第10話ではノーマンが出荷されてしまい、その現実を受け止められないエマとレイは脱獄を諦め、レイが誕生日を迎えるその日まで会話をすることはありませんでした。
憔悴しきった様子のエマとレイ。
レイは、自分の誕生日、つまり出荷日を意味するその前の日の夜、食堂でエマと出会うのです。
そして少しやつれた様子のエマに対してレイは言ったのです。
「おまえ、まだ諦めてなんかないだろ」
レイのその問いに対し、エマが浮かべた笑みはなんだったのでしょうか?第11話は、そこから始まります。
目次
『約束のネバーランド』前回第10話のあらすじと振り返り
ノーマンは最初から逃げるつもりはなく、ハウス全体の構造を把握することに時間を使っていました。
出荷当日、ノーマンはママと一緒にハウスを出発します。
最後まで行かせたくないと抵抗するエマは、なんとかノーマンを逃がそうと試みますが、ノーマンがエマを投げ飛ばしそれを拒むのでした。
さらに、ノーマンはエマのことが好きだったと思われる描写もあり、一層切なさが増幅されます。
レイは戦意喪失し「逃げるのはやめる」と言い出し、イザベラにも「諦めなさい」と言われ、エマはひとりベッドの上ですすり泣くことしかできません。
ノーマンの出荷から一ヶ月。
まったく動く気配のないエマにレイはこう問うのでした。
「本当は諦めてなんかないんだろ?」
【ネタバレ】『約束のネバーランド』第11話あらすじ・感想
レイの計画
「ずっと考えてた、ノーマンのために何をすべきか…答えは何もしないこと」
ニヤッと笑い、そのまま口を開いたのはエマでした。
「ママに言われるがまま諦めてはいけない、ノーマンの死を無駄にしてはいけない。」
そう言うと、エマはこの2ヶ月間の溜まった想いを話しだします。
そして、その話を聞いてるレイも同じ気持ちの様子でした。
憔悴してやつれていた2人の表情は、段々と闘志に燃えた以前の顔に変わり、そして脱獄の話をし始めるのです。
2人はこの2ヶ月もの間、ママに監視されていて話すことができなかったのです。
しかし、エマはそこを逆手に取ったのです。
「私に目を向けさせれば、私以外への目がそれる」
エマはそう話すと、レイはすぐにその言葉の意味がわかった様子。
エマ、レイ、ドン、ギルダ。
エマやレイに監視の目が行くとなれば、ドンとギルダが自由に動けます。
そして、ドンとギルダに脱獄の計画を任せて鬼ごっこの訓練を続け、道具、食料、防寒具の全てを揃えたとエマは言います。
そしてレイの方から実際にいつ逃げるのか?という話を切り出します。
エマは「それも考えていました、昼に逃げよ」と言うと、エマの言葉はレイに手で制されると、2人は椅子に座りレイから脱獄にあたっての問題点を話すことになります。
- ママは常に年少者のそばにいて、エマやレイのことを監視している。
- 塀の先は崖。
ママは昼も夜も年少者のそばにいるため、全員を逃がすにはママを年少者から別の場所に目を向けさせる必要があります。
そして、第2の問題点の塀の先は崖、それはつまり唯一橋がかかっている本部の近くの塀まで移動しなけらばいけないということです。
しかし、そこには化け物たちが大勢いることが予想されます。
そこまで話すとレイはおもむろに立ち上がり、テーブルの上に置いてあった木箱の蓋を開けると、そこには大量のオイル缶が入っているではないですか。
「夜、ハウスに火をつける」
木箱からオイル缶を1つ手に持ち、レイはそう言いました。
そして、レイの脱獄の計画の全貌が話されるのです。
まずハウスに火をつけ火事を起こし、避難という形で子供たちを全員外に出します。
そうするとママは当然本部へ連絡するために秘密の部屋に行く必要があるので、あらかじめその扉をふさいでおくのです。
そうすることで本部の人間は火事だと思い、警備の目が橋に向かないと話します。
そして、逃げて橋へ向かう塀を移動してる最中、他のプラントの森に火炎瓶を投げ入れると言います。
他のプラントでも、火事が起これば警備の人間をそこに割く可能性があります。
そうしてレイは全てを話したのです。
「さぁ、明日と言わず今逃げよう」
言い切ったレイは、エマにそう言い手を差し出します。
エマは脱獄を諦めていたレイの口からそんな計画を話されて驚いている様子です。
今、エマとレイがいる食堂は、子供たちのいる部屋からハウスの中で一番遠いのです。
「火事がハウス全体に回る前に子供たち全員を逃げさせる。」
まだ悩んでいるエマに追い打ちをかけるようにレイはそう言います。
それでもエマが悩んだ様子でいると、レイは視線をそっと下に向け、エマの足を見ます。
「大丈夫!」
エマがそう言い、松葉杖を使わず立ち上がって決意が決まりました。
「俺はやっぱり全員を連れていくのは反対だ。塀の先は崖と聞いて、尚更だ」
オイル缶の蓋を開け、食堂の床にオイルをまきながらそう話すレイ。
「百歩譲っても、赤ん坊だけでも置いてくべきだ、その子の為にも、お前の為にも」
続けてそう話すレイの言葉には、色んな意味が含まれていました。
「最後にお前が決めろ」
レイが最後に言った言葉にも、エマは返事をすることはできませんでした。
「火炎瓶を投げ入れるって言った、あともし火事になってもママが私たちから目を離さない可能性がある」
「気づいたか。確実にママの気を引かなければならない、でも大丈夫。こうすればいい」
レイはそう言うと、新たにオイル缶を開け、それを自分の頭にかけるのです!
