映画『ラプラスの魔女』あらすじ・ネタバレ感想!未来予測ができる“ラプラスの魔女”と、同じ能力を持つ少年の謎

出典:info.toho.co.jp

“ありえない”事象などない、すべてを予測できる能力があるとしたら事件を事故に見せかけることすら可能なのか。

復讐の先にある真実とは?

ポイント
  • これまでの東野圭吾作品とは一味違うミステリー!
  • 巧みな“見せ方”に魅了されること間違いなし
  • 真犯人は?そして思惑は?見ていくほどに引き込まれます!

それではさっそく『ラプラスの魔女』のレビューをしたいと思います。

映画『ラプラスの魔女』作品情報

作品名 ラプラスの魔女
公開日 2018年5月4日
上映時間 116分
監督 三池崇史
脚本 八津弘幸
原作 東野圭吾
出演者 櫻井翔
広瀬すず
福士蒼汰
志田未来
佐藤江梨子
TAO
玉木宏
高嶋政伸
檀れい
リリー・フランキー
豊川悦司
音楽 遠藤浩二
主題歌 Alan Walker「FADED」

映画『ラプラスの魔女』あらすじ


離れた場所で二つの死亡事件が連続して発生し、両方同じ自然現象の下での硫化水素中毒死だと判明。

さらに死亡した二人は知り合いであることがわかり、警察は地球化学の研究者である大学教授の青江(櫻井翔)に協力を依頼する。

青江は事件性はないと考え調査を進めていると、そこに円華(広瀬すず)という女性が現れ…。
出典:シネマトゥデイ

映画『ラプラスの魔女』みどころ

『ラプラスの魔女』みどころ

『ヤッターマン』の三池崇史監督と櫻井翔が再び組み、ベストセラー作家東野圭吾の小説を映画化した本格派ミステリー。

連続して起きた奇妙な死亡事件をきっかけに、その調査を進める大学教授らが事件の真相をあぶり出す。

『ちはやふる』シリーズなどの広瀬すずがヒロインを演じ、『ちょっと今から仕事やめてくる』などの福士蒼汰が共演。

脚本を、テレビドラマ「半沢直樹」「下町ロケット」などの八津弘幸が担当している。
出典:シネマトゥデイ

映画『ラプラスの魔女』を視聴できる動画配信サービス

『ラプラスの魔女』は、下記のアイコンが有効になっているビデオ・オン・デマンドにて動画視聴することができます。

なお、各ビデオ・オン・デマンドには無料期間があります。

u-next
注意点
  • 動画の配信情報は2019年5月3日時点のモノです。
  • 動画配信ラインナップは変更される可能性もありますので、登録前に各サービスの公式ページにて必ずご確認ください。

ご覧のとおり、2019年5月3日現在はどこのビデオ・オン・デマンドでも配信開始となっておりません。

動画配信が開始になり次第、追って情報を掲載させていただきます。

【ネタバレあり】映画『ラプラスの魔女』感想レビュー

限りなく事故に近い、二つの“事件”?

