2020年1月公開映画レビューまとめ!『パラサイト』『フォードvsフェラーリ』など全24作品を評価!

編集部おすすめ!2020年1月公開映画短評まとめ!

どうも、ミルトモ編集部のシライシです。

映画が何よりも生き甲斐の私は1月に24本の映画を見たのですが、すべて一本の記事として載せることはスケジュール的に叶いません。

ですが、この素晴らしい映画たちを埋もれさせるわけにはいかない!ということで25本、ざっと短評で振り返っていきたいと思います

★5点満点での忖度抜きの正直レビューです。

ちなみに★5点の映画が複数あるので、その中でも私が好きな映画には「殿堂入り」「1位~3位」とラベルを付けておきますので参考にしてください。

シライシ

あくまでも私の意見ですし、ジャンルでだいぶ偏りが出るので、好きな映画の評価が低くても怒らないでくださいね(笑)

2020年1月公開の映画レビュー

『さよならテレビ』公開:1月2日


評価:★★★★☆(4/5

毎回良質なドキュメンタリーを作ってくる東海テレビですが、今回は特に凄かったです。

何せテレビ局が自社内を撮影して、普段の様子やここ数年話題になったトピックの時にテレビの裏側で何があったのか見せてくれるわけですから。

さよならテレビ

(C)東海テレビ放送

昔ほどの勢いを失っている今だからこそ、TV業界の裏側を見るのは面白い。

おまけに何人かの社員に密着してジャーナリズムに対する思いや、衰えゆく業界の話も聞けるから興味が尽きません。

シライシ

ただ、全く小難しい話ではなく、なんなら何度も笑いが起きるような楽しさもあるのが見事です。

そしてドキュメンタリーにも関わらずまさかのラストを迎えるので注目です。

『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』公開:1月3日


評価:★★★★☆(4/5

年明け一発目はこちらでした。

新年初笑いにもってこいの作品で、芸達者なセス・ローゲンと、美人でかっこいい分ふざけると余計に笑えるシャーリーズ・セロンのラブコメともなれば面白くないわけありません。

シライシ

主演2人が最高のアンサンブルが最高でした!
ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋

(C)2019 Flarsky Productions, LLC. All Rights Reserved.

下ネタ、カルチャーいじり、政治風刺何でもありなブラックコメディながら恋愛物語としてもしっかりロマンチック。

おまけにキャリアウーマンが直面する問題や、人間だれしもが差別意識を持っているという事実、そしていい大人になっても人間いくらでも変われるというメッセージをくれる良作でした。

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『エクストリーム・ジョブ』公開:1月3日


評価:★★★★☆(4/5

こちらは早くも2020年ベストの呼び声も多いですね。

たしかに非常に楽しかったし大ヒットするのも納得です。

笑いとアクションの塩梅が上手く、だれません。

特に編集のテンポが絶妙です。

刑事が自張込みの片手間に始めたチキン店が大繁盛という設定の無理やりさを力業で笑いに変えて持っていく手腕に脱帽です。

『エクストリーム・ジョブ』

(C)2019 CJ ENM CORPORATION, HAEGRIMM PICTURES. CO., Ltd ALL RIGHTS RESERVED

最後には大立ち回りもあります。

ただ大ヒットした映画であるだけあって万人が楽しめる内容にするために私のような一部の韓国映画好きが求める『オールド・ボーイ』や『殺人の追憶』のエグさやダークさがほとんどないのが残念ではありました。

シライシ

まあこれは一部の変態の意見であり、見れば絶対に楽しめる映画であると自信を持って言えます(笑)。

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『カイジ ファイナルゲーム』公開:1月10日


評価:★★☆☆☆(2/5

福本伸行先生が監修には入られているとのことで心苦しいのですが、これはちょっと上等な映画とは言い難いですね。

もちろん藤原竜也の熱演はいろんな意味で面白いし、何よりも東京オリンピックの後に日本経済が大崩壊した近未来が舞台という設定の攻めっぷりは素晴らしいと思うのですが、そういういい食材の調理が上手くいってないと思います。