レイの本当の計画
「ずっと前から決めていたんだよ、何年も前から。ガキくさい腹いせさ。俺はねぇ、エマ。勉強も読書も好きじゃないんだよ。だけど自分の値打ちを上げるためにやってきた。それに、これでいいんだよ…俺は家族も見殺しにしてきた。みんな、いい奴らだったのに。」
エマはレイのこれからやろうとしていることが分かり、止めようと近づこうとすると、「動くなっ!」とレイに言われ、その場から動けなくなってしまいます。
「やるよ」
そう言って、レイはエマが来るまで読んでいた本を投げ渡すと、何かが挟まれたページが自然と開きます。
そこには、写真が挟まっていました。
ついノーマンを思い出し、目に涙を浮かべるエマ。
悲しみにくれるエマに、そんな時間がないと言わんばかりに24時の鐘が鳴ります。
写真に目をやり涙しているエマをよそ目に、レイはマッチに火をつけます。
「これで12歳、呪いたい人生だけどお前らとの時間はすごい楽しかった、ありがとう。バイバイ、エマ」
「だめっ、やめて!」
そんなエマの言葉も届かず、レイの手からマッチ棒は離れてしまったのです。
カモフラージュ
そして、場面は部屋にいるイザベラに切り替わります。
24時の鐘がなると、日課のようにカレンダーに赤のチェックをつけるイザベラ。
この時間に部屋の外から声が聞こえ、イザベラは急いで部屋を飛び出します。
声がするその部屋を開けると、声の主はエマでした。
「レイ…レイ…」と四つん這いになり、大声で泣いています。
エマの先は、一面火の海。
イザベラはすぐにエマの元に駆け寄ると、エマはその火の海の中にレイがいると言うのです。
すぐにイザベラがコンパクトを確認すると、確かに火の海のところに光る点が1つあります。
慌ててイザベラが外を出ると、ギルダがやってきます。
「ギルダ、子供たちを全員外へ!」
ギルダは子供たちを外に誘導します。
「せめて、せめて、脳だけでも」
消火器を持ってきたイザベラが火に向かって発射します。
隣ではエマが四つん這いになり伏せています。
「スプリンクラーはどうして…エマ、貴方も早く逃げなさい!」
イザベラが消火器を出なくなるまで使っても、火の勢いは一向に収まりません。
その異変に気づき、イザベラが振り向くとそこにはさっきまでいたはずのエマがいないではないですか!
すぐにコンパクトで確認し、一番近くの点にイザベラは走ります。
そこには人がいる様子などはなく、バケツが転がっています。
イザベラはバケツの中を見ると、そこには切り落とされた片耳があるのです。
そしてイザベラは気づきます。これは全て脱獄計画…。
森の奥には避難した子供たちが集まっています。
そこに、1人走って近づいてきます。
「お待たせ、みんな!」
片耳を手で押さえながら、エマがやって来ました!
