『グッモーエビアン!』あらすじ・ネタバレ感想!大泉洋×麻生久美子主演の笑って泣けるホームドラマ映画!

『グッモーエビアン!』あらすじ・ネタバレ感想!大泉洋×麻生久美子主演の笑って泣けるホームドラマ映画!

出典:U-NEXT

麻生久美子と大泉洋がW主演で初共演した映画。

現役未婚の母と、母を支えるしっかり者の娘と、2年間海外で放浪生活を送っていた天真爛漫な男のROCKな関係を描いた作品です!

ポイント
  • 吉川トリコの小説が原作の笑いあり涙ありほっこりストーリー
  • 見る人の環境、状況によっては心に刺さるセリフが幾つかありそうだなぁと思います
  • 大泉洋演じるヤグに振り回されながら見るのが楽しい作品です

そんな『グッモーエビアン!』をネタバレありでレビューします!

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『グッモーエビアン!』作品情報

(C)2012「グッモーエビアン!」製作委員会

作品名 グッモーエビアン!
公開日 2012年12月15日
上映時間 106分
監督 山本透
脚本 山本透
鈴木謙一
原作 山本透
出演者 麻生久美子
大泉洋
三吉彩花
能年玲奈
竹村哲
MAH
塚地武雅
小池栄子
土屋アンナ
音楽 葉山たけし

【ネタバレ】『グッモーエビアン!』あらすじ


ハツキと、アキと、ヤグ

中3になったばかりの広瀬ハツキ(三吉彩花)は、まだスカートが“ちょい長い”真面目な学生生活を送っています。

ある朝、郵便受けにヤグこと矢口(大泉洋)からハガキが届きます。

海外を放浪しているヤグからのそのハガキには「グッモーエビアン!」という挨拶のような謎の言葉と、オーストラリアツアーを終えて次はアジアに繰り出すことが書いてありました。

ハツキはそのハガキを、17歳でハツキを生んだ現役未婚の母・アキ(麻生久美子)に見せ、2人で話に花を咲かせました。

まるで友達同士のような関係の母娘。

「宿題やったの?」なんて事は言わない母、朝の出掛けに「スカートもうちょっと短い方が可愛いよ」なんて言う母、三者面談にもやってこない母。

ヤグはそんな母と昔一緒にバンドを組んでいた人で、一緒に暮らしていたこともある人で、何ならハツキは幼い頃に自分の父親だと思っていたような人です。

産休の担任に変わって小川先生(小池栄子)がやってきたという話も片耳に入れる程度にハツキがクラスメイトの丸尾トモミ(能年玲奈)とお喋りしていると、英語担当の小川先生の「グッドモーニング、エヴリワン」という挨拶が耳に入りちょっとハッとするハツキでした。

