捕まったXは、およそ一連の事件の真犯人とは想像し難い人物、里村と共に暮らしていた少女でした。X(瀧内公美)は取調室で、里村の意志を受け継いだ壮大なテロ計画を告白します。
そして鷹野(青木崇高)の元相棒・相羽を殺した真犯人として驚くべき人物の名を告げるのでした。鷹野が公安へ異動するきっかけとなった過去の事件の真相とは?
そして公安部は仕掛けられた無差別テロを未然に防ぎ、国家の治安を守ることができるのでしょうか?
目次
ドラマ『邪神の天秤 公安分析班』 前回振り返り
虎紋会最後のメンバーの堤も葬儀屋の犯行と思われる手口で殺されてしまいます。
一連の事件をエジプト神話になぞらえた真の目的に気づいた公安分析班。鷹野(青木崇高)は捜査一課第十一係時代の上司である早瀬(渡辺いっけい)の協力を得て、地道な聞き込みや周辺の状況を探っていくうちに、里村が一緒に暮らしていた子供は少年ではなく少女だということに気がつきました。
そして、新葬儀屋として公安を翻弄し続けていた仁美(瀧内公美)が逮捕されます。
名前も住所もわからない新葬儀屋・Xは、虎紋会の真の目的、そして自分が仕掛けた最大のテロについて告白し始めました。
【ネタバレ】ドラマ『邪神の天秤 公安分析班』第10話あらすじ・感想
無差別テロ
虎紋会のメンバーで葬儀屋の実行犯として活動していた里村の遺志を継ぎ、新葬儀屋として虎紋会メンバーに復讐をしてきた新葬儀屋・X(瀧内公美)。
彼女は、虎紋会が開発した毒性の強いウイルスを使った無差別バイオテロを起こそうとしていました。
Xは鷹野(青木崇高)に、元相棒の相羽を殺したのは氷室(松雪泰子)だと告げました。
それ以上は何も言わず、もちろんウイルスの在りかも話す事はありません。
Xの携帯電話の位置情報を解析したところ、72時間以内に彼女が立ち寄ったのは288ヶ所。
公安は秘匿捜査のまま、ウイルスの捜索にあたります。
捜査の攪乱
引き続きXの取り調べをしている鷹野は、筋読みを開始します。
鷹野の元相棒の事件は、年齢的にXがその場にいたとは考えられません。
そうなると、事件を知っていたのは里村ということになります。
鷹野が里村の死と氷室は何か関係があるのではないかと考えていると、Xは「あなたがたには見えていない」から、見つかるわけがないと言いました。
その頃、佐久間班は用意周到な新葬儀屋・Xの裏を読み、羽田空港にウイルスが仕掛けられている可能性を導き出しました。
しかし、Xが羽田空港に持ち込んだスーツケースの中は、空でした。
Xは全て彼女の計画通りに事を進めてきました。
鷹野は、氷室を殺し損ね、逮捕されたのはXの想定外のことだろうと思っていました。
しかし、実は自分が捕まることを想定して、自分の車が押収されるのを待っていたかもしれないという疑念がわいてきました。
Xの押収品を洗っている氷室は、油絵に違和感を感じ、削ってみたところSDカードを発見しました。
ところが、データは削除されており、ウイルスの製造方法はわかりませんでした。
Xはダークウェブを通して他者にデータを送り、ウイルスを作らせた可能性が出てきました。
鷹野の筋読み
鷹野は、Xの幼少期に遡って筋読みを始めます。
Xは社会に隔絶された町で生まれ、小さい頃に母親が死亡したことで、里村に育てられました。
そこで学校にも行かず、公的な予防接種を受けることもなく、隠れるようにして暮らさなければならなかったX。
「それは、あなたに戸籍がないからですね?」
その後Xにとって親であり、先生であった里村が粛清されてしまいます。
Xは鷹野に「あなたがたには見えていない」と言いました。
「それは、あなた自身のことですね」
戸籍がなく、学校にも行けない、家を借りることも、携帯電話を買うこともできない。
確かに存在しているのに、まるでいないかのようなX。
誰にも見えていない場所で育ったXは、そこを世界をリセットさせる場所として選んだのではないか。その行動は、里村への手向けにもなります。
