2020年3月公開映画レビューまとめ!『Fukushima50』『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』など全14作品を評価!

2020年3月公開映画レビューまとめ!『Fukushima50』『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』など全14作品を評価!

どうも、ミルトモ編集部のシライシです。

2月に引き続き、映画が大好きな私が3月に鑑賞した14本の映画を正直に★5点満点で評価していきたいと思います。

新型コロナウイルスの影響で見られている映画がかなり少なくなってしまい、申し訳ないですが、どれも見て損はない映画をご紹介します。

特によかった映画は1~3位というランキングもつけています。

アバターシライシ

この点数は私の主観での点数なので信用しすぎないでください(笑)

2020年3月公開の映画レビュー

『ジュディ 虹の彼方に』:3月6日公開


評価:★★★★☆(4/5

レネー・ゼルウィガーがアカデミー賞主演女優賞を受賞した作品です。

確かに素晴らしい演技で、人生に疲れながらもスターとしての輝きと威厳もギリギリ保っていたジュディ・ガーランドを見事に演じていました。

正直な話、その頃にはもう映画にも出ておらずどさ回りの公演をしていた実際の40代後半の時のジュディの姿はほとんどの人が知らないと思うんですが、モノマネ的な再現ではなく「ああ、確かにこんな人がいたんだろうな」と思わせてくれる実在感があります。

『ジュディ 虹の彼方に』

(C)Pathe Productions Limited and British Broadcasting Corporation 2019

それはレネー・ゼルウィガーとジュディ・ガーランドの実人生が重なっているのも大きいでしょうね。

ダウナーでダークな『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』とでもいいましょうか。

アバターシライシ

あと、予告などで「ラスト7分、魂のラストステージ」と宣伝をしているので何となく『ボヘミアン・ラプソディ』を連想する方も多いかと思いますが、あんな最後にぶち上げてくれる映画ではなく、結構悲しい気分になる映画なのでご注意を。

当時のジュディ周りの人物たちの説明もほとんどないのでパンフレットの購入をオススメします(笑)

▼動画の無料視聴はこちら▼

『Fukushima 50』:3月6日公開


評価:★★★☆☆(3/5

これは一部で物議を醸してますね。

アバターシライシ

そんなに詳しくはない僕でも「これは聞いたことある話とは違うなぁ」と思うくらい、エピソードが美談に改変されていたり、必要以上に当時の政権を悪者にしてるのが割と気になりました。

そこを追及するとキリがないので割愛します。

私個人として不安視していたのは、やたらと流れる予告編で俳優たちが胸焼けするような怒鳴り芝居、泣き芸ばかり披露していたので、これはもしかすると邦画大作の悪いところを煮詰めたような代物になっているのではないかという点です。

アバターシライシ

その不安はいい意味で裏切られました。

どっちかというと硬派でドキュメンタリックな災害パニック映画で、セットの作りこみもすごいし、俳優たちの演技も思ったより平場は控えめでした。

『Fukushima50』

(C)2020「Fukushima 50」製作委員会

何よりも美談要素よりもとにかく「放射能は危険」「あの時、日本が終わる寸前だった」という事実を突きつけてくる恐ろしい映画として作られており、真摯な映画だと思います。

『Fukushima 50』

(C)2020「Fukushima 50」製作委員会

ただ、最後まで必要以上にお涙頂戴もせずに抑えたトーンで締めくくろうとしていたのに一番最後に「今年は五輪で、聖火ランナーは福島から始まる」という不自然な復興アピールテロップが入ったのは不可解でした。

2014年までの描写で終わったのにそんなこと言われてもってなりますし、福島に縁もゆかりもない人間でも「いや、まだ全然解決してないでしょ」と思ってしまいました。

アバターシライシ

プロパガンダ映画だとしても、もう少し自然にできなかったのでしょうか。

▼動画の無料視聴はこちら▼

『酔うと化け物になる父がつらい』:3月6日公開


評価:★★★★☆(4/5

たった94分で酒で身を持ち崩した父と娘の数十年の物語をまとめて見せたいい映画でした。

松本穂香渋川清彦今泉佑唯ともさかりえ、みんなすごくいい演技でした。彼女らの実在感があってこその映画です。

特に渋川清彦の「憎めないけどどうしようもないオヤジ」演技は絶品で、ダメダメでもなんだか可愛らしくて放っておけないんですよね。

(C)菊池真理子/秋田書店 (C)2019 映画「酔うと化け物になる父がつらい」製作委員会

アバターシライシ

まあ、「酔うと化け物になる」というからとんでもないDV父親だったのかと思ったら、単に酔いつぶれてだらしなくなっているだけなのでちょっと拍子抜けしたのですが、まあ当事者からしたら父が毎日そうなってたら辛いですよね。

