーリー4』
世界興収:10億7,339万4,593ドル(全米興収:4億3,403万8,008万ドル 北米外興収:6億3,935万6,585ドル)
『トイ・ストーリー3』が感動的な結末を迎えていたにも関わらず、まさか9年後に4作目が作られるとは誰も思っていなかったでしょう。
イッシー
『トイ・ストーリー4』の世界興収で特筆すべきは、『トイ・ストーリー3』の公開から9年という長い年月が経っているにも関わらず『トイ・ストーリー3』とほぼ同じ世界興収を稼ぎ出していることです。
世界的に人気なコンテンツだからこそほぼ同じ世界興収でしたが、普通のシリーズものだったらそうはいきません。
ハリウッド映画のシリーズもので前作より続編の世界興収の方が多い例はそうそうありません。
大概のシリーズものは1作目の興収が一番高くて、続編が作られるごとに段々少なくなっていきます。
これはクオリティーを保つことの難しさを意味していると思います。
イッシー
日本でも『トイ・ストーリー4』の興収が100億円越えという大ヒットを記録しました。
『トイ・ストーリー4』の結末については賛否があったようですが、改めて人気シリーズであることを証明しました。
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第7位『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』
世界興収:10億7,414万4,248ドル(全米興収:5億1,520万2,542ドル 北米外興収:5億5,894万1,706ドル
エピソード4から続いたスカイウォーカーサーガの完結作として世界的な注目が高かったのですが、あまり北米以外の興収が伸びず、2019年の7位という微妙な結果に終わりました。
一方で北米興収は5億ドルを超えていることから、北米では『スター・ウォーズ』が根強い人気を誇っていることが分かります。
日本での『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の評価は賛否両論でしたが、興行収入は72億円を超えていることからも人気自体はそれほど落ちていないと思われます。
ではどうして北米外興収が伸びなかったのかと考えてみると、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』で昔からのスターウォーズファンが離れてしまったということが大きな要因として挙げられると思います。
イッシー
ディズニーは『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を製作するにあたって『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』があまりに批判を受けたことから昔ながらの『スター・ウォーズ』に戻しました。
しかし一度落ちた北米外興収は戻るわけでもなく、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』よりさらに低くなるという結果になりました。
イッシー
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第6位『ジョーカー』
世界興収:10億7,425万1,311ドル(全米興収:3億3,545万1,311ドル 北米外興収:7億3,880万ドル)
日本でも興行収入が50億円を超え、主演のホアキン・フェニックスがアカデミー賞の主演男優賞を受賞するなど話題になった『ジョーカー』はR指定作品でありながら10億ドル以上を稼ぎ、見事に2019年の6位になりました。
イッシー
『ジョーカー』の興行収入で特筆すべきは中国で公開されていないということです。
近年の映画において世界的に大ヒットするには、世界第2位の市場である中国でどれだけ稼げるのかということが重要なファクターを占めています。
その中国での興収を入れずに世界興収で10億ドル超えたことが、どれだけ凄いことなのかは言うまでもありません。
『ジョーカー』の興行収入における偉業を支えたのは、作品の持つ強いメッセージ性です。
イッシー
そして『ジョーカー』という作品は、強いメッセージ性を持つ作品であれば中国での興収が無くても大ヒットできるという証明になったと思います。
イッシー
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『ジョーカー』作品情報 映画『ジョーカー』は、DCヒーローのバットマンの宿敵にして人気キャラクターのジョーカー……
第5位『キャプテン・マーベル』
世界興収:11億2,827万4,794ドル(全米興収:4億2,682万9,839ドル 北米外興収:7億144万4,955ドル)
MCUの21作目であり、初の単独女性ヒーロー映画である『キャプテン・マーベル』は11億ドル越えを果たすという成功を収めました。
イッシー
作品の面白さでは『キャプテン・マーベル』と『ワンダーウーマン』でどっちも同じくらいだと思いますが、『キャプテンマーベル』が『ワンダーウーマン』より3億ドルほど多く稼げたのにはある要因が考えられます。
その要因とは『キャプテン・マーベル』が『アベンジャーズ/エンドゲーム』の前の作品だったということです。
『キャプテン・マーベル』も『ワンダーウーマン』も単独女性ヒーロー映画であるという点では、関心の高さにそれほど変わりなかったと思います。
ただ、『キャプテン・マーベル』は『アベンジャーズ/エンドゲーム』の前の作品だった為に、関連する伏線が貼られているかもしれないと見に行くという人が世界的に多かった結果だと推測できます。
これは『ワンダーウーマン』の興収と見比べてみれば明らかです。
『ワンダーウーマン』は全米興収で4億1,256万3,408ドル、北米外興収で4億928万3,604ドル稼いでいます。
つまり、『キャプテン・マーベル』と『ワンダーウーマン』の3億ドルの差は北米外興収の差だと言えます。
イッシー
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第4位『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』
世界興収:11億3,192万7,996ドル(全米興収:3億9,053万2,085ドル 北米外興収:7億4,139万5,911ドル)
MCUの23作目である『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』が2019年の4位になるのはさすがだなという感じです。
イッシー
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の興行収入はスパイダーマンの世界的な人気を端的に表しているなと思います。
MCUの単独ヒーロー2作目の興行収入を見てみると、6億ドル~8億ドルの作品が多いです。
そんな中で2作目にして10億ドルを超えたのは凄いことだと思います。