ハガキが届いてから半年ほど経った頃、ハツキが学校から帰るとアキが激しいロックを爆音で聞きながら頭を振っていました。

それはアキが昔ヤグと組んでいたバンドのライブ映像。

(C)2012「グッモーエビアン!」製作委員会

アキがこうなるのは年に3回あるかないかの“だいぶキてる時”です。

そんな頃、学校からの帰り道に人だかりができていました。

何事かと思いよく見てみると男の人が倒れていて…その人はヤグでした。

お腹がすいて行き倒れていたヤグはハツキを見つけるなり全力で走って追いかけてきたものの、お腹がすいていることを思い出して再び倒れてしまいました。

アキとヤグの昔

アキにもまだ連絡せず唐突に帰って来たヤグはウザキャラ全開で特製の“ヤグカレー”を作りました。

顔を見る前にカレーのにおいでヤグが帰ってきたことに気付いていたアキの反応は、ハツキいわく“昔通りと言えば昔通りだけど、ちょっと素直じゃなかった”。

自分の音楽がどこまで通用するか試したいなんて豪語して旅立って行ったはずのヤグはギターをフランスパンと交換してまで旅をしてきたと言います。

(C)2012「グッモーエビアン!」製作委員会

ヤグは15年前、アキを身ごもっていたアキにプロポーズしていました。

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当時ヤグは15歳。

まだ結婚できる年齢でもなく、アキのお腹にいる子の父でもないのにプロポーズしたのですが、アキははっきりと返事をすることもありませんでした。

その後2人は同じバンドで活動したり一緒に暮らしたりするようになるのですが、結局結婚はしていません。

ハツキがトモミと下校しようとしたところ、学校の前でヤグが待ち伏せしていました。

ヤグがトモミのことを“箱入り”と言うことをハツキは咎めました。

トモミのところは普通に仲のいい普通の家族なのにバカにしているみたいで嫌だったのです。

それだけが原因ではなく、ハツキはなぜかヤグにきつく当たってしまい、昔みたいに楽しく笑って接することができなくなっていました。

翌日、ハツキとアキとヤグは3人でフリーマーケットに出かけます。

ハツキは一つの店で気に入ったバッグを見つけたのですが、アキからもらった500円では買えるはずもなく店の端に置いてあったCDを眺めました。

インディーズばかりだよ、と店員(土屋アンナ)が言ったCDの中にはヤグとアキがやっていたバンドのものもありました。

ハツキはそのなかから1枚、自分の好きなジャニス・ジョップリンを感じるものをジャケ買いして店員と音楽の話で少し盛り上がりました。

店員は最初にハツキが気に入っていたバッグにCDを入れて「おまけ。あわせて500円。大事に使って」と言いました。

一方ヤグは若者たちの宴会のなかに乱入して歌を歌っていました。

アキもそこに混ざって楽しんでいましたが、ハツキは遠慮しました。

ハツキとトモミ

ハツキが塾から帰ると、アキが珍しく1人でお酒を飲んでいました。

ヤグは元メンバーのヒロシ(MAH)の家に行っています。

アキが見ていたのはハツキのつけている家計簿でした。

エンゲル係数が高すぎるせいで赤字の家計簿を眺めて、飲まずにはいられなかったといったところです。

ヤグはその人柄から近所の人に果物などをもらったりして来ますが、特に働いたりバイトをしているわけでもなく働き口はアキのみ。

アキは“それでいい”と言いますが、なんだか納得いかないハツキでした。

程なくしてベロベロに酔っぱらって帰って来たヤグはポケットからカプセルトイを出して「結婚してください!」とアキに渡しました。

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カプセルの中身は、おもちゃの指輪でした。

その頃、ハツキの中3の三者面談にもアキは顔を出しませんでした。

三者面談の順番がハツキの次だったトモミは、ピアノの日のはずなのに「面談が終わったらスガキヤのソフトクリームを食べに行こう」と誘いました。

2人で食べ歩きしたりして楽しく過ごしていたのですが、最後に入った喫茶店で「ヤグみたいな人が自分の父親だったらいいのに」というトモミの言葉にハツキは激怒します。

赤の他人で心配と迷惑しかかけないヤグに腹が立っていたからトモに当たってしまった、というのもあります。

ハツキは「もう帰ろう」と言っても動かないトモミを置いて帰ってしまいました。

翌日、トモミは学校に来ませんでした。

小川先生は「丸尾さんは昨日までで転校することになります。家庭の都合で鹿児島に行く事になったんです」と言いました。

トモミの両親は離婚していました。

ハツキは自分の知らないところでトモミの両親がずっと長い間揉めていたということを知ります。

その日の授業中、唐突にヤグがハツキの教室に乱入して来ました。

ハツキの腕を引っ張って出て行くヤグは先生たちに取り押さえられてしまいます。

ハツキから引きはがされながらヤグは「セントレア空港に4時!」と叫びます。

偶然ばったり街中で会ったトモミから伝言を授かっていたのです。

小川先生もやってきて一先ず教室に戻るように言われますが、ハツキは早退することに決めます。

ハツキの選択

ヤグのママチャリに2人乗りして、トモミに会うために空港へ向かう最中。

2人はトラックに撥ねられてしまいました。

アキは無事だったハツキから電話をもらって病院へ急行します。

ベッドに横たわるヤグは「またバンドやりてぇ。ライブやりたいんだわ」と言いました。

泣いているアキに、ありがとう…と言って息絶えたヤグ。大声で叫ぶアキの後ろから扉を開けて現れたのはハツキでした。

実際のところ事故直後は血がドバドバ出たもののヤグの怪我自体は3針縫って済む程度。

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アキが来るならと2人がドッキリをしかけただけのことでした。