ただ、なぜ父がそんなに酒に依存しているのかという理由付けに、さりげなく日本の働き方の問題点も描いているのが巧いです。

漫画が原作という点を活かして主人公の心情をあえてポップに吹き出しで出してみたりと面白い演出も多く、重い題材でもとても見やすい映画でした。

アバターシライシ

れに、これを見たら酒はほどほどにしておこうと自らを戒める人は多いと思います(笑)

『仮面病棟』:3月6日公開


評価:★★★☆☆(3/5

同じ木村ひさし監督の『屍人荘の殺人』が個人的にかなりダメだったので不安だったのですが、見違えるくらい面白くなってました。

アバターシライシ

やっぱりミステリーやサスペンスに緊迫感を削ぐような必要以上のおふざけはいらないですね。

原作からして面白いんでしょうが、登場人物も必要最小限で、時間も場所も限定的で、タイトにまとまってました。

『仮面病棟』

(C)2020 映画「仮面病棟」製作委員会

伏線の貼り方も丁寧でしたが、それをいちいち回想で振り返るのは鬱陶しかった気もします。

それと、仮面の逃亡犯の登場によって病院の隠された謎が明らかになる、という話なので一体どんな秘密だろうと期待してたのですが「まあ病院絡みの陰謀ってだいたいそれだよね」となるありきたりなものだったのが残念でした。

▼動画の無料視聴はこちら▼

『ミッドサマー』ディレクターズカット版:3月13日公開

評価:★★★★★(5/5)2位

これをカウントしてもいいのか迷った部分もあるのですが、かなり違う印象の映画になっていたので載せておきます。

通常版の『ミッドサマー』に比べて、主人公ダニーの恋人クリスチャン周りとホルガ村のとある風習にまつわる場面が追加され、最終的に迎える顛末への納得度が増していました。

なのでより怖く、面白い映画になっていたと思います。

アバターシライシ

何よりもこんな奇怪な映画の3時間近いディレクターズカット版の上映初日に劇場がほぼ満席だったのが個人的には嬉しかったです(笑)

『ムルゲ 王朝の怪物』:3月13日公開


評価:★★★☆☆(3/5

よくあるB級モンスターアクションなのですが、

アバターシライシ

舞台を朝鮮王朝時代、そして期間を数日に限っている
のが斬新でした。

アバターシライシ

今の時代だったらテクノロジーで殺せそうな程度の怪物でも、刀と矢くらいしかない時代だとまあ手こずるしハラハラしますね。
『ムルゲ 王朝の怪物』

(C)2018 CINEGURU KIDARIENT & TAEWON ENTERTAINMENT.All Rights Reserved.

怪物が出るまでのじらし方は『ジョーズ』、そして主人公が元最強の将軍の隠遁者で彼に復帰のオファーが来る点は『コマンドー』などなどよくある要素もニヤニヤしてしまうポイント。

怪物のCGは14年前の『グエムル 漢江の怪物』に比べるとだいぶ荒いうえに、夜のシーンばかりで誤魔化そうとしているのが残念でしたが、アクションや王朝のセットはしっかり作りこんでいました。

アバターシライシ

怪物のデザインも全然スタイリッシュじゃないんですが、ちょっと可愛く見えてもきます。劇場でご確認ください。

『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』:3月13日公開


評価:★★☆☆☆(2/5

初のグザヴィエ・ドラン映画だったんですが、いまいちハマれなかったです。

少年とスターの文通の話という突拍子もない話なうえに、それをリアイティをもって成り立たせる気もないのでどんどんどうでもよくなっていってしまいました。

スターとただの少年同士だけど家族の問題やら悩みは同じという対比の描き方はまあわかるのですが、スターの死の前の日々を少年との文通内容を回想する形式なのに「こんな細かいことまでわかるの?」と思ってしまう部分もありました。

それでも俳優陣はみんな豪華なだけあって素晴らしい演技をしていたので、引き込まれはします。

『ジョン・F/・ドノヴァンの死と生』

(C)THE DEATH AND LIFE OF JOHN F. DONOVAN INC., UK DONOVAN LTD.