設定は面白いのに脚本と演出がよくない。

さっきのやり取りをすぐ回想で振り返ったり、会話と会話の間に変な間が空いたり、熱演で怒鳴った後に俳優が棒たちになったりと、そういう細かい部分をもっと詰めてほしかったです。

シライシ

あと、申し訳ないですけど福本先生が考案されたというゲームの数々が、かつて様々な漫画で悪魔的な勝負を作り上げてきた方のものとは思えないくらい微妙でした。

金持ち同士が資産の重さを測る競争とか、一回だけ絶対にグーを出さなければならないジャンケンとか「それはギャンブルなのか?」とも思いますし、それに主人公が勝つロジックも弱い。

『カイジ ファイナルゲーム』

(C)福本伸行 講談社/2020映画「カイジ ファイナルゲーム」製作委員会

これで最後と言わず同じ崩壊した日本を舞台にもっとスカッとするカイジの活躍を見せてほしいですね。

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『パラサイト 半地下の家族』公開:1月10日


評価:★★★★★(5/5)※殿堂入り

昨年末の先行公開で見たのですが、2019年のぶっちぎりナンバーワンになってしまいました。

2020年の映画としては殿堂入りとして扱わせてください。

もはや見事としか言いようがないですね。

殺人の追憶』や『グエムル 漢江の怪物』の時から、映像技巧やシリアスとコメディのバランス、無駄のない語り口が素晴らしかったのですが、もはやポン・ジュノ監督の手腕は名人芸の領域です。

『パラサイト 半地下の家族』

(C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

ネタバレしないように言いますが、前半は貧乏一家が金持ち一家を乗っ取るのかと思いきや、後半まさかの○○に○○がいた!という展開からジャンルが変わるドライブ感もたまらないですし、面白さの中に格差や貧困から抜け出せない社会構造といった社会問題も的確に織り込んでいます。

シライシ

アカデミー賞でも脚本賞当たりなら獲るかもとひそかに期待してます(笑)

『フォードvsフェラーリ』公開:1月10日


評価:★★★★☆(4/5

こちらもアカデミー賞ノミネートは納得の一作でした。

153分あっという間で、濃厚な男のドラマが描かれ、最後は泣ける。

レースシーンは噂通りのド迫力でアドレナリンが出まくりますが、そこに頼り切らず、細かい人物描写を丁寧に積み重ねています。

『フォードvsフェラーリ』

(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

主人公のケン・マイルズとキャロル・シェルビーの成長や周囲との軋轢のドラマも見ごたえ十分でした。

それに基本的には熱い映画なのですが、終始切なさや死の匂いも漂っている雰囲気もあって深みのある映画です。

シライシ

ただタイトルの『フォードvsフェラーリ』は若干看板に偽りがあって、ほとんどフォード側しか描かれないのが気になりました(笑)

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『シライサン』公開:1月10日


評価:★★★★★(5/52

中々『フォードvsフェラーリ』よりこっちのほうが評価高い人間はいないと思いますが、これには訳があります。

人気ホラー作家の乙一が監督・脚本・原作を務めているのですが、映画版と小説版が互いに互いを補完しあって、両方合わせて恐怖とミステリーと切ないドラマとしての完成度が非常に高くなっているんですね。

なので合わせ技での5点です(笑)

ぜひ原作も読んでみてください。

この映画は能動的に見れば見るほど面白く、そして見終わってからも『シライサン』の恐怖が残り続ける強烈なホラーです。

『シライサン』

(C)2020松竹株式会社

シライシ

エンドロールにとある仕掛けもあって、あなたはこの映画を見たら他人に布教せずにはいられなくなります。

ぜひ劇場で確認してください!