ちなみにハツキはトモミには会えませんでしたが、電話でちゃんと謝れました。

その夜、ハツキは裁縫道具を出してスカートの裾を短くしました。

翌朝どこか吹っ切れた様子のハツキはヤグの作った朝食を食べ、学校に向かうと三者面談の時からずっと出せずにいた進路希望の紙を小川先生に渡しました。

ハツキが塾に行っている間に、小川先生は家までやってきました。

学年でトップクラスの成績であるハツキが進路希望に“就職”と書いたことを、アキに話しに来たのです。

小川先生はせっかく成績がいいのにもったいない、早退の件に関しても内申や面接に響いたらもったいないと言います。

アキは「先生は先生なりにハツキのことを考えているというのはわかっている」「三者面談に行かない自分が謝らなきゃいけない面もあるというのもわかっている」とした上で、結局何が言いたいんだと返しました。

いい学校に行っていいところに就職して安定万歳な生活を送ることが“もったいなくない”ことなのかと言い、はっきり言ってそれは「つまらん」と吐き捨てました。

自分の将来は自分で決めろというアキの言葉を真っ直ぐに受け取っているハツキは、就職して一人暮らししようとしていました。

アキが1人で我慢しているように感じていたハツキは自立しようと思っていたのです。

羽根ならあると彼女は泣いた

小川先生が帰ったあと、ハツキが帰ってきて進路についての話をすることとなります。

しかし感情が高ぶってしまったハツキは自分が出て行ってアキとヤグが結婚しておもしろおかしく暮らしていけば良い、2人の間に子どもでも作ればいいと言ってしまいました。

それはあまりにも言い過ぎだとヤグはハツキの頬を叩きました。

ハツキは家を飛び出します。ヤグが後を追うように出て行きます。

川辺で一人ぼんやりするハツキのところにやってきたのは、ヤグではなくアキでした。

ハツキはアキに本当の父親のことを聞きました。

アキは優しい人だったこと、でもお腹の中にいたハツキを「いらない」と言った瞬間からどうでもいい人になったことなどを話しました。

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どれほどハツキを大切に思っているかについても。

そしてヤグについても話します。

ヤグは中学を卒業してすぐに事故で両親を亡くしていました。

ある日突然に家族を全部失ったのに、それでも出会った時からずっと同じ顔で笑う自分に正直な人だというアキの言葉に、ハツキはこれまでのヤグの言葉を思い出して泣きました。

