煌びやかな世界は、必ず裏でひっそりと支えてくれる人たちがいてこそ成り立つ…
第3話「よう仕事見とき」は、上方落語を楽しむために大切なことを教えてくれる回!
落語家の弟子デビューした豆狸が寄席で働き、“仕事のいろは”を学びます。
目次
アニメ『うちの師匠はしっぽがない 』前回第2話のあらすじと振り返り
化け術なんて時代遅れだ!
化け術好きなまめだ(CV.M・A・O)は、仲間狸たちからずっとバカにされてきました。
ずっと人を化かし続けて生きたいと願っていた父のために、“化かす”のを諦めたくない…
そして、やっと見つけた人を面白く化かす方法・落語!
落語家になるために、どうしても大黒亭文狐(CV.山村響)の弟子にならねば!!
寄席や家に押しかけ、殺されそうになりながらも師匠を探して追って…
まるで「崇徳院」の2人のように想いを遂げるために必死に師匠に食らいつきます。
大事な扇子を泥棒猫から命懸けで守り切り、もうバカにされたくないと泣きながら落語家になる覚悟をみせたまめだ。
「芸人なら末期哀れは覚悟の前やで。」
芸は教えないが盗んでみろと、師匠はまめだを弟子にしてくれたのでした。
愛おしく切なくて…ハッピーエンドだった第2話!
第3話、今度は師弟愛がすくすくと育ちはじめます!
【ネタバレあり】アニメ『うちの師匠はしっぽがない』第3話あらすじと感想
人間とは、つくづく非効率的な生き物だな…
なんとか落語家の弟子になることが叶ったまめだ(CV.M・A・O)。
師匠である大黒亭文狐(CV.山村響)の家に住み、きょうも朝から食事の支度中!
しかし、狸であるまめだにとって人間のご飯支度というのはややこしいことばかり。
はじめちょろちょろなかぱっぱのご飯炊き、
香りがとんでしまうので味噌を煮たたせてはいけないまめ汁作り…
すべてに手間がかかって面倒!
朝食を用意するだけでもう、クタクタです。
人間の朝食が口に合わないまめだは、食卓でちょい泣きして嘆きます。
師匠からは「それ外で言うたら破門な!」と注意されます。
食後も、着物を畳むなどの細々とした家事をこなすまめだ。
毎日同じことばかりを繰り返す人間の暮らしを体験し、まめだは「人間とは非効率的な生き物だな」と感じます。
ここでふと、我に返るまめだ。
自分が何をしにここにいるのかを見失っていることに気がつきます!
落語を教えてくれない師匠に、弟子がキレる!
「全然、落語教えてくれないじゃないかー!!」
家事ばかりで落語を見せてくれない師匠に弟子が直談判!
騒ぐ弟子の頭に扇子を命中させ、黙らせる文弧。
落語をみたいなら…とキモチを汲んで、まめだを寄席に連れていきます。
文弧は、まず寄席前で番組表を見せると、まめだに出演者の説明をします。
黒い文字は落語家。
漫才や曲芸や踊りをする色物さんは、赤い文字で書かれていることを教えます。
名字も名前も引き継ぐときは、初代や2代目などと“何代目”とつけること。
名前ごと師匠から引き継いだ1番弟子と、名字だけとった他の弟子がいること。
「私も大黒亭文弧になれる?」まめだは目を輝かせます。
「それはムリ!」
「ケチ!」
寄席前で師匠と弟子の漫才のようなやりとりがはじまって、人が集まってきます。
文弧は騒ぎを詫びると、楽屋口の方にまめだを連れていきます。
新人弟子・まめだ…初めて寄席の深部へ!