小さな女の子と母親が竜巻に追われ、屋内へと避難した…。

しかし子供を奥へ入れて守るようにしていた母親は、竜巻の猛威に体を引きずられ吹き飛ばされて死んでしまいました。

20年後。地球化学を専門とする大学教授・青江修介(櫻井翔)のもとに、赤岡温泉で起きた死亡事故、あるいは事件かもしれない出来事について調査依頼がきました。

依頼者は温泉職員、内容としては“温泉からわき出る硫化水素で人を殺せるか”というものでした。

死者が出ているために温泉地は営業を中止しており、一刻も早く再開させたいという思いからの依頼だったのです。

亡くなったのは映画プロデューサーの水城義郎という男で、温泉へは妻・千佐都(佐藤江梨子)と旅行で訪れていました。

千佐都がカメラを忘れてしまったと旅館へ取りに戻ったあと、雪道で死体となって発見された、とのことでした。

現場で状況確認を行った青江は、微量の硫化水素があるとはいっても致死量にまで達するほどに溜まる場所・状況はありえないとし“事件ではなく事故”と判断します。

温泉職員と雪道で視察している際に、一人の少女(広瀬すず)が入ってきました。

危険区域だったために追い返されてしまいましたが、青江は何か引っかかった様子でした。

事件ではなく事故、という青江の判断に食い下がる人物がいました。

警視庁麻布北署の刑事である中岡祐二(玉木宏)です。中岡は、千佐都が遺産目当てに水城を殺した線で事件としてこの件を追っています。

青江が温泉旅館へ戻ると、そこには先ほどの少女が何かに目を通していました。

“さっきの少女だ”と見ていただけなのですが、小さな男の子がオレンジジュースをこぼした時、少女が少しスマホをずらしました。

テーブルのかすかな傾きにそってジュースは、スマホを避けるようにして流れていくのを目にします。

まるでジュースの動きを予測していたかのような一連の流れに驚く青江でした。

ほどなくして硫化水素での死亡事件が、また起こります。

水城が死体として発見されたのとはまた別の場所ではあるものの死因は同じ。死んだのは那須野五郎という俳優でした。

限りなく事故に近い、けれど同一の死因で尚且つひと月の間に二件も立て続けに起こるのは不自然。

しかし人為的に起こすには、条件をそろえるのがほぼ不可能。

地球化学専門の青江でさえ、気温や風の流れ、そのわずかなブレによって“事件現場”となりうるような硫化水素の溜まる場所を特定するのが困難なほどです。

頭を悩ませながら宿でゆっくりしていると、突然部屋に入ってきたのは“あの”少女でした。

「友達を探している。」と、スマホの写真を見せて青江に協力を仰ぎます。

名前も知らない人に協力はできないと諭すと少女は「羽原円華」と名乗りました。

円華は事件現場に行きたがります。青江に案内してほしいと、なかば無理やり連れ出して硫化水素事件のヒントになるようなことを呟きました。

なぜそんなことまでわかるのか、知識量とその知能に驚く青江に対して円華は「私はラプラスの魔女」と言いました。

ラプラスとは18世紀のフランスの数学者、ピエール=シモン・ラプラスのことで、“ラプラスの悪魔”の提唱者です。

ラプラスの悪魔とは、未来に起き得る出来事をすべて計算して、それを踏まえて“何が起きるか”がわかるという超能力に近い、けれど偶然やまぐれではない確実な能力のことでした。