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『音楽』公開:1月11日


評価:★★★★★(5/5

不良が音楽を始めるアニメなのですが、音楽が題材の映画でタイトルが『音楽』って超強気ですよね(笑)

しかし、その名に違わぬなぜ人間が音楽を好きになるのかという初期衝動を見事に描いたすごい映画でした。

超緩い深夜アニメみたいな世界観なのに、音楽を始めると世界が文字通り揺れ動き、居ても立っても居られない気持ちになる感覚をアニメーションならではのエモーショナルな演出で描いています。

『音楽』

(C)大橋裕之・太田出版/ロックンロール・マウンテン

常に低いテンションで生きる登場人物たちが音楽の時だけ劇画タッチになるのは笑えつつ、燃えます。

シライシ

こんなアニメは滅多に見られるものではないです。

音楽好きなら見て損はない逸品です。

『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』公開:1月17日


評価:★★★☆☆(3/5

こちらは映像は確かにすごいのですが、何か物足りない作品でした。

ダブル主演のうち、フェリシティ・ジョーンズ演じる女性操縦士側にどうもリアリティがないと思っていたのですが、後で調べたらやはり女性側はフィクションのキャラだったようですね。

気球に乗った主人公たちが「これはもう無理だろ」という状況まで追い込まれるのですが、そこからの挽回の仕方がちょっとあり得ない領域になっていて、のれなかったのが正直な気持ちです。

『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』

(C)2019 AMAZON CONTENT SERVICES LLC.

シライシ

これはおそらく私が公開前に配信していたAmazonプライムビデオで見てしまったからというのもあると思います。

この映画は劇場で見て真価がわかると思いますので、多少高くてもスクリーンで堪能するのがマストですね。

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『リチャード・ジュエル』公開:1月17日


評価:★★★★☆(4/5

さすがイーストウッド御大、毎年のペースでこんな良質な映画を連発してくるのは尋常じゃないです。

余計な演出をそぎ、自然な演技と最小限の描写の語り口でサスペンスとドラマを作り出してきます。

そしてこの映画は何よりも『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』や『ブラック・クランズマン』の悪役で絶賛を受けたポール・ウォルター・ハウザーのまさかの主演作という点に注目。

無垢で自分の正義を信じるがゆえにちょっと異常に見えるリチャード・ジュエルという危うい男を、これ以上ないはまりっぷりで演じています。

『リチャード・ジュエル』

(C)2019 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

人をフィルターにかけた状態で見ることの危険性、怖さを語りつつ、自分の信じる正義を貫くことの尊さも教えてくれます。

シライシ

ただ、ジュエルを追い込む女性ジャーナリストや警察がわかりやすい悪役として描かれすぎているのが気になりましたが。

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『mellow』公開:1月17日


評価:★★★☆☆(3/5

愛がなんだ』『アイネクライネナハトムジーク』などなど最近軒並み傑作ばかり、しかもどれも恋愛映画という今泉力哉監督の新作。

今回も非常に素敵な映画でした。

主人公の花屋を演じる田中圭がとにかく素晴らしいです。

彼を見る映画ですね。女子人気が高い理由がよくわかります(笑)

世界観全体が優しくて、全員が全員誰かに片思いしている様をほのぼのと切り取って、叶わない恋心も掬い取ってくれるような温かさがあります。

シライシ

あと、ヒロインがラーメン屋を経営しているんですが、見終わったら確実にラーメンが食べたくなるでしょう(笑)店で食べている人たちの演技が上手いからですかね。
『mellow』

(C)2020「mellow」製作委員会

前半までだったら5点つけたいくらいだったのですが、後半は日本映画でよくある手紙を延々読み上げて泣かせようとしてくる演出がくどくて減点です。

今泉監督ほどの方でもやってしまいがちなんですね。

『ジョジョ・ラビット』


評価:★★★★☆(4/5

アカデミー賞ノミネートの異色のナチスコメディにして素晴らしいジュブナイル映画でした。

主人公のジョジョ君がナチスに傾倒している様をキュートにおかしく描いてはいますが、無垢な子供に排他的思想を植え付けていた時代の恐ろしさも逃げずに描いています。

『ジョジョ・ラビット』

(C)2019 Twentieth Century Fox

そしてそんなナチスが植え付けた愛国心や優生思想よりも、自分が自発的に持つ家族愛や他社への愛のほうが強いとジョジョ君が学んでいくのが感動的ですし、それを教えてくれる周囲の大人たち役の役者さんたちがみんな素晴らしかったですね。

