『謝罪の王様』あらすじ・ネタバレ感想!「究極の謝罪とは何か?」宮藤官九郎が贈る至極の土下座コメディ

映画『謝罪の王様』あらすじ・ネタバレ感想!

出典:matome.naver.jp

素直に謝れないすべての人類に贈る「究極の謝罪とは何か?」。

ジャパニーズ最高級トラディショナル謝罪スタイル「土下座」コメディ!

ポイント
  • 謝罪宅へ入室から39秒62の超速でインパクト大の「スピード土下座」は圧巻。
  • ヒットメーカー宮藤官九郎の脚本!そして主演は阿部サダヲ!
  • コメディセンス溢れる俳優陣の演技に釘づけ!

それではさっそく『謝罪の王様』をレビューしたいと思います。

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『謝罪の王様』作品情報

(C)2013「謝罪の王様」製作委員会

作品名 謝罪の王様
公開日 2013年9月28日
上映時間 128分
監督 水田伸生
脚本 宮藤官九郎
出演者 阿部サダヲ
井上真央
竹野内豊
岡田将生
尾野真千子
濱田岳
川口春奈
鈴木伸之
真飛聖
柄本時生
六角精児
濱田マリ
高橋克実
松雪泰子
音楽 三宅一徳
主題歌 E-girls「ごめんなさいのKissing You」

【ネタバレ】『謝罪の王様』あらすじ・感想


謝罪の概念が変わる!?

「謝ることが好き」なんて人、世の中にいるでしょうか…苦手ですよね。

開始0秒でいきなり「あやまる時、人は誰でも主人公」という掛け軸が後ろにかかった部屋が映されます。

それは「東京謝罪センター」のコマーシャル。

「東京謝罪センター」の所長、主人公・黒島譲(阿部サダヲ)が登場してきてプレゼン!

【東京謝罪センターCM】

「土下座」日本古来の謝罪法です。土下座は長く日本人に愛されてきました。

しかし…実は、土下座を超える究極の「謝罪法」があるんです!

業界では、「土下座の向こう側」あるいは「土下座越え」あるいは「土下座の彼方」と呼んでいます。

当センターの優秀なアポロジストのレクチャーを受ければ、どんなトラブルもどんなにこじれた関係も土下座で…いいや、場合によっては土下座すら使うことなく!切り抜けられるのです!!

弁護士に相談する前に、まずは「東京謝罪センター」へ。

謝って済むから警察いりませんっ!詳しくは「土下座」で検索!!

「ビードゲザー!!」

「東京謝罪センター」ツッコミどころが満載の内容ですよね。

開始の「ツカミ」の気持ちの良い「引き」が最高ですよ。おもいっきり掴まれちゃいましょう。

ちょいと出てる俳優さんが豪華すぎる件

ビックリするくらいビックネームの人たちが、数秒のカメオ出演しています。

スロー再生を駆使し、思わず探してしまいました。

  • 黄村家朗役の中野英雄
  • 高幡弁護士役の六角精児(おでこに怒マークがついていて可愛いです)
  • 南ナミ役の美波(この配役と役名は遊びゴコロ感じます)
  • 通訳・ワクバル役の濱田岳(口癖「大体、心配ない」は結構名言な気がする)
  • 失言大臣・国松役の小野武彦(誰かがモチーフになっているとしか考えられないw)
  • ラーメン屋言語同断店主役・松本利夫(美味しいラーメン作りそうに見える最高の配役)
  • 問題になる映画の主人公には広瀬すず(登場シーンわずか数十秒!浴衣姿が可愛いすずちゃん!)

連なる俳優さん豪華ですよね。

まだまだいます!ぜひ豪華な無駄遣い、粋な遊び心のある配役も堪能してみてください。

6つの愉快な謝罪ストーリー

『謝罪の王様』は、ショートストーリー形式で、ケース1~ケース6までの「6つのケース」に分けられています。

でもぶつ切り感はなく、各々の登場人物が少しずつ他のケースに関わってくるという、一連の流れが実に素晴らしい構成になっています。

短編集の中に、大きなひとつの壮大な物語が隠れているのです。

それに気づいたときの「すごいな~」と感嘆を漏らす感じは忘れられません。

連続ドラマを楽しんだようなお得感と、映画っぽい壮大な世界観からの満足感と、両方味わえるのがこの映画の魅力です。

一見、何の統一性もない6案件が見事に「数珠つなぎ」になる様は圧巻。

濃厚な人間ドラマを描きつつ、観る人が活用できそうなテクニックも織り込まれているんです。

それではケース1~ケース6までを簡単に紹介していきます!

ケース① 倉持典子(井上真央)

帰国子女、謝ることが苦手な倉持典子(井上真央)。

なぜなら「とりあえず謝っとけ」みたいな考え方は海外では命取り。

謝れば罪を認めたことになり訴訟で不利になるからです。

典子はトラブルで小磯一家という怖い人たちに強引に「借用書」を作られ、来週から大阪のデリヘルで働くことが決定しています。

示談金400万円を借金し、毎月12万、利子が10日で3割という法外で無謀な額。

ヤバい内容のものにサインしてしまっていました。

しかし、トラブルの発端は典子が200%悪い案件。

黒島(阿部サダヲ)は本案件を「超高速土下座&舎弟作戦」によって、40万で決着させてしまうのです。

華麗な39秒62で繰り出す土下座は必見!

黒島の謝罪演出も鮮やかで、細々おもしろポイントに爆笑してしまいました…w

典子は司法書士を目指しているため「何か手伝わせてほしい。黒島さんのそばにいたら、色んな経験できそう…」といって謝罪助手となりました。

典子はこの後すべてのケースを通して深く関わり登場し、大きな伏線に絡む女性になります!

