「彼は更生していなかった」―。一連の事件の容疑者として指名手配されたルオト(菊池風磨)。
ルオトが樹と親しい人物の命を狙っているのではないかと危惧した宇賀神管理官(袴田吉彦)は、樹の元夫・小野塚(吉沢悠)と家族への警備を強化します。
そんな中、樹のもとに“樹が主催の同窓会がまもなく始まる”と元同僚からの連絡が。ルオトの仕業だと考えた樹は小学校へ向かい、再びルオトと対峙します。12年に及ぶ2人の因縁に、ついに終止符が打たれます。
目次
ドラマ『ギバーテイカー』 前回振り返り
ルオト(菊池風磨)の犯行を確信する樹(中谷美紀)は、再び単独で捜査に乗り出します。
一方、今井(池内博之)は、パン屋を訪ね、ルオトと聡美(馬場ふみか)に対して揺さぶりをかけます。
今井を警戒するルオトの気持ちを汲み、聡美は今井を襲撃します。
そして樹はかつての職場である小学校を訪れ、元同僚と再会します。何故ルオトが自分に固執するのか、ルオトの心にある闇の根源を探ると、彼は幼い頃に妹を殺害していたことがわかります。ルオトは完全なモンスターだったのです。
【ネタバレあり】ドラマ『ギバーテイカー』第5話あらすじと感想
ルオトからの挑戦状
ルオト(菊池風磨)から見捨てられ、絶望した聡美(馬場ふみか)は、家に火をつけて自殺を図ります。
しかし、ギリギリのところで樹(中谷美紀)がそれを阻止しました。
「初めて間に合ったね樹先生。よくできました」
リモートで家の中の様子を眺めていたルオトが、にこやかに樹に呼びかけます。
樹は冷静に努めて「大人しく出頭しなさい」と返しますが、ルオトは「これじゃ終われない」と自分の居場所を示します。
「おいでよ、樹先生」
樹はルオトが指定した場所に向かうと、そこには樹の写真が置いてありました。
その後、パン屋の店長の遺体が山中から発見されます。
聡美もルオトに協力していたことを供述しました。
「貴志ルオトは更生などしていなかった・・・」
県警本部は捜査方針を変え、ルオトを全国指名手配し、都築中央署に特別捜査本部を置きました。
刑事として
これまで樹の主張に耳を貸さなかった宇賀神管理官(袴田吉彦)は、「自分が間違っていた」と謝罪し、樹に「力を貸して欲しい」と頼みます。
管理官は、ルオトが黒幕だといち早く見抜いていたのは、遺族としての執念か?と尋ねました。でも、樹はどんな事件であれ、次の事件を止めるために全力を尽くすだけだと答えました。
樹は、ルオトの計画にはまだ続きがあると考えていました。
ルオトが樹の周辺の人間を狙っていると考えた警察は、樹の元夫・小野塚とその家族への警備を強化します。
しかし、ルオトの居場所に関して重要な手がかりはなかなか掴めませんでした。
同窓会
入院中の今井(池内博之)は、ルオトは恐らく小野塚は樹との接点が薄いと気がついていると考えていました。
あとは、ターゲットにふさわしい人物は樹しかいません。それは本人も気づいているはずです。今井は、樹が自ら囮になろうとしているのではないかと危惧していました。
そんな中、樹に小学校の元同僚から連絡が入ります。
「みんな集まっていますよ。あとは樹先生だけです」
なんでも、「樹主催で同窓会を開く」と、かつての同僚たちにメールが届いたというのです。
ルオトの仕業だと思った樹は、急いで小学校へ向かいます。
音楽室では、赤と白の花束を持ったルオトが「僕も同窓会に参加させてください」と入りこんでいました。
警戒する教員たちに、ルオトは「僕が殺したほのかちゃんの話をしてほしい」と言い出します。
ルオトは、樹の娘の思い出と教師たち共々殺し、娘を二度殺そうとしていました。
止められるのは自分だけ
教師の1人が娘の思い出を話すと、ルオトは「エピソードが弱い」と言って、教師の腕を撃ちます。
「この人たちとじゃ退屈だ」
ルオトは、元同僚が持っていたスマホを取り上げ「やっぱり樹先生と話したいな」と、樹に話しかけます。
「ルオト君、すぐそこに行く。だから誰にも手を出さないで」
樹は、子供に話しかけるように言いました。
小学校に到着すると、管理官は樹に自分たちが着くまで待機しろと命じましたが、樹は「貴志ルオトを止められるのは私しかいない」と言って校舎に入っていきました。
音楽室には既にルオトの姿はありませんでした。
ピアノの上に花束と共に「屋上で待ってる」のメッセージが。
