誰かを見返したいという強い思いは、明日を生きる活力になります。
第11話「オレの芸、お前で終わらせてくれよな」は、化け狐と1人の落語家のお話。
人から住処を追われた化け狐が、憎き人へのリベンジを目指して落語に目覚めるまで…
この物語の肝となる大切な部分をお見逃しなく!
目次
アニメ『うちの師匠はしっぽがない 』前回第10話のあらすじと振り返り
破門回避のため、まめだ(CV.M・A・O)は上方落語四天王の試練に挑んでいます。
第二関門は、四天王一性格が“アレ”な女流落語家の霧の圓紫(CV.竹達彩奈)。
元々圓紫は、大黒亭文鳥(CV.諏訪部順一)の芸に惚れこんで落語家になった人物。
大黒亭の名が欲しかったのに、弟子入りを断られた過去があります。
それゆえ、大黒亭を名乗るまめだに対してあたりが強めで…
「アテが寿限無をやるから、一週間で覚えなさい!」
弟子入り拒否した文鳥師匠から、圓紫が唯一もらった1ネタ…
“10分長尺のオリジナル寿限無”の課題が出されました。
しかも、圓紫のお手本をきくチャンスは2回だけという厳しい条件!
まめだは、三日もの間不眠不休での山籠もりを敢行します。
そして迎えた寿限無披露の日。
文狐師匠(CV.山村響)より名を受けた瞬間を思い出しながら演じたまめだ渾身の寿限無。
心の入った1ネタを聞いた圓紫は、まめだに試練合格を告げたのでした。
第11話では、人間嫌いな化け狐の弟子とこれまた人間嫌いな落語家の出会いのエピソードが明かされます。
【ネタバレあり】アニメ『うちの師匠はしっぽがない』第11話あらすじと感想
これは…昔、伊勢の社に棲んでいた1匹の化け狐のお話。
これは…昔、伊勢の社に棲んでいた1匹の化け狐のお話。
化け狐は、人々からたいそう大事に祀られてきました。
しかし、時は明治や大正の産業革命時代…
開発の手は神社仏閣にまで及び、狐の社も潰されることに!
そうはさせないと、狐も全力で人間を化かして戦います。
人はその狐のことを“七度狐”と呼んでいました。
人間との争いに敗れてボロボロになった七度狐(CV.山村響)に、大黒亭文鳥(CV.諏訪部順一)はこう声をかけます。
ほどなくして、春来亭に現れた文鳥の傍らには人間の少女に化けた七度狐の姿が!
「よろしく…俺の初弟子・文狐だ!俺はコイツに大黒亭を渡す!」
椿白團治(CV.江口拓也)は、弟子を取らない主義の父が弟子を連れてきてビックリ!
文鳥の弟子になりたかった霧の圓紫(CV.竹達彩奈)は、「なんでアテやないんや!」と弟子になった文弧に敵意むき出し!
恵比寿家歌緑(CV.石田彰)は、文鳥に聞きます。
「正気か?大黒亭は俺で終わり…お前の口ぐせだろ?」
「正気だったら芸人なんてやってねーよ!」と答える文鳥。
人間を憎む七度狐が、人間を見返すために落語家へ弟子入り!?
憎き人間に復讐する力を欲しがる七度狐に、文鳥はこう言います。
「人間を見返したいならついてこい…落語は、いまのお前に必要なものだ!」
すぐ出てってやる…そう思いながら文弧は寄席での時間を過ごします。
寄席の物置でクモの巣が張った神棚を見つけた文弧。
「お前もきっと昔は愛されていたのだろう…」とあり様を見て嘆きます。
それを見た歌緑が「ずいぶんと愛想のいい弟子だ!」と、文鳥に嫌味を言います。
「大目にみてやってくれ…」と、方々で生意気に振舞う弟子を文鳥がフォローします。
先輩への頭を下げた挨拶も、落語の勉強も断固拒否の姿勢!
人間は“愚か”になってしまった…
人間の世界を目の当たりにした七度狐は思います。
人間は変わった…知識を広げ、街並みも装いも一変した。
便利な道具を得て、自然の恵みを神を敬うことを止め…
人間は、自分たちを万能の存在と思う様になった。
愚かだ…私たちとの繋がりを忘れて!共に歩んできたのではないのか!!