人々がヒトラーに熱狂している様子にビートルズの「抱きしめたい」をかぶせるブラックなセンスも最高です。

シライシ

ただ、タイカ・ワイティティ監督本人演じる空想のヒトラーがあまりにもキュートなので、彼が案外ただの悪役になってしまったのが残念というちょっと歪んだ感想を抱いてしまいました(笑)

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『ラストレター』公開:1月17日


評価:★★★☆☆(3/5

こちらはかなり予告の予想と違う映画でした。

もっとエモい話かと思いきや、笑える場面も多いし、過去を懐かしむ話かと思いきや現代パートのほうが長いし色々と意外です。

話運びの不自然さ無理矢理感は気になりますが、映像の美しさは素晴らしいです。

そして何よりもヒロインの広瀬すず森七菜の魅力が半端じゃないです。

『ラストレター』

(C)2020「ラストレター」製作委員会

シライシ

最強に可愛いし、その可愛いさが話を転がしていく説得力になっています。

アイドル映画として見て欲しいです。

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『ペット・セメタリー』公開:1月17日


評価:★★★★☆(4/5

これは良い意味で嫌な気分にさせられるホラーでした。

シライシ

ただ、子供がいる方は見ない方がいいかも。
『ペット・セメタリー』

(C)2018 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

娘が死んだ父親が不思議な土地の力を使って死体を蘇らせるという話は予告からもすぐわかるのですが、その娘が死ぬまでが意外と長い。

しかしテンポや構成が悪いわけではないです。

むしろ最悪な結末に向けて、周到にお膳立てしていく無駄のない脚本と演出が見事でした。

あと、子役の演技が凄すぎてトラウマになりそうです(笑)

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『キャッツ』公開:1月24日


評価:☆(1/5

はい、きました、こちらは今年最大の問題作ですね。

予告編を見れば分かる通り、キャラクターのデザインがまず不気味です。

『キャッツ』

(C)2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

ただそれ以上に話がほとんどない上に気持ち悪い。

猫が次々に自己紹介していくだけの構成、そしてなぜか選ばれて“天上”に登っていく事が幸福なんだと信じて疑わない猫たち。

まるで新興宗教の映画みたいです。

シライシ

こんな異様な映画が大資本の力で大規模公開されてるなんて滅多にない状況なので、ぜひ劇場で見てください。

ある種の敬意をこめて1点とさせていただきます(笑)

『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』公開:1月24日


評価:★★★★☆(4/5

なかなか斬新なミステリーでした。

まず翻訳家という普段なかなかスポットライトが当たらない職業を扱ったミステリーで、謎の内容はなぜ世界的ベストセラーの情報が盗まれてしまったのかというもの。

集められた9人の翻訳家のうち誰が犯人かという謎解きもあり、密室劇の緊迫感もあり、ベストセラーの原稿が人質になる誘拐ものの面白さもありと盛りだくさんです。

『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』

(C)(2019) TRESOR FILMS – FRANCE 2 CINWMA – MARS FILMS – WILD BUNCH – LES PRODUCTIONS DU TRESOR – ARETMIS

話運びとしては「なぜこの人がそこまで暴走するの?」という不自然さはあるのですが、謎を明かしていく順番や時系列の操作も面白く、趣向の凝らされたミステリーでした。

シライシ

そして創作ができる人とその創作物を扱う仕事しかできない人の差を描いた悲哀のある映画でもあり、編集者としては身につまされました(笑)

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『サヨナラまでの30分』公開:1月24日


評価:★★★★★(5/5

よくある青春キラキラ映画かと思いきや、予想外に泣かされました。

大事な人を喪失した人々の再生の物語であり、根暗な青年の成長譚としても秀逸です。

音楽のすばらしさ、演出の丁寧さ、真剣佑演じる死んだアキに憑依されるソウタ役の北村匠海の一人二役の演じ分けの凄さ、褒めるところだらけです。

『サヨナラまでの30分』

(C)2020「サヨナラまでの30分」製作委員会

なぜ死んだアキがカセットテープを回した間だけ、ソウタに憑依できるのか?という理由付けにも「人は人の記憶の中にも生きる」というメッセージが込められていて感動的でした。