楽屋口では、遅刻した席亭の作次郎(CV.村瀬歩)がお茶子のお松(CV.相川奈都姫)に怒られていました。
二日酔いぐらいでダラダラするなとお松に喝を入れられ、作次郎は吐きそうになるのを懸命に堪えます。
文弧は弟子のまめだを紹介し、2人に頼みます。
「寄席のこと何にも知らんさかい、あんじょうしたって。」
弟子を取らない主義の文弧が弟子をとったことに、作次郎は驚きを隠せません。
彼女があまりにも顔を撫でまわすので、まめだは危険を察知して“おさわり”を全力で拒否します。
寄席の客がいない舞台に初めて立ったまめだ。ピリッと心が引き締まります。
東京の寄席では、お茶子さんの役割を前座が担うことも。
弟子の先輩からマウントをとられちゃう、ルーキーまめだ。
寄席前にて椿しらら(CV.Lynn)が叩く一番太鼓が鳴り響く頃…
お松が火打石でお清めをして、舞台裏が慌ただしくなります。
「よう仕事見とき!落語は1人ではできへん。」
文弧は、まめだに作次郎やお松の仕事をよく見るように言います。
すると、そこへ三味線方の小糸(CV.長谷川育美)がやってきます。
通りすがりに、彼女はまめだの匂いを嗅ぐと立ち止まります。
まめだが自己紹介すると、小糸は少し不思議そうにして「よろしくね!」と挨拶します。
鋭すぎるため、まめだに何か感じたみたい…今回はセーフ!
「寄席でも家と同じことを?」とぼやくまめだ。
新人としての態度がなってないと、椿しららがまめだにもの申してきます。
「ちょっと師匠が偉いからって、いちびらんとって!」
しららは奈良弁で調子に乗るなと、先輩マウントをとります。
この日、しららは舞台へ!
「ようよう上がりました、初席一番叟でございます!」
小拍子と張り扇を使ってリズムよく「東の旅」を見事に演じます。
寄席の心構えを学ぶ…そして、大トリ文弧の「三枚起請」!
寄席のお手伝いを頑張るまめだ。
ドジもいっぱいしましたが、お松さんから着物の畳み方を褒められます。
「心構えが大事!着物がビシッとしてると、気を引き締めて芸に臨める!」
お松さんにそう言われて、まめだは初めてこの作業の重要さに気づきます。
「落語は1人でやる芸と思いがち…だけど、文弧さんはいつだって私たちへの感謝を忘れたことはない。その証拠に、弟子のあんたにこうやって舞台がどう作られていくかを見せに来てくれた。」
お松は、敬愛する文弧師匠についてこう語ります。
もちろんトリを務めるのは、大黒亭文弧!
お松が心をこめて座布団を敷き、演者札をめくります。
羽織りを脱いだ文弧が着ていた着物は、まめだが今朝畳んだ着物…
まめだは自分も文弧の舞台の一部にちょっとだけ携われたことに感激します。
「その陽気なことぉー!」
文弧が「三枚起請」を演じます。
大人気ドラマ「タイガー&ドラゴン」第1話でも、三枚起請の回がありました。
落語は1人じゃできない!
【三枚起請あらすじ】
難波新地のお茶屋街。
遊女が「雇用期間満了したらあなたと一緒になるわ」という内容の起請文というものを交わすことが流行していました。
なんと3人もの男が、同じ遊女から起請文をもらったということが発覚!
遊女を問いただしにいきますが…その遊女は最近は初回の晩からみんなに起請文を渡していると、騙したことを悪びれもなく語るのです。
「起請文に嘘を書くと、熊野権現の使いのカラスが3羽死ぬと言うだろう?」
男の1人が嘘を書いたことを責めると…
遊女は「そんなら、世界中のカラスをみんな殺してやりたい…」と言うのです。
なぜかを問うと、遊女は答えます。
「三千世界のカラスを殺して、ゆっくり朝寝がしてみたい」と。
文弧の噺で寄席が湧きます。
落語は1人じゃできない…
まめだには、凜と喝采を受ける師匠の後ろに寄席で働くみんなの顔が見えました。
帰り道。きょう1日で変わった心境を、まめだは師匠に打ち明けます。
「人間を憎く感じて化かしたいって思ってたけど…人間には優しい人もたくさんいるって知って(違う意味で)ますます化かしたいって思う様になった!」と。
そんな弟子の言葉にグッときた文弧。
彼女はニカッと笑い、「せやろ!」と嬉しそうに弟子の頭をポンッと撫でたのでした。
アニメ『うちの師匠はしっぽがない』の次回に期待するもの
感情の高まりでうっかり豆狸姿にもどっちゃうまめだの可愛さったらない!
文弧の師匠としての絶妙な距離の置き方にすごく憧れます。
“子育て(育てること)”も1人じゃできません…何か通じるものを感じました。
第4話「見せん下手くそより、見せる下手くそや」では、弟子の先輩・椿しららが大変な目に遭っちゃいそうです!