彼女の所作にはヒントがいっぱい。重要人物なので注目してみてくださいね。

ケース② 沼田卓也(岡田将生)

沼田(岡田将生)は、ランジェリーメーカー勤務。

同じ企画の仕事をした宇部美咲(尾野真千子)へセクハラを行ってしまい、訴訟を起こされていました…。

相手方の担当弁護士は、やり手国際弁護士・箕輪正臣(竹野内豊)で典子の恩師。勝ち目なしの相手。

沼田は目つきや口元や肌の質感など、もはや全身の雰囲気やオーラが女性にリアルに身の危険を感じさせるようなちょいヤバ男なのです。

美咲にすぐ謝ったときも「なんかしゃ~せんでしたぁ~」と言っちゃうようなKY沼田の謝罪は、困難を極めます…。

黒島は「120%許さないっていう人に150%の謝罪をする」という東京謝罪センター監修台本を作り、総動員の謝罪演出テクで見事な謝罪に成功!訴訟を取り下げてもらたのです。

「120%許さないっていう人に150%の謝罪をする」

この謝罪極意は、心に沁みました。

ケース③ 南部哲郎(高橋克己)、壇乃はる香(松雪泰子)

依頼人は、大物俳優・南部(高橋克己)と大物女優・壇乃(松雪泰子)の元夫婦。

息子・英里人(鈴木伸之)が傷害事件を起こし「謝罪会見」したいというのです。

クセの塊のようなこの大物2人の謝罪は、最終的に何に謝罪をしているのか分からないほどの失言により、めちゃくちゃこじれます。

しかし、誰に向けて謝るのか?というシンプルな答えに辿りついたとき、すんなりと解決するのです。

そして、傷害事件の起きた経緯が土下座の彼方に見えてきます。

意外な切り口でハートフルで感動する親子愛が垣間見えます!

一番爆笑したのがこのケース。とにかく謝罪会意見が面白いんです!

高橋克己さんの絶妙にくどい演技、松雪泰子さんのような超絶美人がコミカルなことをするというダブルパンチ。

休むことなく面白かった…お腹を抱えて笑っていたら、一転、最後に訪れたのがジーンとする感動の真実でした。

ジェットコースターのような緩急、まんまとしてやられました!

ケース④ 箕輪正臣(竹野内豊)

ケース2の沼田案件のときに登場した一流国際弁護士の箕輪がなんと依頼人に。

外国で暮らしていた娘が3歳半のとき、1度暴力を振るってしまったことを謝罪したいというのです。

このケース4は、衝撃の伏線が登場する回です!

ここまで登場した人物の中に、なんと箕輪が別れた妻との間にできた娘がいたのです。

手をあげてしまった過去の映像が流れ、箕輪の娘から、謎の言葉「わき毛ボ~ボ~、自由の女神!」が連呼されます。

この言葉、一見ふざけたワードに聞こえますが、とても重要で大事な意味がある言葉なので要注意です。

「ここに繋がるのかー!」という嬉しい発見があるケース4。

画面の前の人を離さない至極の伏線、クドカンの真骨頂がこの中にありますよ!

ケース⑤ 和田耕作(荒川良々)

映画プロデューサー和田耕作(荒川良々)。

突如「東京謝罪センター」に舞い込んできた超ビッグ案件です!

なんと、和田の持ってきた謝罪は国際問題関係。

国民の幸せ納得感世界一・マンタン王国からお忍びで訪れた皇太子(野間口徹)が映画に映っていて、マンタン政府からクレームがきたといいます。

しかも、ただ映り込んだだけではなく…皇族の肖像権侵害は重罪、加えて王国で禁止とされている牛串刺し肉の飲食強要をしてしまっていました。

謝罪が成功しなければ、すべての罪を合算すると懲役90年、もしくは銃殺という重い罪に問われることになります。

もう現地では「反日デモ」が起こっており、グローバルな上に命を懸けたヒリヒリ謝罪なのです…。

日本首相(嶋田久作)までが謝罪することになる大がかりな謝罪は見ごたえあります。

そして、ケース4の「わき毛ボ~ボ~、自由の女神!」という謎の言葉の意味もここで明らかになりますよ!

ケース⑥ 黒島譲(阿部サダヲ)

マンタン王国案件と共に進むストーリーのケース6は過去に遡り、どうして所長・黒島は「謝罪」にこだわるのか。

「東京謝罪センター」はどうして作られたのかが描かれます。

ここまでくると、黒島の謝罪熱がどこからきてるのかが気になっていて興味津々になっています。

そして、まさかそっち側だったの?という予想だにしない設立ストーリーでした。

黒島の悲哀が伝わってくる「謝罪ストーリー」は、驚きとなるほどが混在した良くできたお話です。

実際に「謝ること」を代行とするビジネスも登場している現代の日本。

「あやまる時、人は誰でも主人公」

という掛け軸教訓の謎も理解できる、気持ちのいい伏線回収も最高です!

極上のエンターテイメント性の高さに脱帽しました。

『謝罪の王様』あらすじ・ネタバレ感想まとめ


以上、ここまで『謝罪の王様』について紹介させていただきました。

要点まとめ
  • 依頼される難題をその顧客に代わり「謝罪」のコンサルティングという斬新ストーリー
  • 6つのショート謝罪ストーリーの伏線が最後にすべて繋がり、見ごたえある流れが秀逸
  • 黒髪で前髪ぱっつんの井上真央が可愛すぎ!
  • 「わき毛ボーボー自由の女神!」意味のない言葉に命を吹き込む天才・宮藤官九郎

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