シライシ

デートムービーとしては今回紹介する映画の中でも最適ではないでしょうか。

『ロマンスドール』公開:1月24日


評価:★★★☆☆(3/5

これは奇妙な映画でした。

芥川龍之介の『地獄変』を連想させる、歪な愛の物語

劇中で高橋一生演じる主人公が作っている「ラブドール」がまさかの役割を果たします。

『ロマンスドール』

(C)2019「ロマンスドール」製作委員会

正直生理的に拒否反応が出そうな設定だったのですが、お互いのことを知らなかった夫婦が特殊な過程を経て真に理解しあうまでを丁寧に描いています。

シライシ

女性のタナダユキ監督だから描ける内容ですね。

蒼井優は濡れ場も大胆に演じ、後半には驚くべき肉体改造まで見せてきて圧巻の演技です。

ただ個人的には主人公の職場の上司・相川さん役のきたろうの演技がツボ過ぎて、彼が中盤からとある理由で退場してからは物足りなくなってしまいました(笑)

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『his』公開:1月24日


評価:★★★★☆(4/5

またもや今泉力哉監督作です。

シライシ

すごいペースですね。

ゲイカップルを扱った題材ですが、それでもいつもと変わらず人を愛することの尊さを描いています。

『his』

(C)2020 映画「his」製作委員会

性的マイノリティへの偏見もさらりと描かれますが、その偏見を超えたその先の話まで見せるのがすごいです。

結婚や新しい家族の形というテーマも掘り下げていて、『クレイマー、クレイマー』や『マリッジ・ストーリー』も連想しましたね。

ゲイカップルというだけで無意識に肩入れしたくなる主人公たちの正しくなさも描いていて、とてもフラットな目線で真の意味でやさしい映画だったと思います。

ただ行政や弁護士などの人々のゲイへの偏見の持ち方が露骨に描かれすぎていたのは違和感でした。

『彼らは生きていた』公開:1月25日


評価:★★★★★(5/5)1位

第一次世界大戦を扱った究極のドキュメンタリー。

当時の記録映像をカラーリングしてなおかつカクカクした動きを、CGで修正しています。

それに兵士たちが当時を振り返った記録音声、そして新しく録音した音響を足して、100年前の戦争の話とは思えないくらい当時の様子を克明に蘇らせています。

『彼らは生きていた』

(C)2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

技術もすごいですが、監督のピーター・ジャクソン(『ロード・オブ・ザ・リング』)の執念ともいうべきこだわりが尋常じゃないです。

『彼らは生きていた』というタイトル通り、歴史の記録の数値でしかなかった兵士一人一人のドラマが浮かび上がってきます。

地獄の戦場だけでなく、戦地でのつかの間の楽しみや、帰還した後の苦悩まで取り上げられ、100年前の人々がとても身近に感じられました。

シライシ

こんな作品を見せられたら1位にせざるを得ません。

現状、劇場は渋谷のシアターイメージフォーラムでしか見られませんが、もう配信も始まっているので絶対に見ていただきたい一作です。

動画配信サービスの方では、原題の『ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド』で登録されています。

『前田建設ファンタジー営業部』公開:1月31日


評価:★★★★★(5/5)3位

はい、こちらが私の3位です(笑)

この映画はたぶんすべての会社員に勇気を与えるんじゃないでしょうか。

社会人になって地味に生きていた建設会社勤務の青年が巻き込まれる「『マジンガーZ』の格納庫を受注したら、見積もりと工期はどうなるか計算してみよう!」という無茶苦茶なプロジェクト。