青江は脳裏に焼き付いているジュースの軌道を読んでスマホをずらした円華が、自分をラプラスの魔女だと言ったことに妙な説得力を覚えました。

鬼才映画監督に起きた8年前の悲劇

一方、刑事の中岡は死んだ二人の共通点を探していました。

接点は鬼才の映画監督と名を馳せた甘粕才生(豊川悦司)にあると気付き、青江の研究所を訪れます。

そして甘粕監督のブログを見せました。

8年前、甘粕の娘・萌絵が自宅で硫化水素を用いた自殺を図りました。

当時自宅にいた母・由佳子は道連れに死亡し、息子・謙人(福士蒼汰)は意識不明の重体に。

甘粕は撮影で北海道へ行っていたため、生き残ったのです。

ブログには家族のこと、事件のこと、残された自分と謙人のことがつづられていました。

謙人が手術で奇跡的に意識を回復したこと、回復したとはいえ動かせるのは右手の薬指一本だけだったこと、そして記憶を一切なくしてしまっていたことも。

リハビリをしていくなかで謙人は徐々に回復していきますが、甘粕を父親だと認識していないため他人同士のような言葉ばかりが交わされました。

あるとき甘粕が自分を思い出してもらうため、いつものように、家族であったころの話をしたところ謙人が「もうそういう話はしたくない」と返します。

それに対して甘粕は「もう病院に来ない方がいいか」と尋ねると、「どっちでもいい」と返されてしまいました。

甘粕は、謙人と距離を置く決断を余儀なくされました。

中岡刑事は甘粕のブログから考察します。

温泉地で死んだ水城は8年前、借金で首が回らなくなり、それが原因で離婚していました。

理想的な家族をもち幸せに暮らしている甘粕監督をねたんで、娘の自殺と見せかけて家族を一気に殺そうと目論んだのではないか、と。

青江はブログにある甘粕の写真を見ていくなかで、既視感に襲われます。誰かに似ている。

円華が見せたスマホの写真の少年に、似ている。

その少年こそが甘粕才生の息子・謙人だったのです。

円華(広瀬すず)を魔女にした人物とは

円華は青江を呼び出すと、借りがあるからヒントをあげると言います。それきり自分とは関わるな、とも。

そして携帯で通話しながら穏やかな水流の合間の陸へ青江を誘導しました。

何の意味があるのかさっぱりわからない青江をよそに、円華は風上からドライアイスを使って目に見える形でガスの軌道を示します。

白いガスは見事に青江を取り囲むように流れ込みました。もし、これが硫化水素だったら。

気温や風を読み瞬時に計算した円華の能力に、ただただ驚くことしかできませんでした。

いつの間にか周りを円華の護衛に囲まれて、二人は開明大学病院へと連れて行かれます。

そして円華の父である脳神経外科医の羽原全太朗(リリー・フランキー)から、事情を説明されました。

甘粕謙人に手術をおこなったのが全太朗であること、謙人には“能力”があるということ。

謙人はサイコロを振り、手から離れた瞬間に出る目を予測できるのです。

予言ではなく、予測。

力学、科学的な見地から出る目が“わかる”。

この能力について全太朗は国から委託を受け、さらに研究を進めていました。

自分の娘である、円華にも同様の手術をおこなって。

説明を以て青江に、これ以上は関わらないでほしいと牽制した全太朗でしたが、青江は頷くことができません。

謙人が記憶を失ったフリをしていただけで、実はすべて覚えていたとすれば。

復讐として水城や那須野を、ごく自然に事故に近いかたちで殺害することが可能であると気付いたからです。

同じころ、中岡刑事は甘粕監督を見つけていました。

甘粕は心が壊れてしまって廃人同然の状態でした。

昔すでに完成させたはずの映画の絵コンテを、これは大作になると一心不乱に描き続けていたのです。

円華(広瀬すず)と謙人(福士蒼汰)の出会い。そして真犯人は…?

円華は連れ戻された病院で隔離された部屋のなか、謙人との出会いを思い出していました。

「あと40秒で降ってくるから」そう言って傘を渡し、バスに乗り込む謙人。

円華は不思議に思いましたが、本当に40秒後に傘が必要なほどの雨が降ってきました。

謙人と親しくなった円華は、同じ能力を欲しがります。

もし能力をもっていたら…天気や、竜巻が起こるタイミングがわかれば、母親を救えたかもしれない。

そんな思いから父に頼み込んで手術を受けたのでした。

同じ能力をもつ同士、円華と謙人は距離を縮めていきます。

謙人はすでに大抵の予測ができるようになっていましたが、竜巻のような乱流の予測は難しいと漏らしました。

あるとき謙人が竜巻の予測をしましたが、やはり外れてしまいました。

でも気温や湿度、風の流れなどからある現象の兆候に気が付きます。

それは月虹、満月などの明るい光で夜に見られる、幸福のしるしと言われている虹でした。

円華は病院から抜け出し、ふたたび青江に協力を仰ぎます。

二人で逃げ出して待ち伏せたのは、最初の硫化水素事件の被害者である水城の妻・千佐都でした。

謙人が犯人だったとしても水城と那須野とは直接の顔見知りでないなどの理由から、共犯者が必要だと推測し、共犯者になり得る人物として思い当たったのが千佐都だったのです。

つまり千佐都の行動を追えば、やがて謙人に辿りつく、ということです。

そんななか甘粕監督の8年前の事件について調査を進めていた中岡刑事により、ブログにつづられていた“幸福な家族を襲った悲劇”が、まるきり嘘だったということが判明します。

現実では甘粕監督の家は家庭崩壊寸前でした。妻の由佳子は不倫して離婚を考えており、娘の萌絵は援助交際をしていました。

謙人が記憶を失ったフリをしていた理由が、犯人から身を守るためだったとしたら?と推測した青江は、真犯人が甘粕才生だという結論に辿りつきました。

「君ならきっと正しく力を使える」

甘粕才生は、自分の理想通りではない家族を殺害することですべてをなかったことにし、ブログとして人々の目に触れ記憶に残るところで“完璧な家族”を作り直したのでした。

そして、悲劇の監督・甘粕才生を題材にしたドキュメンタリー映画を作る気でいたのです。

謙人は事件後の病床、それを甘粕が水城に電話で話すのを聞いていたため、記憶を失ったフリを続けていました。

そして特殊能力を利用しての復讐を思いついたのです。

舞台は甘粕が昔「廃墟の鐘」という作品のクライマックスシーンで使った廃墟。

謙人は能力で予測したダウンバーストを利用して、廃墟ごと父親と心中しようと考えます。

急激な吹き降ろしの気流が叶う立地、天候など条件から円華はそれに気付いて、青江と協力し被害を最低限にとどめました。

廃墟は崩れたものの命を失う者はありませんでした。

特殊能力には国が加担しているため、一連の事件は8年前のものも含めすべて“事故”で片付けられ、謙人についてはその存在すら報道されることはありませんでした。

後日、甘粕監督が自殺したというニュースが流れるテレビ。

研究室の窓から紙飛行機が入ってきました。青江が外を見ると円華がいました。

円華は「もし能力で未来が予測できていたとして、知りたい?」と問います。青江は「やめておくよ」と返しました。

二人が別れた少しあと、雪が降り始めます。

青江が円華の方を見ると、彼女は振り向いて笑いながらニットの帽子を被るのでした。

真犯人に辿りつくまで二転三転あるけど見やすいストーリー

原作著者の東野圭吾が「これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった。そしたらこんな作品ができました」とコメントしていたように、実際これまでの作品とは雰囲気が違うように感じました。