樹が屋上の扉を開けると、そこには銃を構えたルオトの姿がありました。
「話をしよう。道徳の時間だ」
綺麗な音
ルオトは、「命が消える時は綺麗な音がする」と話し始めました。
妹のことは、人が死ぬというのはどういうことか知りたくて、試してみたくなったと言います。
数年後、ルオトは樹の娘・ほのかに出会いました。
「一目見て思ったんだ。この子を壊したいって」
ルオトはどうすれば綺麗な音が出せるだろうかと、飼育小屋のうさぎで試そうとしました。
その時樹に声をかけられ、とっさに「うさぎが具合悪そうだったから抱き上げた」と言い訳をすると、樹は「よくできました」と言って手にスタンプを押してくれました。
その後ルオトはほのかの命を奪っていいのか、樹に決めてもらおうと思いました。
そして「右か左どっちがいい?」と樹に尋ねて、樹は飴を持っている方の手を選び、ルオトの手にはナイフが残りました。
「先生は僕にそのままやればいいと教えてくれた」
そして風鈴祭りの日、ルオトは実行に移します。ほのかが壊れる音は綺麗でしたが、驚いたのはその後です。
樹が泣き叫ぶその声を聞いて、こんな綺麗な音楽は聴いたことがないと感動したのです。
一番大事なもの
医療少年院でルオトは「命は替えの利かないたった一つのものだ」と教わりました。
ルオトは後悔で涙が出ました。何故樹先生の前でほのかちゃんを殺さなかったのだろうと。
ルオトはその日から来る日も来る日も、樹のあの叫び声を聞きたいと思いながら生きてきました。
でも、樹にとって娘の代わりなどいないことに気がついたのです。
「先生の一番大事なものを教えてあげるよ。それは僕だよ」
ルオトへの憎しみだけで樹は生きている。
頭も心も自分のことで一杯なのだと、ルオトは嬉しそうに語ります。
その頃、機動隊は突入の準備を始めていました。
そこへ病院を抜け出した今井がやってきて「倉澤巡査を信じましょう」と、制止します。
「今、彼女は容疑者と刑事として向き合っています」
その時、屋上から銃声が聞こえました。
母親の愛
樹は空に向かって銃を撃ちました。
そして一瞬動きが止まったルオトの銃を奪い、その手に手錠をかけます。
戸惑うルオトに、樹は落ち着いた声で言います。
「撃てば、あなたからも赤い血が流れる」
署に戻ると、椿(深川麻衣)が泣きながら謝ってきました。樹はそっと椿を抱き寄せました。
ルオトは、娘が欲しかった母親の茉莉絵に、女の子の服を着せられ”リリ”と呼ばれて育てられました。
茉莉絵は拘置所の面会室で、「私がきちんと愛してあげられれば・・・ごめんね」とルオトに謝罪しました。
また一緒に暮らしましょうと言うと、ルオトは笑顔を見せますが、茉莉絵は続けます。
「リリちゃんもとっても楽しみにしてるの」
罪悪感
樹は、愛情が足りなかったルオトに対して、あの時自分がナイフを選んでいたら、踏みとどまっていたかもしれないと思いました。
でも、今井は「左右どちらの手にも飴が入っていたかもしれない」と言います。
ルオトは、樹に罪悪感を植え付けることに成功したのです。
今井は、樹が復讐することなく刑事としてルオトを止めたことで、樹の中に一生ルオトを巣食わせることを止められたのだと言ってくれました。
「最後に教えてよ。僕はどうしたら良かったのかな」
面会室で、ルオトは樹に問います。
樹は「その質問を投げかけるのが、あまりにも遅すぎた」と返します。
「自分が出した被害と、犯した罪に向き合いなさい。そして、法で裁かれなさい」
樹が去った後、ルオトの頬に涙がつたっていました。
その日樹は、娘の遺影に向かって泣きながら謝りました。
数日後、都築中央署刑事課。
樹は刑事として、仕事を続けていました。
ドラマ『ギバーテイカー』 第5話 感想&まとめ
ルオトは自分のことを「神様の失敗作」と言いました。
確かに、彼の生い立ちは同情に値するものですが、だからといって“GIVER”になっていいわけがありません。
そして樹は最後は被害者遺族としてではなく、刑事としてルオトを捕まえることが出来ました。ルオトの狙いが外れて安心しました。
今作で怪演を見せた菊池風磨さんですが、現在放送中の日テレドラマ『大病院占拠』でも、“青鬼”として活躍中です。青鬼も「よくできました」が口癖なのですが、これは単なる偶然でしょうか?
これからの菊池さんの活動に目が離せませんね!