空想世界の産物でも絶対に実現可能だという建設業界のプロたちの意地、それに感化されて無気力な主人公が変わっていく様がコミカルながら最高に熱く描かれます。

『前田建設ファンタジー営業部』

(C)前田建設/Team F (C)ダイナミック企画・東映アニメーション

作品全体の『マジンガーZ』愛もすごいですし、リアルな建造工程を練っていく過程は「空想科学読本」が好きだった方などにはたまりません。

社会人になっても夢は持てるというドストレートなメッセージを最高の形で提示してくれるエンタメでした。

シライシ

驚きなのはこれが実話ということです。

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『バッドボーイズ フォー・ライフ』公開:1月31日


評価:★★★★☆(4/5

『バッドボーイズ』まさかの21年ぶりの続編。

シライシ

相変わらず無茶苦茶ですが、それがいい。

それにしても、ウィル・スミスは相変わらずこういうかっこよくて軽薄な役をやったら絶品ですね。

監督もマイケル・ベイじゃなくなったのに、ド派手なアクション、なぜか西日が多いライティング、間髪入れず挟み込まれるギャグ、悪趣味な暴力描写、無駄に出てくる綺麗なおねーちゃん、クラブ映像などなどベイ印はしっかり残っているのもファンとしては嬉しかったです。

「フォー・ライフ」というサブタイトルに主人公2人の友情も感じてちょっとグッときました。

ただ、後半から「『バッドボーイズ』にそんなヘビーな物語求めてないよ」というシリアス展開になってしまったのが残念でした。

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『AI崩壊』公開:1月31日


評価:★★★☆☆(3/5

率直な感想としては、日本でこんな本格SFがオリジナル企画で作られたことはとても嬉しいです。

2030年という近未来設定やセットにも違和感はなく作りこまれています。

日本映画らしく、犯人と疑われた天才学者の逃亡劇という題材でも、ド派手なアクションでは無く知恵と工夫で乗り切っていくのがフレッシュでした。

『AI崩壊』

(C)2019「AI崩壊」製作委員会

そしてAIが暴走して生活が破壊されていくシークエンスは、その唐突さ、無機質に殺されていく人々などが描かれかなり恐ろしかったです。

しかし事件解決までのタイムリミットが24時間と短く、日本全体を巻き込んだパニック映画としてのスケール感が損なわれ、解決方法も強引になってしまったのが残念。

シライシ

それに正直言うとキャスティングで真犯人がわかってしまいます。

とはいえ、ここまで硬派な日本製SFは中々見られないと思うので必見です。

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『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』公開:1月31日


評価:★★★★☆(4/5

スター・ウォーズ/最後のジェダイ』で世界中の賛否を巻き起こしたライアン・ジョンソン監督の最新作。

非情にまとまっていたし、確かに予測は不可能な内容で面白かったです!

シライシ

予想外に早いタイミングでの種明かしや、古風な洋館が舞台だけど時代設定は現代で社会問題も絡んでくるあたりはライアン・ジョンソンらしい斬新さでしたね。

二転三転するストーリーも面白いですが、そこに逐一ギャグを絡めてきます。

オールスターキャストだけあってみんなちょっとしたやり取りで笑わせてくれます。

『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』

Motion Picture Artwork (C) 2019 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

最後もこれどうやって収集つけるんだと思っていたら、最後に色々伏線回収して気持ちよく終わってくれます。

ただ、先の読めないストーリーを作るために不自然な点がいくつもあったり、扱った人種差別の問題に特に回答はなかったりと、普通に面白いけどなんだかモヤモヤするポイントがありました。

しかし誰が見てもある程度面白いミステリーになっているのは間違いありません。

2020年1月公開の映画レビューまとめ

いかがだったでしょうか。

いきなり★5つ、4つがたくさん出てしまったのですが、1月はアカデミー賞シーズンでもあり、昨年末に『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』とのバッティングを避けた作品も多く公開されるなど、本当に豊作でした。

シライシ

映画館で映画を見るのはいいものです。

たとえつまらなかったとしても思い出になるし、集中してみているから人と語りやすいです。

ぜひ皆さんも、この中の1本でもいいので劇場に足を運んでみてください!