トリックがはちゃめちゃに入り組んでいて難解というわけではなくて。私は思っていたよりサラっと見られました。

あれこれ考察しながらになるのかなと思っていたんですけど、流れがスムーズだったというか私的に妙な引っ掛かりみたいなものを感じながらの鑑賞にはなりませんでした。

理数系が分からない人なので頭の中が面倒なことになるのかなって、ある意味ではちょっとわくわくしていたりもしたんですけど、つまずくことなく話を追えてよかったです。

登場人物が少なめで誰が何っていうのがわかりやすい作品でした。

多分もっといろいろ考えながら見るのが好きな人には、少し物足りないくらいかと思います。

公開後の評価がイマイチだったのは、このあたりに原因があるのかな…と感じました。

あと、真犯人である豊川悦司の扱いが三池崇史~!って感じだったなぁと思います。

「映画」の言い方の癖が強すぎて途中からマツモトクラブに見えて仕方がなかっ…それはそれとして、扱いというか見せ方というか三池節が出てたと思います。

特に最後の方の、撮影現場だった建物のなかでの甘粕才生の見せ方が。

大げさなくらいに二流映画監督というものを表現した結果かな、と思ったりもするんですけど、それにしてもやりすぎ感。

豊川悦司に罪はないです。

青江修介、という人について

こたつが似合う青江教授。

気弱で、実直で、科学者としてのこだわりがある。人としても筋が通っている。

あとたぶん研究室にある自分のテリトリーの物は全部ごちゃごちゃしてるくせに“定位置”があって、他人に触られたりずらされたりするのを嫌いそう(※個人のイメージです)。

でもしっかり研究室のドアに書いてありましたからね。

個人的に「できません」「ありえません」の語尾の言い方が好きです。

そういえば予告とかで見ていたほど「ありえません!」って言ってなかった…ことあるごとに言うのかと思ってたのに…。

いや、まぁ確かにしつこいくらい言われたら作品のテイスト変わってきちゃいますけど。

青江教授メインで印象に残った好きな場面としては、事件の現場検証後に研究室に戻って部屋の中をぐるぐるしたり椅子をスーン!ってしたりしながら事件についてあれこれ考えている場面。

視覚的には、青江教授が考えてるな、悩んでるなっていうところ。

聴覚的には、青江教授の思考を幾重にも音声を重ねることで“頭の中”が見えてくる。

あとは羽原円華を事件現場に案内したとき、“ラプラスの魔女”というワードを耳にした場面。

ラプラスがフランスの数学者であることや、方程式、関連することを文字で浮かび上がらせて視覚的に認知させる。

耳では、上述の場面と対照的に静かに一つ一つの言葉を青江教授が脳内で組み立てていくようなセリフが紡がれる。

こういう見せ方、とても好きです。

羽原円華、甘粕謙人という二人の天才について

私、フィクションにおける人智を超えた“天才”同士の会話っていうのが好きなんです。

例えば今作『ラプラスの魔女』の羽原円華と甘粕謙人や、『プラチナデータ』の蓼科早樹と神楽龍平みたいな。どちらも東野圭吾作品です。

映画『プラチナデータ』あらすじ・ネタバレ感想!人格、感情、愛さえもDNAですべて決まってしまうのか?

今作では、何かしら脳を手術して未来を予測出来るだけの能力をもつ人間にする、というふんわりした設定のなかの、被検体である円華と謙人。

二人には普通の人にはわからない未来が見えているという、これまたふんわりした話。

二人にしかわからないんですよね。天才同士にしか。

でも私が思うには、この世の未来までは二人にもわからないんじゃないかなと。

人間個々の思考や言動っていうのは気象で言うところの乱流と同じで、規則性はないものだと思うので。

30秒後に雨が降る、雪が降る、っていうのは人間に例えたら何だろう。

まばたきする、とかあくびするとかそれくらいの規模のことなんじゃないかな、と思います。

この項目を締めるにあたって言いたいのは、羽原円華の好きなセリフ。

「見た目よりバカね。」言ってみたい!言ってみたいよ青江教授に!ってことです。

映画『ラプラスの魔女』まとめ

以上、ここまで『ラプラスの魔女』を紹介させていただきました。

ポイント
  • トリックを見破るのを楽しむミステリーではなく、人の心を見破るのを楽しむミステリー
  • キャラの濃い主要人物たちのセリフ、見せ方が面白い作品
  • もし未来を予測できる能力をもつことが出来る手術があったら、あなたは受けたいですか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です