MCU単独ヒーロー映画の興行収入が低い日本でも30億円を超えるという好成績を収めました。
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の興行収入が良かった理由にスパイダーマン人気以外にもう一つ大きな理由があると思います。
それはスパイダーマンをMCUに参入させるというソニーの戦略が見事にはまったということです。
『アメイジング・スパイダーマン』シリーズで失敗したソニーはスパイダーマンをMCUに参入させることでファンの関心を高め、面白い作品を制作することに成功しました。
イッシー
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第3位『アナと雪の女王2』
世界興収:14億5,002万6,933ドル(全米興収:4億7,737万3,578ドル 北米興収:9億7,265万3,355ドル)
イッシー
そして『アナと雪の女王2』は興行記録で世界歴代10位、アニメーション映画史上1位という快挙を成し遂げています。
前作である『アナと雪の女王』は12億8,080万,2282ドルを稼いでいるので、『アナと雪の女王2』は1億ドル以上多く稼いだということになります。
『アナと雪の女王2』が『アナと雪の女王』より1億ドル以上多く稼げたのは、作風を子供向けから大人向けのダークな世界観に180度変えたということが大きいと思います。
作風や劇中歌を大人向けにしたことで、『アナと雪の女王』を子供向けだと思っていた大人にも充分見応えのある作品に仕上がり、これだけの興行収入を記録できたのだと思います。
イッシー
『アナと雪の女王2』をテーマの深さや劇中歌において子供よりも大人が観て楽しめるものにするという決断がよくできたなとつくづく思います。
世界興収では『アナと雪の女王』より1億ドル以上多く稼いだ『アナと雪の女王2』ですが、日本の興収は全く違いました。
『アナと雪の女王』は254億円稼いでいますが、『アナと雪の女王2』は約半分の133億円ほどでした。
イッシー
そうだとしても『アナと雪の女王2』の劇中歌はテーマに合っている曲でどれも素晴らしいものでしたし、大人向けの奥深いテーマだったにも関わらずこの興行収入だったことに驚きを隠せません。
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第2位『ライオン・キング』
世界興収:16億5,694万3,394ドル(全米興収:5億4,363万8,043ドル 北米外興収:11億1,330万5,351万ドル)
『ライオン・キング』は1994年に公開されたディズニーのアニメーション映画『ライオン・キング』のフルCGリメイク作品であり、超実写という謳い文句で宣伝されていた作品です。
イッシー
そしてこの記録は世界歴代7位になります。
『ライオン・キング』の興行収入がここまで伸びた理由は何かと考えてみると、一重に『ライオン・キング』というコンテンツの海外人気が高かったということに尽きると思います。
イッシー
日本での『ライオン・キング』の知名度と人気の高さを考えれば、100億円を突破してもおかしくなかったのですが、突破しなかったのは何か理由があるのかもしれません。
色々な理由が考えられると思いますが、一つとしては、日本人には動物がCGの作品は肌に合わないからという理由があると思います。
というのも過去に『ライオン・キング』と同じように動物がCGで表現されていて、世界興収に比べて日本の興収が低い作品があったからです。
その作品とは2016年に公開された『ジャングル・ブック』です。
『ジャングル・ブック』の興行収入はどうだったのかというと、世界で1,000億円を超えた大ヒットだったのに対し、日本では22億円余りでした。
この『ジャングル・ブック』は、ディズニーのアニメーション映画『ジャングル・ブック』の実写映画なのですが、主人公であるモーグリ以外の動物達はCGで表現されています。
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第1位『アベンジャーズ/エンドゲーム』
世界興収:27億9,780万564ドル(全米興収:8億5,837万3,000ドル 北米外興収:19億3,942万7,564ドル)
MCUの22作目である『アベンジャーズ/エンドゲーム』が2019年の世界興行収入ランキング1位になったのは、大方の予想通りだと思います。
そして『アベンジャーズ/エンドゲーム』の世界興収で特筆すべきは、『アバター』が10年間保持していた世界歴代1位記録を塗り替えたということです。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が20億4,835万9,754ドルを記録していたことから『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を超えるのは確実だと言われていましたが、まさか7億ドル以上も多く稼いで世界歴代1位になるとは誰も予想していなかったと思います。
イッシー
世界第2位の市場である中国では6億1,431万6,012ドルを稼いでいます。
この記録は中国で公開されたハリウッド映画の中で歴代1位の記録です。
そして日本より人口の少ない韓国でも1億522万9,503ドルを稼いでいます。
日本の興行収入が60億円に対して韓国の興行収入が100億円を超えていることを考えると、韓国でのマーベル作品の人気の高さが窺えます。
イッシー
アメリカ、中国、韓国の興行収入を合計すると、15億7,791万8,515ドル稼いでいて、たった3ヵ国で総興行収入の半分以上を稼いだということになります。
『アバター』の続編が来年公開される予定ですが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』の記録にどこまで迫れるか今からとても楽しみです。
→映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』動画フル無料視聴!人気配信サービスを比較しオススメを紹介
2019年公開映画:世界興行収入ランキング・まとめ
【150RT】「アベンジャーズ エンドゲーム」フッテージ追加の特別版を上映!「アバター」抜き歴代1位へ https://t.co/sKGy7NAmWs
— 映画.com (@eigacom) June 22, 2019
ここまで2019年の世界興収ランキングトップ10の作品について述べてきましたが、このランキングにはある大きな特徴が二つあります。
一つはトップ10の内、9位までの作品の世界興収が10億ドルを突破したこと、もう一つはトップ10の内、7作品の配給がディズニーだということです。
世界興収が10億ドル越えの作品は、年に1作品でも出ればとても話題になるので年に9作品も出るとは信じられないくらい凄いことです。
そして2019年はディズニー作品の独占状態だったということです。
ただMCUも一区切りついたので、ここまでの独占状態は2019年だけかもしれません。