鷹野が筋読みを終えると、Xは黙ったまま涙を流しました。
残り1時間
Xがテロを開始する正午まであと1時間。
公安は手分けをして里村とXが暮らしていた町を捜索します。
その中で、氷室と共に捜索をしていた鷹野は、予定とは違う場所を探したいと申し出ました。
鷹野は、彼女が選んだ場所にはきっと特別な理由があるはずで、そこは彼女が一番リセットさせたい場所だろうと推測しました。
鷹野と氷室が向かった場所は、里村の部屋でした。
部屋を捜索していると、そこに里村宛の冷蔵便が届きます。
箱の中にはクーラーボックスが入っていました。
クーラーボックスの蓋の裏には、時限爆弾が仕掛けられていました。
残り時間は2分。
公安は急いで住民を避難させます。
鷹野は爆弾を取り外し、廊下に投げ捨てようとしますが、そこに氷室と爆弾処理班がやってきてしまい、行き場を失ってしまいました。
鷹野は間一髪、そばにあったドラム缶に爆弾を投げ入れます。
その瞬間、大きな爆発音が鳴り響き、直後に天井が崩れ落ちてきました。
氷室の懺悔
鷹野が病院で目を覚ますと、22時間が経過していました。
佐久間(筒井道隆)によれば、ウイルスは無事に回収され、市民も無事だったということです。
ホッとしたのもつかの間、鷹野が佐久間に連れていかれたのは、隔離病棟でした。
実は、爆風でアンプルが割れ、ウイルスが少し漏れ出ていたクーラーボックスを、氷室が閉じたことで、氷室がウイルスに感染してしまったのです。
氷室は時間がないと、これまで胸に秘めていたことを語り始めました。
9年前、氷室はある組織と共にテロを企てた葬儀屋を追っていました。
そのテロは氷室のSの情報によって未然に防ぐことが出来ましたが、そのSは組織から疑われてしまいます。
氷室は、Sを逃がそうとしました。
そのSは、逃げる前に恋人に会いに行ってしまいます。
そこで鷹野・相羽と鉢合わせをしたことで逃げ出し、彼を追った相羽は殺されてしまいました。
氷室は、相羽を殺したのはそのSではなく、現場にはもう一人いたと言います。
恐らく、Sを始末しようと追って来た里村が、相羽と遭遇し、刺殺したのだと思われます。
氷室は、非情になり切れなかった自分の甘い考えが全ての失態を招いたと、鷹野に懺悔します。
鷹野の相棒
その後の氷室は罪悪感を押し殺し、命令通りに任務を遂行する公安捜査員を貫き通していました。
そんな時に鷹野が公安にやってきたのです。
「あなたの相棒には死んでも償いきれない。本当にごめんなさい」
真相を知った鷹野は、不思議と氷室を責める気にはなれませんでした。
「それは、あなたが私の相棒だから」
公安の仕事に正しい答えはありません。
皆難しい選択を迫られ、悩み、後悔を繰り返しながら任務をこなしています。
そのことを、鷹野は氷室から教わりました。
鷹野は、「もう相棒は失いたくない」と氷室に訴えます。
「だから、どうか生きてください」
捜査終了
Xは送検されることになりました。
裁判の前に、Xには戸籍が作られることになります。
鷹野は、最後にXの本当の名前を尋ねます。
しかし、Xは「好きな名前にしてください」と答えませんでした。
こうして、『葬儀屋』は壊滅しました。
公安五課は、事件解決に貢献したとして表彰されました。
揃って敬礼する佐久間班。
そこには、氷室警部補の姿もありました。
「本事案は、本日を持って終了とする。」
ドラマ『邪神の天秤 公安分析班』 第10話 感想&まとめ
公安は、新葬儀屋が企てた世界的に混乱を招くテロを未然に防ぎ、無事事件は解決しました。
ウイルス捜索なのに、鷹野たちがマスクを用意していなかったこと、ウイルスを作った人物の逮捕がサラッと流されたこと、氷室警部補の回復が超スピードだったことは若干気になりますが、真相は明らかになりましたし、誰も殉職せずに済んで、なんにせよ結果オーライです。
それを差し引いても、息をつく間もない全10回。大変面白く観させていただきました!