そして場面は、レイがマッチ棒を手から離したところまで戻ります。
レイが最後の別れの言葉を言いマッチ棒を手から離すと、エマが持ち前の運動神経で飛び込みマッチ棒ごと両手で潰し火を消したのです。
「ナイスキャッチ、悪いけど死なす気ないから。私も、あの子たちも。」
エマがドヤ顔でそう言うと、食堂をノックする音が聞こえます。
トーマ、ラニオンという子がやって来て「頼まれたもの持ってきたよ、それにみんな準備できてる」と言います。
レイはエマに言われるがままオイルだらけの服を新しいものに着替えます。
「でも、俺は…」
そう言うレイに対し、エマは思いっきりビンタをします!
「まだ死ぬつもりか、この分からず屋!」
エマの突然の行動にレイがあっけにとられていると、トーマとラニオンが準備ができたと言ってきました。
そこにはさっきまでレイが着ていたオイルだらけの服の上に、ベーコンやハム、ソーセージ、それに髪の毛が乗っけられていました。
それは、レイの死の偽装をするためのカモフラージュです。
「髪の毛はアンナがくれた。あとは発信機。取り出すから耳出して。」
そう言ったエマの右手にはメスのようなものが握られています。
突然のことにレイはまだ動揺している様子。
そんなレイの肩に手を乗せ、エマは「ここじゃなくてもまだ死ねる、良いもの見せてやるから黙って来い」と言うのです。
それは出荷されてすでにいないはずのノーマンからの伝言でした。
ノーマンが残してくれたもの
親愛なるエマへ
レイは、死ぬ気だ。レイは自分を脱獄する数に入れていない、逃げる気がないんだ。
始めから、このハウスで死ぬつもり。
自分を燃やして火事を起こし、ママを引き付け僕らを逃がす。それがレイの計画。
だから、ボクが考えた計画をここに記す。
決行は、2ヶ月後。
恐らくレイの誕生日の前夜。
レイが仕掛ける火事を利用してレイを救い、ママを出し抜き、みんなを連れて逃げるんだ。
大丈夫、時間はある。
それに思いがけない品も手にした。シスター・クローネからだ。
頼んだよ、エマ。レイを、みんなを。
シスター・クローネからの品は、鍵と万年筆でした。
そしてエマはマッチに火をつけ、火事を起こしたのです。
あたかもそこにレイがいるかのように泣き叫び、イザベラを呼んだのでした。
第6話で、ノーマンがレイのベッドの下に隠されているものを見て「さすがだよ、レイ」と言っているシーンがありました。
シーンはエマ、レイ、子供たちが合流した森の奥へと戻ります。
子供たちは、塀まで全力で走ります!
イザベラは自分の部屋に戻り本部へ連絡するため、秘密の部屋を開けようとします。
しかし、その扉の鍵穴はもちろん塞がっているのです。
塀に走りながら、レイは隣で走っているドンに説明を求めます。
小さい子供たちがこのハウスの事情を知っているかということをです。
そして、シーンはノーマンとレイが洗濯物を干しながら話していた第6話の1シーンを映します。
あの時、エマがノーマンに話してた内容は「ドンとギルダ以外の子供たちに話そう。あの子たちは私たちが思っている以上に子供じゃない。
話を聞いた上で、自分の意志で脱獄に参加してもらったほうがいい。」と言っていたのでした。
そして、ドンは最初に話したのは4人と言います。
第7話でエマとノーマンはシスター・クローネと手を組み、夜中にシスター・クローネの部屋を訪れて発信機などの話をしていました。
その部屋の外にはナット、アンナ、トーマ、ラニオンがいて話を聞いていたのです。
ドンいわく、残りの子供たちは2ヶ月かけて少しずつ仲間に引き入れたと言います。
そして、とうとう塀の前にたどり着いたエマたち。
「私とナットがまず上がる。全員無事に逃げ切るよ!」
全員に鼓舞をするエマ。
その時、レイは何か違和感を感じるのです。
イザベラは燃えていくハウスを見つめ、相当狂っている様子。
そしてエマの耳を手に持ち、宣言するのです。
「まだ生きている、絶対逃がさないわ。私の子供たち」
その時、イザベラは自分のスカートの裾を掴む存在に気づきます。
「ママぁ…」
そこには、フィルの姿があったのです!!
『約束のネバーランド』第11話まとめ
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— 『約束のネバーランド』公式 (@yakuneba_staff) 2019年3月27日
今までの伏線を回収していきつつ一気に終盤に向かう物語に、私はもう終わってしまうのかと少し寂しさを感じてしまいました。
子供たちは、塀を登り無事脱獄できるのか?
そしてママの元へ現れたフィルの存在とは…?
第12話が待ち切れないですね!
▼次回第12話(最終回)も続けて読む▼