落語に興味なさそうな文弧を嘆いた歌緑に、文鳥が言います。
「興のあるなしじゃねーんだよ」と。
ある夜、文鳥は一番のご贔屓さんのお座敷に文弧を同行させます。
文鳥の落語を誰ひとり聞いちゃあいない…
せっかくの噺も聞かず、主催者の平兵衛(CV.小野坂昌也)は高笑いしています。
そして、街の開発を手広く担う平兵衛は業者の男と物騒な会話をはじめます。
「ようやく社を潰せるぞ。でっかいシャベルで一発…化ける暇なしやw」
平兵衛の心なき発言に、文弧の表情が凍ります。
「この世は人の世!時代遅れの化け物は、社と一緒にぶっ潰したるわ!」
人間嫌いの化け狐と人間嫌いの落語家
社を潰されて人間から殺されそうになった苦い記憶が、七度狐の頭に浮かびます。
自然を愛し、私たちに寄り添って生きていたあの頃の人間はどこへ?
怒りに震えた文弧は狐火を震わせながら、恐ろしい形相で平兵衛の前へ!
七度狐の祟りが愚かな人間にくだされようとしたまさにそのとき…
文鳥が平兵衛の頭に冷酒をかけまくった後に、一発殴ります。
「芸人の分際で!」すぐさま、文鳥は報復を受けます。
「人間ってのは身勝手なモンだよな…てめえのサジ加減で物事はかって見下して。自分以外どうなろうとお構いなしでどうしようもねークズ…それが人間だ。」
子供の頃から人間が憎かったという文鳥。
「…なのに、俺の芸で笑ってる連中を見ると嬉しくてたまんねぇんだ!」
殴られまくったいびつな顔で、文鳥は笑います。
「こんな芸、俺で終わりにしたかったけどな。お前に合って気が変わっちまった!」
そして、文鳥は明日は文弧のためだけに“とっておきの芸”を見せると予告します。
「ホレるなよ?」
「フッ…気をつけるよ。」
俺の芸、お前で終わらせてくれよな…
「相変わらず、ごく古いお噺を聞いていただきます…」
翌日の寄席で、滅多にやらない大ネタ「百年目」をはじめた文鳥。
「みんな、まだここで生きていた…また、会えた!」
七度狐は自分を愛してくれた人間たちが、文鳥の落語の中で生きているのを感じます…
文弧は少しずつ、白團治や圓紫と馴染んでいきました。
やがて、こんな風に考えるようになった文弧。
「興味をそそる新しい何かをいくつも生み出して、それでいて変わらないものもある。」
文弧は思います…だからこそ、人間は面白くとても儚いと。
5年が経ち、文弧が真打になった頃に文鳥は亡くなりました。
文鳥の末期の言葉は、途中で聞き取れないものでした。
「なあ、文弧。俺の芸、お前で終わらせてくれよな…お前は…」
それからちょっと時が過ぎて…
文弧は、同じような想いを抱えた1匹の化け狸と出会うことになるのです。
これができたら大名人!大ネタ「百年目」について。
仕事熱心な堅物と思われている船場の番頭・治兵衛。
しかし、治兵衛は仕事が終わると遊び人に大変身しちゃいます!
数多くの登場人物の演じ分けと踊りの素養が求められる大変なネタです。
芸者たちと陽気に目隠し遊びをしていたのですが、あろうことか店の旦那さんと鉢合わせ!
気が動転してしまった治兵衛は「長らく御無沙汰しております!」と、旦那さんに平伏してそのまま逃げ帰ります。
きっと叱られる…このまま夜逃げでもしようか…
悩みに悩んで翌朝を迎えると、ついに旦那さんからお呼びがかかります。
すると、意外にも旦那さんから褒められる治兵衛。
「大きな商いをする者にふさわしいはしゃぎっぷり!」と。
店のお金には手をつけず自分のお金で遊ぶマジメな性格に感心した旦那さん…
しかし、1つだけ気になることがあります。
なぜ、「御無沙汰してます」と言って逃げ帰ったのか?
それを治兵衛に聞くと、彼は答えます。
「ここで会ったが百年目と思いました…」
命運尽きたと思い、咄嗟にあの言葉が出ちゃった治兵衛なのでした。
アニメ『うちの師匠はしっぽがない』の次回に期待するもの
第12話「君が面白くちゃ意味がない」では、豆狸が最終試練へ!
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面白くないまめだなんて全然想像できない〜楽しみです。