アバターシライシ

ただ、ナタリー・ポートマンジェイコブ・トレンブレイの親子2人が街中で再会して抱き合う場面で、いきなり「Stand by me」が流れたりと意外と演出が安いので笑ってしまいました(笑)

『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』:3月14日公開


評価:★★★★★(5/5)3位

これはひたすら陽性なドキュメンタリーで、すごく勇気をもらえました。

びっくりしたのはこの理想的農園の経営者の主人公夫婦の夫がこの映画の監督なんですよね。

アバターシライシ

よくぞ8年間映像を記録してくれていたと思います。

もともと動物ドキュメンタリーや自然の営みをNHKの番組とかで見るのは好きだったんですが、『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』ではその自然の恩恵を存分に活かし、非常に合理的な形で農場の運営に生かしているのが本当に感動しました。

『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』

(C)2018 FarmLore Films ,LLC

アバターシライシ

特に、農園にカタツムリが溢れかえった時に、もともと飼っていたある動物を当初の目的とは別に駆除に利用して見せたエピソードには目から鱗が落ちましたね。

自然の力の凄さと夢を追う人間の強さ、両方を伝えてくれる秀逸なドキュメンタリーでした。

『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』:3月20日公開


評価:★★★★★(5/5)1位

これも凄い熱量のドキュメンタリーでした。

アバターシライシ

三島由紀夫に関しては全然知識ないですし、私自身は政治思想としてはほとんどノンポリに近い普通の平均的な日本人として見に行ったのですが、そんな自分が恥ずかしくなるような、ぶん殴られたような衝撃を受けました。

左右関係なく確固たる意志を持って、知識を身につけ、相手に敬意をもって誠実な議論を重ねる三島由紀夫と全共闘の人々のなんとカッコいいことか。

『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』

(C)2020映画「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」製作委員会

この討論会を撮っていてくれたTBSに感謝、そしてドキュメンタリー映画としてフラットな目線で的確にまとめてくれた監督に感謝です。

アバターシライシ

若い人にこそ見てほしい作品です。細かい周辺情報は劇中で丁寧に説明してくれます。

何よりもこの映画を見たら少しは当時のことを調べたり、三島由紀夫の文学を読んだり、政治に興味を持つようになるのではないでしょうか。

劇中では「言葉が力を持っていた最後の時代の映像」などと言われていましたが、この映画を見てまた火をつけられる人がいることを期待します。

『ナイチンゲール』:3月20日公開


評価:★★★★☆(4/5

これはいい映画なんですが下手に薦めにくい作品ですね。

全編通して容赦のなさに驚かされます。

話は西部劇によくあるタイプの、家族を殺されて復讐の追跡劇に出る主人公、という内容なのですがその家族を殺される描写が話を進めるための単なるきっかけとして処理されておらず、見た人は確実にトラウマになるような残酷さがありました。

アバターシライシ

それに悪役の軍人が端正な顔なのに極悪すぎて本当に厭な気分になります。

監督の出身地であるオーストラリアの植民地時代の暗黒史を抉りだしている内容で、女性差別、人種差別描写もえげつないです。

『ナイチンゲール』

(C)2018 Nightingale Films Holdings Pty Ltd, Screen Australia, Screen Tasmania.