アキはこの先もヤグには同じ顔で笑っていて欲しいと思っていると言いました。

もし結婚とか家族とかが形になることでヤグから何かを奪うなら、それはかたちにしなくてもいい、と。

そしてアキはハツキの名付け親はヤグだということも話しました。

ヤグが「この子が俺たちをハッピーにする、だから俺たちもこの子をハッピーにしよう!」と言ったところから派生して“ハツキ”になったのです。

ほどなくして卒業式の日、泣いている小川先生の側で笑顔のハツキ。

トモミからも卒業式の写真が届きました。

その後ハツキはトモミとライブハウスに行きます。

(C)2012「グッモーエビアン!」製作委員会

アキとヤグが組んでいたバンド、MFGの復活ライブです。

そこで発表されたのは、アキとヤグの結婚でした。

ステージからヤグはハツキに「こんなとーちゃんでごめん!」と言いながら“愛する娘に捧げます”と、ハツキが生まれた時に作った歌を歌いました。

【ネタバレ】『グッモーエビアン!』感想

子ども時代と家族を思い出す映画

なんかこう、ちょっと心がほんわかする映画を見たいなぁという時に引っ張り出してくるような作品です。

vito

家族ものと言えば家族ものだし、でもそれだけでくくれるような話でもなく。身近にありふれたテーマのようでいて実際同じような体験をすることはほぼないに等しいみたいな。

でも人間は全員もれなく誰かの子どもであり、生まれる瞬間が絶対にあったわけですよ。

そこから誰かしらに育てられて現在になる。

(C)2012「グッモーエビアン!」製作委員会

これを読んでいるあなたにも生まれた瞬間があるわけですよ。

vito

この映画の冒頭の文言というかメッセージが好きなので載せますね。

“あなたが生まれたとき あなたは泣いて まわりは みんな笑っていたでしょう
だから あなたが死ぬときは まわりが泣いて あなたが笑っているような
そういう人生を歩みなさい“

あぁなんか素敵だなって、そんな気持ちで始まる映画です。

vito

人のあたたかさを感じるような作品、というよりは特定の誰かを思い浮かべて大切な気持ちを再認識してしまうような作品って感じですかね私の中では。私はありふれた環境とは言い難いかもしれないけど一応普通の家庭に生まれ育ち、今は一人暮らしをしているわけですが作中何度か両親を思い浮かべました。

子どもがいる人なら、その子を大切に思う気持ちが溢れたりするのかなぁ。

アキみたいな境遇の人は、他の人よりもっと刺さるセリフや場面があったりするのかなぁ。

そんなことを考えたりもします。

アキとヤグについて思うことなど

映画やドラマを見る時って、キャストのイメージが邪魔してなかなか入り込めない時があったりしませんか。

vito

私はあります。演技力の問題かもしれないけどそのあたりは私にはわからないので置いておくとして。

そんな私は、『グッモーエビアン!』のアキとヤグは麻生久美子と大泉洋でよかったなぁと思います。

(C)2012「グッモーエビアン!」製作委員会

たぶんだけどうっかりしたら見る時の邪魔になりかねない“イメージ”がそれぞれのキャラと遠くなかったからっていうのもあるんでしょうね。

ちなみに映画より先に2007年に単発スペシャルドラマとして放送もされていて、その時のキャストはアキがオセロの中島知子、ヤグが袴田吉彦だったようです。

vito

そっちは見てないので何とも言えないけどどうなんだろう。これはこれで面白いのかな。機会があったら見てみたいです。それはそれとして。

ヤグのセリフでグッとくるものがあったので紹介しておくと「さよならとありがとうは言える時に言わなきゃダメ」というセリフ。

トモミが転校してしまった場面で学校に乱入したヤグが言うんですけど、この場面の時点では“ふーん、なかなかいい言葉だなぁ”くらいに感じていて。

話が進んで、ヤグが中学の頃に家族を失っていたことを知った時にこの言葉の重みと説得力が増してグッときました。

vito

なんかずるいんだよなぁヤグのキャラ性。

普段あんなにうるさくてウザいのにそういうこと言ったりするんだから刺さって仕方ない。

vito

感想の項目で書いた“特定の誰かを思い浮かべて大切な気持ちを再認識してしまうような作品”というのもこのヤグのセリフに繋がっていて、そういう“特定の誰か”に対して、伝えるべき言葉は言える時に言わなきゃダメだなぁと思ったりしました。

『グッモーエビアン!』まとめ

(C)2012「グッモーエビアン!」製作委員会

以上、ここまで『グッモーエビアン!』をレビューしてきました。

要点まとめ
  • ちょっと不思議な関係性の3人が繰り広げる心がほんわかするストーリー
  • 誰にでもあるような身近なシチュエーションではないにせよ毎日のどこかに接点のあるテーマだと思います
  • SNAIL RAMPの竹村哲とSHAKALABBITSのMAHも少しだけ出てきますよ!!

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