それに復讐という正当性を持っていても、暴力は暴力を呼んでしまうし、暴力をふるった人間もどんどん壊れていってしまうという現実を突きつけてきます。

しかし主人公を案内するアボリジニの青年と徐々に絆を深める描写もあり、最後には暴力の連鎖を止めうるかもしれない可能性を見せてくれる映画でした。

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』:3月20日公開


評価:★★★★☆(4/5

とても面白い映画で前作の『スーサイド・スクワッド』とは見違える出来でした。

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』

(C)2019 WBEI and c&TM DC Comics

一番の見どころはやはりアクションでしょうね

マーベル作品に比べたらDC映画はずっとアクションの撮り方が古臭いスローモーション多用、重力を感じない動きが多かったのですが、さすが訓練を積んだだけあってとてもリアルかつ見せ方の工夫の多いアクションになっていたと思います。

キャラもみんな立っていて楽しかったです。

アバターシライシ

ただ、そんなハーレイと戦う相手が今回でいきなり出てきた小悪党ブラックマスクというのは弱いですね。
『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』

(C)2019 WBEI and c&TM DC Comics

ユアン・マクレガーは頑張ってたんですが、そもそもジョーカーと別れたことが発端の映画なのに、ジョーカーは一切登場せず、ハーレイにやり返されもしないのが不自然に感じました。

▼動画の無料視聴はこちら▼

『一度死んでみた』:3月20日公開


評価:★★★☆☆(3/5

こういう何にも考えず一定数楽しめるコメディは定期的に来てほしいですね。

予告編の地雷感に比べると、ちゃんと起承転結もしっかりしているし、何よりも93分と時間短いですし、ギャグもちゃんと面白かったです。

いい話に落ち着けようとするような雰囲気がなくて、逐一ギャグを挟んでくる姿勢も好感が持てます。

アバターシライシ

ただ劇中で主人公の七瀬がやっているバンドのデスメタル観はかなり適当というか、『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』を見た身としては、これは絶対にデスメタルではないと言い切れますね。
『一度死んでみた』

(C)2020 松竹 フジテレビジョン

アバターシライシ

コメディだからと言って許されないノリだったと思います。ロックじゃ駄目だったんでしょうか。

それから劇中で出てくる「若返り薬」の扱いが適当過ぎて、わざわざそんなもの出さなくていいのにと思ってしまいました。

『弥生、三月-君を愛した30年-』:3月20日公開


評価:★★★★☆(4/5

やたら予告編が流れているからちょっとうんざりしてたのですが、見てみたら予想外にいい映画でした。

3月だけの出来事で30年を描くという試みをしっかりしていて、そのほかの出来事は回想でも描かないようにしていて徹底していますし、演出もウェット過ぎず淡々としていました。

アバターシライシ

もちろん「主人公2人、どんだけ偶然の再開するんだ」みたいな不自然さはありますけど、それはまあしょうがない部分ではあります。

何よりも主演の波瑠成田凌の2人の演技がはまってました。

アバターシライシ

人生のタイミングが合わなくて愛し合っていても一緒になれない2人なのですが、なんとなく「結婚してたらしてたで上手くいってないだろうな」という雰囲気もあって絶妙なキャスティングでした。
『弥生、三月~君を愛した30年~』

(C)2020「弥生、三月」製作委員会

同じシーンを繰り返して年月の経過を表すのも巧かったと思います。

『CURED キュアード』:3月20日公開


評価:★★★★☆(4/5

今まさにタイムリーな内容過ぎてビックリしました。

アバターシライシ

ゾンビウイルスに感染した人が感知して、その後に周りから白い目で見られてしまうという内容で、コロナウイルスの猛威が吹き荒れる中で見られたのが怖いけど貴重な体験でした(笑)

低予算っぽいのにしっかりと世界観の構築ができていて、ゾンビウイルスの蔓延で崩壊しかけているギリギリの社会が説得力を持って再現されていました。

アバターシライシ

元感染者”CURED”がゾンビとして人を襲っていた時の記憶も全部残っているのがかなりキツイ設定ですね。

また感染者の75%が治って25%はそのままという設定も秀逸で、それが上手いこと最後のパニックに通じていたのも面白かったです。

『CURED キュアード』

(C)Tilted Pictures Limited 2017

しかし結局そういうリアルにも通じる感染症問題への決着からは逃げたような終わり方で消化不良ではありました。

2020年3月公開の映画レビューまとめ

いかがでしたでしょうか。

ファミリー向け大作映画は多くが公開延期になってしまいましたが、それでもミニシアター系、特にドキュメンタリーでいい映画が多かったです。

映画館はしっかり換気もされていますし、コロナによる自粛が少し落ち着いたらシネコンが休んでいる間に普段いかないミニシアターに行ってみるのもありかもしれませんよ。